【建築のタネ】ダイアグラムという言語
ダイアグラムという言語
─形の変遷を伝える最強ツール─
No.075
建築におけるダイアグラムの役割とは?これを用いることでどんなことが可能なのでしょうか?

■ 形の変化を言葉で伝えるのは難しい
建築設計では、形状の変化やデザインの意図を説明する機会が多々あります。 しかし、それを言葉だけで正確に伝えるのは意外と難しいものです。例えば、ある建築の形状がどう変化するのかを、文章だけで説明しようとすると、相手に伝わるまでに時間がかかります。 そこで登場するのが、「ダイアグラム」という視覚的な表現手法です。
■ ダイアグラムとは?
ダイアグラムとは、建築設計において形の変化やプロセスを視覚的に表現する図のことです。 これにより、どのように空間が変化するのかを一目で理解できます。 例えば、ある建築のプラン(平面図)が「矩形から円弧へ変化するプロセス」を、言葉だけで説明するより、ダイアグラムで図示する方が圧倒的に伝わりやすいのです。
下記は福岡県福岡市にある「天神ビジネスセンター」の造形コンセプトを表すダイアグラムです。

©︎OMA NY

Tenjin Business Center Corner Plaza
所在:福岡県福岡市 / 2021
写真:©Tomoyuki Kusunose
おそろしくわかりやすい…!!
造形ルールは文字1つ無くてもこれ一発でわかります。逆にこれを文字だけで伝える事は可能なのでしょうか?
この造形に至る経緯は文字の方がいいとは思いますが、形を語る方法として、ダイアグラムは非常に優れた言語なのです。
■ ダイアグラムとレム・コールハース
この天神の案件はOMAのNewYork支社による設計で、担当は事務所代表の重松象平 氏です。
レム・コールハースとOMAをご存じの人は良く知っていると思いますが、ダイアグラムを設計の核として再解釈して位置づけたのがコールハース率いるOMAです。
コルビュジエのドミノシステムの図もまたダイアグラムですが、設計との位置づけを再定義して世に広く拡散したという意味で、コールハース(OMA)といえばダイアグラムなのです。

引用出典:Le Corbusier, Pierre Jeanneret
Œuvre complète 1910-1929
その他にも、コールハースが建築設計の在り方に関して与えた影響は数多くありますがまた今度解説します。
■まとめ ─ ダイアグラムは「視覚の言語」
ダイアグラムは、単なる補助資料ではなく、「視覚的な言語」とも言えます。 建築家同士のコミュニケーションだけでなく、施主や関係者にデザインの意図を伝える際にも、ダイアグラムの活用は重要です。
形の操作を、言葉ではなく図で表す。それが、ダイアグラムという建築の「もう一つの言語」なのです。
本編おわり!
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ダイアグラムとセットで使われるのが、「名づけ」です。
先ほどのOMA NYの案件のダイアグラムに、例えば「剥がし」なんて名前を付けたとします。すると、ダイアグラムとセットで1つの「道具(ツール)」になります。これで一気に使いやすくなるのです。
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「レム・コールハース」は建築設計を勉強してると必ず遭遇するオランダ出身の「巨人」です。(実際に、身長195cm超えの巨人なのですが)
彼がこの業界にもたらした影響は非常に大きいのですが、原典である書籍を読むとかなり難解です。「錯乱のニューヨーク」「S,M,L,XL」が代表作ですが、建築本の中ではなかなか難解な部類に入ります。
よって、コールハースの思想には、彼の思想の解説書など、2次的に触れることが多くなると思います。経営分野で言うと「ドラッカー」みたいな感じですかね。
BEAVERではコールハースの思想に関しては何度か扱っていますので、定期的に読んでいただければ幸いです。なるべく原典に準拠します。
今後もお楽しみに!
