見出し画像

決着はまたいずれ

  目次

 まあ良い。すでに手は打ってある
 飛竜の両翼が拡がり、静脈の浮き出た皮膜が巨大な帳となって一帯を陰らせる。
 風圧。土砂が舞い散り、総十郎は腕で顔を覆った。

「え、あれ? 乗せてくれないの?」
「はァ? 知るかヨ」

 〈道化師〉は体の周囲に魔術的な記号で構成された譜面のごときものを展開させて、強風から身を守っている。

「あれれ、おかしいなぁ、僕、一応キミの命の恩人みたいな感じになってると思ってたんだけど、あれぇ? どんどん行っちゃうぞ? おやおやおや?」

 その言葉を無視して、黒き飛竜は離陸し、優雅に飛び去って行った。
 間の抜けた沈黙だけが、その場に残された。

「……いささか、仲間との人間関係に問題があるようだが。」
「いやぁ、面目ないね、あの通りシャイな奴でさ。まぁでも――」

 ふわり、と。白いローブ姿が浮かび上がる。
 体の周囲を衛星のように譜面が回っている。燐緑色の光で編まれたそれは、果たしていかなる術によるものか。

「――かっこつけて宙に浮く程度なら、どうにかね」
「それでヴォルダガッダに追い付くのは大変であるな。」
「やれやれ……今から気が重いなぁ。ま、それはともかく」

 〈道化師〉は中空から悠然たる微笑とともにこちらを見下ろした。

「あなたとはどうあっても敵同士にならざるを得ない。和解は不可能だ。そしてその理由を言うつもりもない」

 総十郎は眼を細めて見返す。

「だけど――そこの彼とは、なんだかいい友達になれそうな気がするな。お大事に、と伝えておいてよ」
「――なに。」

 〈道化師〉の視線は、明らかにフィン少年を向いている。
 その眼には、複雑な悲哀と共感の色があった。
 それはどういう意味か、と問うより前に、白き少年は高度を上げ、ついには青々と生い茂る樹冠に紛れて見えなくなってしまった。

「ふうむ。」

 総十郎は顎をつかんでしばし思案し、やがて昏睡するフィン少年のもとへと向かっていった。

 システムメッセージ:サブキャラ名鑑が更新されました。
◆銀◆サブキャラ名鑑#3【ヴォルダガッダ・ヴァズダガメス】◆戦◆
 二十一歳 性別なし 戦闘能力評価:A-
 虐殺の化身。血の神アゴスの預言者。屍の山で孤高に憂う獣。
 最強オーク。オーク社会は殺し合いを日常としており、二十を越えて生きる者は極めて稀。オークの中で初めて宗教を作り出した預言者。オーク史上最高の天才でもあり、兵站や指揮系統の重要性に気付く。自身の破壊欲や殺戮欲をうまくコントロールし、オークという種族全体のための冷静な打算が立てられる。我欲よりも民の幸福を先に考えられることから、神統器〈終末の咆哮ワールドイーター〉に選ばれた。一方で、周囲の舎弟どもが自分より遥かに弱い状況に飽き飽きしており、未知の強敵との殺し合いを強く望む。〈鉄仮面〉と〈道化師〉を全面的には信じておらず、機を見てブチ殺すつもりである。
 所持補正
・『混沌の闘士ケイオスチャンピオン』 自己完結系 影響度:B
 世界の均衡を〈混沌〉の側に傾けるさだめ。生物・無機物・概念・社会制度を問わず、何かを破壊するために力を振るう際、戦闘能力がワンランク向上する。逆に何かを守るために力を振るう際、戦闘能力がワンランク低下する。
・『■■■■』 自己完結系 影響度:■
 ■■■■■■■ー。■■が■るような■■の■いの■でこそ■しく■え■つ■。■■より■■■■■■の■い■■との■■で、■■■■がワンランク■■する。■■が■■すればするほど、さらに■が■■しうる。ただし■■による■■の■■をなかったことにするわけではない。
・『■■の■■』 因果干渉系 影響度:■
 ■■の■■を■■し、■■ちとなって■てるさだめ。■■と■う■の■をよすがに、■は■■には■■から■■される。

【続く】

こちらもオススメ!

私設賞開催中!


いいなと思ったら応援しよう!

バール 小説が面白ければフォロー頂けるとウレシイです。