【建築のタネ】サーブド・サーバント
サーブド・サーバント
─空間の役割を分けて考える─
No.041
近代建築の巨匠、建築家「ルイス・カーン」の思想には
「サーブド・スペース(奉仕される空間)」と
「サーバント・スペース(奉仕する空間)」という
明確な空間の分節があります。これは、建築を空間の役割で読み解く視点として、設計初期から意識したい考え方です。

■空間を分けることで見えてくること
ルイス・カーンが提唱したこの概念では
主に使われる空間(サーブド・スペース)
…と、それを
支えるための機能空間(サーバント・スペース)
…を設計上で明確に分けることで、
建物全体の秩序と機能性を高めることができます。
たとえば、リビングや寝室、研究室のような"居る"場所はサーブド・スペース。一方、階段、トイレ、倉庫のような補助的役割を持つ空間はサーバント・スペースに分類されます。
■この思想がよくわかる具体例
具体例としてよく挙げられるのが、ルイス・カーンによる「リチャーズ医学研究棟(ペンシルベニア大学)」です。中央に研究室を置き、その外周に階段室や設備シャフトを配置することで、主要空間の明快な独立性が保たれています。見た目でわかるほどに明確です。

この構成は、空間を用途や性格ごとに丁寧に読み解く手がかりになります。設計の中で役割の違いを見極め、それぞれに適した配置を考えることで、無駄なく美しい空間が立ち現れるのです。また、建物のメンテナンス性の高さもカーンの建物が愛される要因の1つかもしれません。


上記平面概略図の赤が吸気ダクト、緑が排気ダクトになっています。階段も「外付け」のようになっており、それが外部の造形に現れています。
■まとめ - 空間の役割を明示する思想
空間の役割を「使う場」と「支える場」に分けるルイス・カーンの思想は、設計を進める上での重要な視座です。彼は両者の関係性を意識することで、空間の質と明快さが格段に高まると考えたのです。
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