ロジラテ思考のマネジメント「強み発見術 その1」#A04
企業は「メンバーの強みを活かして成果をあげよ」とよく言いますが、では逆に「貴方の強みはなんですか?」と聞かれると、すぐには答えられないのではないでしょうか?
今日は、強みの意味をはっきりさせて、メンバーの強みを見極める方法を説明したいと思います。
1.強みとは何か?
人の強みは、中々わからないものです。例えば、上司から交渉力が高いと評価されている人に「貴方の強みは何ですか?」と聞いても、恐らく「私の強みは交渉力です!」とは答えないでしょう。
ひょっとすると、こんな答えが返ってくるかも知れません。
「私の強みは英語力です。外国のお客様とのコミュニケーションは問題なくできます。」
何故こんなことになってしまうのでしょうか?
それは、この人にとって交渉はあたりまえのように出来ることで、他の人も同じように出来ていると思っているからです。
この例は、「強み」と「得意なこと」を勘違いしている残念な話ですが、これ。。”あるある話”だと思いませんか?
2.「強み」はどうやって見出すのか?
マネジメントの世界で、最初に「強み」という言葉を使ったのはマネジメントの大家 ピーター・F・ドラッカー氏です。
ドラッカー氏はマネジメントを発明した人として有名ですが、強みの発見法についても教えてくれています。。
目標を決め。
何があって。
何故それが起こって。
何をして。
どういう結果になったのか。
これらを毎日記録し、定期的に評価反省しながらフィードバックしなさいと述べてきます。
「強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。何かをすることに決めたならば、何を期待するかをただちに書きとめておく。9か月後、1年後に、その期待と実際の結果を照合する。(中略)
これを行うならば誰もが同じように驚かされる」(『プロフェッショナルの条件』)
この方法は、自分を内省しながら強み知ることができる優れた方法ですが、時間をかけてフィードバックする必要があります。。
しかしビジネスにおいては、強みの発見だけに多くの時間をかけることはできません。。。もっと短時間で効率よく強みを見出す方法が必要です。
そこでロジラテ思考法では、ドラッカー氏のフィードバックを織り込んだ2つの強み発見法を考案しました。今日は、そのうちのひとつ。「強み発見シート」についてお話します。
3.ロジラテ思考法「強み発見シート」で強みを見出す
「強み発見シート」は「自己評価シート」と「第三者評価シート」の二つに別れた非常にシンプルなシートです。
次の例は、実際に「強み発見シート」を使って山崎さんという方の強みを発見したときのお話です。
向かって左側は「自己評価シート」で、山崎さんが自分自身のことをどう思っているのかを書き込みます。
向かって右側は「第三者評価シート」で、他人が山崎さんをどう思っているのかを書き込みます。
この2つシートは、お互いに個別に書き込み、終わったらお互いの評価を照合しながら「強み」を見出してきます。

この例で面白いのは、山崎さんが考える自分の強みは、「最後までやる粘り強さ」(赤字)です。
しかし、他人が見る山崎さんの強みは「誰でも活用できるマニュアルを作れる人」(赤字)です。
このふたつを見ると、異なる強みが書かれています。
しか、自己評価シートを注意深く見てみると、山崎さんも「学生のとき、知らない人からノートを見せて欲しいと言われた」(青字)と書いてありました。
つまり山崎さんは、このことを自分の強みとして認識していないことになります。
山崎さんに聞くと。。。
「教えて貰ったことをノートにメモしているだけです。こんなこと、だれでも出来ますよ!」。。。です。 (笑)
さらに山崎のさんの特性は、家族が難病になったときの対処の仕方にも現れています。山崎さんは解決策を次の順で考えていきました。
1番目 現状調査して
2番目 調査結果を踏まえて方針を考えて
3番目 治療費の捻出計画を立てる
非常に論理的な特性を持っていることがわかります。
この優先順は、1番目にもってくる考えがその人の強みである場合が非常に多いのです。
以上から、山崎さんの強みは「整理力」です。
このことを山崎さんと話して行くうちに、本人からこんな言葉がでてきました。
「そう言えば、学生のとき議事録をとって欲しいとか、レポートに纏めて欲しいとかよく言われてました。」
「私のレポートが、ゼミでマニュアルとして使われるようになって、凄く嬉しかったです。これから仕事に強みを活かせるように考えてみます!」
ご覧のように、強みとは意外にも他人に聞いてしまった方が早いということが言えます。
ただこれだけでは客観性に欠けるので、明日お話する2番目の方法と合わせて強みを検証する方法を説明していきます。
