【海外競馬】チェスター競馬場: 現役最古の競馬場【競馬場訪問レポ】
英国現地5月9日(金)、現在も競馬が施行されている競馬場としては最古のチェスター競馬場を訪問しました。
既に先人がnoteを残してくださっているので、いつものように長々とは書きませんが、備忘までざっくりと所感を残しておきます。
競馬場内外の雰囲気
チェスター市はウェールズとの国境付近にあるため、古くから城郭都市として発展してきた歴史があり、その街並みには、今なお13世紀ころからの趣が色濃く残っているようです。日本で言えば、例えば飛騨の合掌造りが17世紀初頭にルーツがあるようですので、それとの比較でも長い歴史を有していることがわかると思います。(わかりやすさの観点で引き合いに出しましたが、湿気対策のために木造建築が多い日本において、17世紀ころからの景観が残されている合掌造りには、関係者や先人の努力が詰まっていることは付言しておきます。念のため。)

そんな歴史ある城郭都市チェスターの市街地に隣接した位置に、チェスター競馬場は所在します。先人のnoteにもあるとおり、非常にこじんまりした競馬場で、限られたスペースを有効活用するためか、内馬場にパドック等の機能が押し込まれています。
規模の小さい競馬場であるがゆえに、競走馬との距離が非常に近いのが特長です。内馬場から観戦すると、特に複数回周回する競走の1周目のホームストレッチなど、馬が内ラチ沿いに密集する場面では、馬群が通過する際に蹴り上げられた土がかかるほどです。

ユニークな施行距離
当日施行された競走を無理やりメートル換算するとそれぞれ、1500m、2500m、2100m(ハクスリーS(GII))、3700m(チェスターC(メイン))、2100m、2500m、3700mでした。いずれも、主要な距離(1600、2000、2400など)から微妙にズレているのが、個人的に気に入った点です。芝1500mの競走は札幌以外で知りませんし、芝2500mも有馬記念で有名ですが、主流とは言えず、府中中山で少し使われている程度だと認識しています。
特にメインと最終で用いられた3700mという絶妙な距離は、マキバオーWC編で特殊コース好きになった身に刺さります。長距離競走は種牡馬価値向上につながりにくいので、生産サイドもJRAもなかなか手を出しづらいものと理解していますが、騎手の駆け引きなど見ている分には面白いので、かつてあったとされる中山4000mの条件戦など、復活を試みてほしいものです。
チェスターCはあくまでClass 2(重賞リステッドを除くオープン戦)のハンデ戦のため、種牡馬価値云々というよりは、むしろ長距離重視時代の伝統をあえて残そうという気概によるものなのかなと推察しています。JRAが出走頭数の平準化などのために、レース体系を整理・合理化させていくことに何ら反対するものではないですが、少なくとも現存のステイヤーズSなどの長距離ロマンレースは大切に残していってほしいと切に思います。
意外な好メンバー
このように、主流から離れた競走を施行していると、有力馬が離れてしまいそうだと出馬表を見るまでは思っていました。もちろん、超一線級は流石に出てきませんが、意外な実績馬が走っていたので紹介します。
この日、競馬場で唯一のGIIであるハクスリーSに出走したThe Foxes号は、昨年末の香港CでRomantic Warrior号、リバティアイランド号、タスティエーラ号に続く4着だったほか、23年の🇬🇧ダービーでも5着(勝ち馬: Auguste Rodin号)に入着した実績があります。この日は当然1番人気に支持され、マーフィーJを背に期待に応えて勝利していました。
過去には、Frankel号の全弟として(そして日本導入後は失敗種牡馬として)知られるNoble Mission号が、タタソールズC、サンクルー大賞、🇬🇧チャンSの3つのGIを制する直前に、このハクスリーSに勝利していた例があるようです。出世レースとまでは言えないかもしれませんが、有力馬が駆け抜けるシーンを間近で見ることのできるチャンスだと思います。

まとめ
現在も稼働されている競馬場として最古のものであるというステータスと、狭さゆえの特殊な形状のほかに強調材料はないというのが正直なところなので、高いレースレベルを求める方におすすめするのは難しいですが、競馬という文化に愛着があって、古き良きヨーロッパの街並みに関心のある方であれば、パワースポット的な立ち位置で、ロンドン滞在中の日帰り訪問先として一考の余地がある場所だと感じました。
