パーキンソン病関連の記録#02
ほぼほぼ自分用の記録です。たぶんパーキンソン病関連の人以外が読んでも、たぶん全然面白くないです。かつての専門分野に近いことから、主に現在服用している治療薬を中心にまとめてます。しかし最近は、日常生活における工夫や治療に対する心構えも同じくらい、場合によってはそれ以上に重要だな、と思うようになりました。
パーキンソン病の確定診断が出て治療を始めたのが今年の正月明けだったので、治療開始から半年以上がすぎました。7月の初めに書き始めた記事なのですが、気力・体調などからかなりずれ込み、今になっています。
パーキンソン病は脳内の神経伝達物質であるドパミン(医学用語ではドーパミンをこう表記する)を産生する細胞が減少することで生じる進行性の指定難病です。
第一選択の治療法はドパミンの前駆体であるレボドパの投与です。次に、ドパミンでは無いけれども、これと同じ作用をするドパミン作動薬(ドパミンアゴニストとも)があります。ドパミン作動薬は作用時間が長いなどの利点も多いものの、レボドパよりも幻覚等の精神神経系の副作用(傾眠、めまい、幻覚、妄想、興奮、不随意運動、病的性欲亢進、性欲減退、暴食、病的賭博、不穏、過食、健忘、強迫性購買など。なんか矛盾してません? ってのもありますね笑)が出やすいため、主治医は双極症の僕に使用を許しませんでした。
現在、毎食後にレボドパ150mg相当(1日 450mg)を含有する薬剤を服用しています。おおよそ6時間くらい効果が持続しています。この薬は徐々に薬が効きにくくなるものらしく、将来的には症状に合わせて薬の量や回数を増やしていくことになります。
レボドパ・ドパミンには複数の分解過程が存在します。
先にも書いたように、レボドパはドパミンの前駆体であり、レボドパ脱炭酸酵素によりドパミンへと変換されます。しかし、ドパミン自体は血液脳関門(Blood Brain Barrier: BBB)通過できないので通過できるレボドパとして投与し、脳内へ移行した後、ドパミンに変換されるように設計されています。
しかし、末梢にもこの脱炭酸酵素は存在するので、脳内以外でこの変換をされてしまうと脳内にドパミンを供給できないばかりか、生成された過剰な末梢のドパミンが副作用を引き起こします。つまり、脳内に移行するか、末梢で分解されるかの競争な訳です。
この競争を少しでも有利にするため、レボドパ製剤には脱炭酸酵素の阻害剤(カルビドパやベンセラジドなど)が配合されています。なお、これらの阻害剤はBBBを通過できないので、脳内でのレボドパからドパミンへの変換を阻害することはありません。
その他の分解酵素にも阻害剤が開発されています。
MAO-B阻害剤(MonoAmine Oxidase-B inhibitor:モノアミン酸化酵素B阻害剤)と、COMT阻害剤(Catechol-O-MethylTransferase inhibitor)です。
レボドパに加えてトレリーフ(MAO-B阻害剤 + α の効果らしい。薬価がかなりお高め)という薬を6週間ほど飲んでいましたが、副作用で肝障害が出たため中止になりました。とにかく身体が怠くて、怠くて……。比較的めずらしい副作用だそうです。相変わらず、ついてませんね。断薬したら1ヶ月程度で普段の値まで回復。「正常値まで回復」と書けないのは、普段から安定して正常値を超えているからです(他の病気の薬が原因らしい)。残った薬は泣く泣く捨てました。高かったのに……。
今は代わりにコムタンという名前の薬を飲んでます。こちらはCOMT阻害剤になります。名前が、ゆるキャラっぽいですね。加齢が最大の発症要因なので、患者の比率は高齢者側に偏りがち。可愛らしくて親しみやすい名前にしたかったんですかね? あと、韓国料理にそんな名前のがあった気がします。おかげで「コムタン」だけで検索すると飲食店が先に引っ掛かります。
茶化して書きましたがコムタンは良く効きまして、それまでレボドパの効果は6時間程度しか持たなかったのですが、9時間程度まで伸びました。しかし今度は夕方くらいからレストレス・レッグス症候群(Restless Legs Syndrome。一般には、むずむず脚症候群とも)の症状が相対的に強く感じられるようになりました。感覚異常なので様々な症状(脚の中を虫が這っているよう、痒み、痛みなど)で現れるようですが、僕の場合は「振動」でした。最初は地震が来たかと思いました。他に似ているのは、すぐ近くでアスファルトを突き固めるのに使う縦型の土木用機械(最近、あまり見ない気がしませんか?)が稼働しているような感じです。
あまり褒められたことではありませんが、毎食後150mg(1日 450mg)のレボドパ製剤(商品名:ネオドパストン配合錠)を5時に100mg、13 or 14時に150mg、20時に100mg(1日 350mg)に減量してみました。昼間の150mgを100mgにするのは、何故かちょっと厳しい。150mg飲んでも6時間くらいで切れてしまう。
レボドパの半減期は60-90minだそうで、次の投与時には血中濃度は相当下がっているはず。レボドパの服用はあくまで対症療法であって、治療効果も予防効果も無いのだから、良いよねって感じです。変な表現だけど、「毎食後に飲む頓服薬」ですよ。
あと、レボドパは構造的にはアミノ酸なので、小腸での吸収の際にタンパク質が分解されて生じるアミノ酸と競合するため、トランスポーター(分子形状などに選択的な取り込み口)での効率が低下することが知られています。そこで5時、13 or 14時の食事ではタンパク質を可能な限り減らし、その分を20時に摂取するようにしています。
これは本当かな? って感じもしますが、炭酸水で飲んでます。実験ですよ、実験。図など、詳細はこちらに。
ちなみにかつてレボドパ投与自体が神経細胞を傷害するのか否かについて議論された時期もあったようですが、現在のところは否定されているようです。つまり、減薬したからといって何が良いという訳ではありません。症状が出ない最低限で薬は飲めば良いのでは? と思うだけです。
薬で症状が抑えられている治療開始から3〜5年程度(個人差が大きいらしい)を「ハネムーン期」と呼ぶそうですよ。僕のプライベートのハネムーン期は2ヶ月と超短期間だったのですが、それよりはさすがに長いみたいです笑。治療を始めて6ヶ月ちょい。ハネムーン期が5年と仮定して、既に1割を消費。統計的には振戦を主な症状とする人は進行が遅い傾向が見られるそうですが、パーキンソン病の進行速度は個人差が大きいのも事実であり、まったく先が読めません。
先日、相互フォローのnoterさんが、「会いたい人には、会えるうちに会っておいた方がよい」的なことを書いておられたが、確かにそうだと思いました。とりあえず、自力で移動できるうちに。その方も書いておられた(ような気が。なぜか探すと見つからない)けれど、最大の問題は相手が会いたいと思ってくれるか、なのですけどね。それには全く自信がない。
