「隣人から届く物語」と旋律

先日。
フォロワーの
みりーほさんによるコメント企画
「探偵と言われて思い浮かぶのは?」
に参加。


参加賞として
勧められた書籍
「台北プライベートアイ」

つい最近、
この本を購入したばかりだ。

まだ読んでいない。
だが、
そのやり取りの時点で、
確かな感触があった。


本の内容ではない。
物語そのものでもない。

「誰かが、私を思い浮かべながら、一冊を手渡してくれた」

その事実が、
胸の奥で鳴った。


その時、旋律に触れた。

――そう言えば。
私の人生は、ずっとこうだった。


小学生の頃。
幼馴染のゲーム友達から
手渡された「三國志」

歴史もの。
群像劇。

物語は、
こんなにも人を動かすのか。

その感覚を、初めて知った。


高校時代。
数学の先生が配ってくれた、
ハードボイルド小説のプリント。

作者も正確な題名も、
もう思い出せない。
「荒野を行く」
――そんな響きだった気がする。

自分の人生をどう生きるのか。
どんな道を選ぶのか。
それを、
ひどく真っ直ぐに
問いかけてくる内容だった。

当時は、
意味を理解できていなかった。

それでも、
「何か大事なことを言われた」
という感触だけが、
ぼんやりと残り続けている。


フリーター時代。
バイト先の先輩が勧めてくれた
「煙か土か食い物」

句読点を
極限まで削ぎ落とした文体。
家族の愛憎が
絡み合うサスペンス。

先の読めない展開に引きずられ、
終盤は一気読みした。

物語は、
読む行為そのものを加速させる。
その事実を、
身体で知った一冊だった。


そして、今。

みりーほさんレコメンドの
「台北プライベートアイ」は、
まだ
私の中で開かれていない。

それでも、
もう分かっている。

この本は、
これからの私に、
何かしらの旋律を残す。

本そのものよりも、
「誰から勧められたか」が、
物語に深度を与える。


隣人から手渡される一冊。

その背景ごと、
私は読む。

そしてまた一つ、
自分の内側に、
新しい旋律が織り重なっていく。


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<追記>
当記事は、以下の
ハルマガキャンペーン応募作となっている。


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田畑智|旋律エッセイスト あなたの一拍が、次の旋律を動かす

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