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【有力馬紹介・予想】2025🇬🇧ダービー(現地6/7 15:30発走)

東京優駿(日本ダービー)が終わり、日本の競馬スケジュールも一区切り。前日に落雷の影響で東京9Rが中止になるなど、2011年以来の渋った馬場での開催かと思われましたが、出走1時間前に良馬場に変更されていたのは驚きでした。JRAの馬場造園課はホグワーツ出身者でも雇っているのでしょうか。
最近の🇯🇵ダービー馬は海外遠征でも活躍していますので、クロワデュノール号&北村友一Jの今後の活躍が楽しみです。昨年の覇者、ダノンデサイル号は8月の🇬🇧国際Sに遠征してくれるようで、本物のベリーベリーホースが、日本馬として初の🇬🇧中距離混合GI勝利を飾ってくれることを期待しています。
さて、そんな日本ダービーのモデルとなった、本場英国のエプソムダービーを来週観戦する予定ですので、下調べの内容をシェアします。


過去の傾向(2015~2024)

まず、直近10年の勝ち馬の傾向を見てみましょう。以下はごちゃごちゃした表ですが、父、母父、騎手、馬主、調教師、臨戦過程についてまとめたものです。

2015年以降の勝ち馬の経歴。燦然と輝く「父: ディープインパクト」

血統: 父or母父がガリレオ系又はGreen Desert系

まず血統面では、ノーザンダンサー系(橙地)の活躍が目立ちます。おなじみディープインパクト産駒のオーギュストロダン号(2023年、水色地: ターントゥ系)を除いて、9頭の父がノーザンダンサー系である点は、特筆に値します。
母父に目を向けても、非ノーザンダンサー系を持つのは4頭(薄緑地3頭: ミスプロ系、紫地1頭: ナスルーラ系)のみであり、欧州競馬におけるノーザンダンサー系支配は圧倒的といえるでしょう。
ノーザンダンサー系の中での有力血統は、なんといってもガリレオ系(橙地太字)で、2018年以降7年連続で父or母父がガリレオ系である馬が勝利しています。次いで目立つのはGreen Desert系(橙地斜字)で、ガリレオ又はGreen Desertを父or母父に持たなかったのは、この10年でWings Of Eagles号(2017年)のみとなっています。Danzig系の「デインヒルじゃない方」という印象がありましたが、勝ち馬の血統を並べてみると意外な相性が見えてくるものですね。

厩舎: 名門オブライエン師が優勢

オブライエン×クールモアコンビがこの10年で5勝を挙げており、ここ2年連続でこのタッグにムーアJが騎乗した馬が勝利(2024: シティオブトロイ号、2023: オーギュストロダン号)しています。他に期間中2勝以上挙げているのはアップルビー厩舎(ゴドルフィン陣営)のみで、この2大陣営は頻繁に多頭出しをしているのですが、「じゃない方」でもしっかりと勝利(例: 2021年はビュイックJ騎乗の本命サイド、ハリケーンレーン号が3着。アップルビー厩舎の「じゃない方」、アダイヤー号が優勝)しており、厩舎としてのベースラインの高さが際立っています。

ローテ: 多種多様のため度外視可能か

競馬の祖国における一大イベントではありますが、意外にも最近の優勝馬で綺麗な馬柱を保っていた馬は多くありません。ともにダンテS(GII)1着をステップに無敗のまま参戦したデザートクラウン号(2022年)とゴールデンホーン号(2015年)とを除いた8頭は、いずれも着外を経験したことがありました。
ダンテS以外の著名なステップレースとしては、皐月賞に当たる🇬🇧2000ギニー(GI)がありますが、こちらはマイル戦で距離の差が大きいこともあり、2000ギニーとダービーとを連勝した馬は2012年のキャメロット号まで遡ることになります。
日本以上の露骨な使い分けや、気軽にスクラッチする文化もあって、そもそも「王道」路線を辿る馬の絶対数が少ないこと、トップホースであっても調整目的でレースに出させるような陣営が現存していることなどにより、シンプルな分析は困難ですが、ポイントは大きく3つだと思います。

まず、実績的に最上位となる🇬🇧2000ギニー組に関しては、その着順に拘泥する必要はないと思われます。むしろ本番で大敗しているかどうかよりも、しっかりと🇬🇧2000ギニーのステップレースで勝利しているか否か、が重要のようです。直近のシティオブトロイ号、オーギュストロダン号はいずれも2000ギニーに敗れていますが、その前に2歳GIを制するなど、素質はしっかり見せていました。2018年のマサー号も、2000ギニーの前哨戦であるクレイヴンS(GIII)を制している点は強調されるべきです。

次にダンテS組ですが、特に無敗馬に関しては、前述のハリケーンレーン号を含めて10年で3頭が出走し、2-0-1-0と安定。ダンテS優勝馬に関しては、有力馬の一角とみなしてよいでしょう。

チェスターV(GIII)やダービートライアル(L)等の有力なステップレースは他にもある一方で、未勝利戦を勝ったばかりのサーペンタイン号が勝つ例もあるなど、ダービー本番の結果と臨戦過程との関係については、総じて不確実性が高く、ローテーションを重視した予想は難しいように感じます。

2025年の有力馬

これらの血統背景等をもとに、今年の出走馬のうち有力視されている4頭について以下で紹介します。

オッズは執筆時点のRacing Post参照: https://www.racingpost.com/racecards/17/epsom/2025-06-07/887145/odds-comparison

Ruling Court

🇬🇧2000ギニーの覇者。父・母父はノーザンダンサー系ではあるものの、ガリレオ系又はGreen Desert系ではなく(注: 母母父はケープクロス)、血統に関しては、上掲の傾向に合致しません。もっとも、父Justifyは昨年のシティオブトロイ号と同じであり、昨今のJustifyの勢力拡大状況も踏まえれば、血統に関してそこまで懸念する必要はないかもしれません。
ゴドルフィン陣営の3歳馬は今シーズン方々で活躍しており、アップルビー師とのタッグによる3度目の🇬🇧ダービー制覇も見えてくる勢いです。
懸念は、これまで1600m以下の競走しか経験していない点ですが、直近2年の覇者も中長距離初経験で戴冠しており、大きな不安材料とはならないかもしれません。せっかくなら2012年以来の春2冠を見てみたいので、個人的に最も注目している一頭です。

The Lion In Winter

ルーリングコート号の🇬🇧2000ギニー制覇で株を上げたのが、彼が落としたエイコムS(GIII)にて圧巻のパフォーマンスを見せていたザライオンインウィンター号です。父シーザスターズはGreen Desert系で、ガリレオも血統表上に顔を出しているほか、オブライエン×クールモアのおなじみのタッグでもあり、エイコムSのデキのみならず、毛並みもダービー向きといってよいでしょう。
しかし、今年緒戦となった前走のダンテSではまさかの6着敗北となりました。結果的にマイル以上での実績がないこととなり、後述のドラクロワ号との鞍上争いもあるので、本番直前にして不安材料が目立つ形となり、人気を落としています。

Pride Of Arras

ザライオンインウィンター号をダンテSで負かし、ダービー馬候補に躍り出たのが、プライドオブアラス号です。上述のとおり、無敗のダンテS覇者という経歴は、複雑怪奇なダービーローテの中では分かりやすく魅力的で、不利のあったザライオンインウィンター号(6着)を沈めただけでなく、ものさし馬Wimbledon Hawkeye(3着)にも3馬身(1 1/4 + 1 3/4)差付けて勝利している点が高評価です。
父はミスプロ系ながら、母父はしっかりとGreen Desert系で、傾向にあてはまります。ベケット師は実績的にはオブライエン師等に劣り、日本での知名度も高くありませんが、昨年にブルーストッキング号を同じライアンJとのタッグで凱旋門賞勝利に導くなど、勢いのある厩舎です。騎手・調教師にとっても初の🇬🇧ダービー制覇となるか注目です。

Delacroix

ザライオンインウィンター号の評価下落に対して、オブライエン×クールモアのもう1頭の有力馬として浮上しているのがドラクロワ号です。血統に関しては強調材料が少ないものの、2000mの重賞をダービー本番より重たい斤量を背負いながら、2着に2馬身差以上付けて連勝しており、他の有力馬が距離不安を抱える中で、適性に関してはピカイチと言えるでしょう。
2歳時には、ものさし馬ウィンブルドンホークアイ号に4 3/4馬身差付けて先着しているほか、バリサックスS(GIII)の2着馬がのちにチェスターV(GIII)を制しているなど、これまでの相手関係も見劣りしません。
同厩のザライオンインウィンター号との序列が気になるところで、ムーアJの騎乗馬選択は、今年のダービー馬を占う材料になるかもしれません。