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円安が止まらない理由が気になった人へ 〜 日銀が本当に見ている実質賃金を観測する 〜

📂【経済神殿】お金と経済の構造 
推定攻略時間:約7分

【三行まとめ】
・11兆円の為替介入をしても円安が止まらないのは、原因が為替市場の外に 
 あるからではないか。
・市場は「金利差」を見ているが、日銀は「賃金」を見ている。
・円安の本当の勝負は為替ではなく、日本が利上げできる経済になれるかどうか。

時間のある時に、無理をせず読み進めてほしい。

11兆円使っても止まらないなら、もしかして問題は別の場所にあるんじゃないか。そう考えた人は、たぶん正しい方向を見ている。

2026年5月。政府は円安を抑えるため、約11兆7000億円の為替介入を実施した。過去最大規模だ。ニュースだけ見ると凄まじい。一時的に円高へ振れたものの、その後は再び円が売られた。なぜか。

あなたが車を運転していて、下り坂でスピードが出すぎたとする。ブレーキを踏めば速度は落ちる。だが坂道そのものは消えない。今回の為替介入は、言ってしまえばブレーキだ。問題は坂道の方である。

坂道の正体が何か。
まずは金利差だ。日本の金利は低い。アメリカの金利は高い。投資家はより高い利息がもらえる方へお金を動かす。だからドルが買われる。円が売られる。市場は応援したい国に投資しているのではない。儲かる場所へ移動するだけだ。ここまではニュースでもよく見る話だろう。

だが帝国が面白いと思ったのはここからだ。最近の日銀関係者の発言を読むと、為替より賃金の話ばかりしている。円安の話をしているのにだ。市場は、「今の金利差」を見ている。一方の日銀は、「数年後に利上げできる経済か」を見ている。見ている時間軸が違うのである。

■「利上げしても大丈夫な経済かが重要」、日銀の6月会合巡り若田部前副総裁(Reuters)

例えばSNSではよく言われる「円安なんだから利上げしろ」は、確かに理屈は分かる。だが利上げすると、住宅ローンの負担は増える。企業の借入負担も増える。国の利払い負担も増える。つまり経済に体力がなければ、副作用の方が大きくなる。だから日銀が見ているのは円相場ではない。

賃金だ。

給料が上がる。消費が増える。企業が儲かる。さらに賃金が上がる。そういう循環が作れるかを見ている。構造の核心はここだ。

円安の問題は為替ではない。利上げできるほど日本経済が強いかどうかだ。

市場は「円安」、日銀は「賃金」そして最近は中東情勢まで絡んでくる。原油価格が上がれば物価が上がる。物価が上がれば実質賃金は下がる。実質賃金が下がれば利上げは難しくなる。

帝国は以前、「なぜポテチの袋は白黒になったのか」という記事で、ホルムズ海峡封鎖から実際の店頭価格まで数か月の遅延が存在する構造を観測した。

原油価格は今日動く。だが企業の仕入れ価格は数か月後に動く。そして店頭価格はさらに後で動く。スーパーの棚は「今の世界」ではなく、「数か月前に発注された世界」を売っている。

実は賃金と為替も似ている。

今日の春闘結果が、明日の円相場を決めるわけではない。所定内給与が上がり、実質賃金が改善し、それが消費や企業収益へ波及して初めて、日銀が動ける経済になる。市場が見ているのは現在ではなく、その数か月後、数年後に現れる構造なのだ。

気付いただろうか。11兆円介入の記事を読んでいたはずなのに、いつの間にか春闘と原油価格の話になっている。世界はそういう構造で繋がっている。

だから今回のニュースを見て、「政府は11兆円も使ったのか」で終わるのは少しもったいない。本当に面白いのは、「11兆円使っても解決できない問題がある」という事実の方だ。

帝国が観測した限り、今の日本はまだ詰んではいない。

だが市場も日銀も、「この先、本当に利上げできる経済になれるのか」をずっと観察している。だから彼らは為替チャートだけを見ていない。
賃金統計を見ている。春闘を見ている。原油価格を見ている。

ニュースの表面には円安が映る。だがその裏で動いている本体は、もっと地味な数字だったりする。

まずは実質賃金を見てみよう。
地図があれば、少なくとも「突然の出来事」には見えなくなる。

感情では現実が変わらん。お気持ちでは世界は動かん。-構造を見ろ-𝑩𝒂𝒔𝒕𝒆𝒕 𝑺𝒄𝒂𝒓𝒂𝒃 𝑬𝒎𝒑𝒊𝒓𝒆:𝑺𝒄𝒂𝒓𝒂𝒃𝒆 ;)

帝国は今この瞬間も観測を続けている。フォローしておけば、次の構造が崩れる瞬間を見逃さずに済む。

※本記事の内容は情報提供目的であり、いかなる判断・行動の根拠となることを想定していません。

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