【閲覧注意】ようこそ、甘くておぞましい「メルティ・ホラー画廊」へ|パステルポップ✖️ホラー|イラストの標本箱|nijijourney
水平思考ゲームの解答で使い始めたイラストのテイスト

その名もべあ(裏面)
この可愛さ全振りのイラストのテイストでホラーやったら面白いんじゃないのかと思いまして
やります! パステルポップ✖️ホラー!
目標は『ぱっと見かわいい、よく見ると怖い』
いってらっしゃい〜!
ようこそ、甘くておぞましい「メルティ・ホラー画廊」へ
カランコロン、と。 安っぽいブリキの鈴が、あなたの来訪を告げる。
「ーーおや、珍しい。こんな奥まった路地裏の画廊に、お客様だなんて」
ようこそ、おいでくださいました。
外はひどくジメジメとして退屈な雨ですが……安心してください。一歩こちらへ足を踏み入れれば、そこは一面の綿菓子雲。 ミントグリーンに、ストロベリーピンク、それから、とびきり甘いラベンダーパープル。 当画廊がジャンルを問わず集めてきた、最高にキュートで、最高にポップな絵画たちが、あなたを歓迎いたします。
……おや? 「可愛いけれど、なんだか少しおかしい」ですか?
ふふ、お目が高い。 そう、ここの絵画たちは少々おめかしが過ぎるというか、茶目っ気がたっぷりなのです。
甘いパフェの底に沈むもの。 ぬいぐるみの笑顔の裏に隠された秘密。 パステルカラーの絵の具が隠した、ほんの少しの「違和感」。
どうぞ、目を凝らして、じっくりとご覧ください。 可愛い、可愛い、と微笑んでいるうちに、背筋にすうっと冷たい風が吹き抜けるーーそんな特別な体験を、あなたにお届けしましょう。
それでは、魅惑のパステル・ホラーの世界へ。 最初の展示はこちらでございます……。
『満開の拍手(はくしゅ)』

さあ、最初の展示でございます。 ゆめかわいいうす紫のドレスを纏った、可憐な少女。 彼女を祝福するように、あたり一面には満開の花々が……。
ーーおや、どうかされましたか?
ああ、なるほど。お目が高い。 地面から生い茂っているのは、茎や葉ではありませんね。 少女に向かって、貪欲に、一斉に伸ばされた「人間の手」……。
手のひらに咲く美しい花々は、まるで肉を裂いて芽吹いたかのよう。 彼女が抱える花束は、一体だれから摘み取ったものなのでしょうね? それでも彼女は、この愛に満ちた「拍手」の中で、ずっと嬉しそうに微笑んでいるのです。
『継ぎ接ぎ(つぎはぎ)だらけのトモダチ』

少女のまわりには、たくさんの愛くるしいぬいぐるみたち。 きっと彼女にとって、かけがえのない大切な「お友達」なのでしょう。
ですが、床をそっとご覧ください。 転がっているのはハサミと針、そして真っ赤な糸……。
中身がはみ出したら詰め直して、破れたら何度でも、彼女は健気に縫い合わせてあげます。 ーーそう、まるでお気に入りのトモダチを「長持ち」させるかのように。
でも、不思議だと思いませんか? この鍵のかかったお部屋の中で、一体だれが、この子たちをこんな無残な姿に引き裂いているのでしょう?
少女の手元にあるハサミの刃は、鈍く光ったまま。 逃げることも拒むことも許されない、永遠に続くお茶会へようこそ。
『幸せの処方箋(しょほうせん)』

おや、次の展示室に入った途端、目が眩むような色彩に圧倒されてしまいましたね。 画面いっぱいに描かれた、無邪気な子供の表情。 瞳の中には可愛らしいピンクのバツ印、そして顔をくしゃくしゃにして笑っています。
ーーですが、少し近寄りすぎてしまいました。
よくご覧ください。その口元を左右に力任せに引っ張っている、細い糸を。 唇からは、パステルカラーの痛みがトツトツと滴り落ちています。 ここでは、悲しい顔をすることは許されません。 糸で吊り上げられたその笑顔は、一体だれのためのものなのでしょうね?
『見つめ返すお気に入り』


おや、背筋がゾクゾクと震えていらっしゃいますね。無理もありません。 こちらの絵画は、当画廊でも特に「視線」が集まる場所でございます。
ご覧ください、少女が抱えきれないほど集めた、モコモコとした可愛いお友達の山を。 カラフルでんぷん菓子のような淡い色彩、きらきらとした星の飾り、そして少女の無垢な笑顔。
ーーですが、そんな彼女を、無数の「目」が見つめています。ぬいぐるみのボタンの目ではなく、血走り、涙を流し、恐怖に歪んだ、本物の人間の瞳。 少女の髪に飾られたお団子からさえも、ギロリとこちらを睨みつける視線が。 それでも少女は、この血生臭い視線の束を、ただの愛おしいコレクションとして抱きしめているのです。
エンディング
「ーーおや、もうこんな時間ですか」
楽しい時間は、本当にあっという間ですね。 当画廊に飾られたパステルカラーの秘密たち、お気に召していただけましたでしょうか。
可愛いお花も、愛らしいぬいぐるみも、無邪気な子供の笑顔も……。 ほんの少し視点を変えるだけで、まったく違う顔を覗かせる。 世界というものは、あなたが思っているよりもずっと、あやふやで、甘くて、おぞましいものなのかもしれません。
お出口はこちらでございます。 扉を開ければ、さっきまでのジメジメとした現実世界があなたを待っていますよ。どうぞ足元にお気をつけて。
……ああ、そうだ。最後にひとつだけ、お伝えしておくのを忘れていました。
当画廊の絵画たちに魅入られたお客様は、現実に戻った後も、身の回りの「可愛いもの」が少しずつ違って見えてしまうのだとか。 お気に入りの洋服のボタン、お部屋のクッション、あるいはーー鏡に映るご自身の笑顔。
そこに隠された「違和感」に、どうか気づいてしまいませんように。
それでは、また雨の降る奇妙な日に、お会いいたしましょう。 当画廊はいつでも、あなたのお越しを……首を長くしてお待ちしております。
(カランコロン……)
