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【建築のタネ】アイコン建築

アイコン建築

─アイコン建築—都市の風景を変える存在─

No.101


それを目にした瞬間、特定の都市を思い出す建築はありませんか?
それこそが「アイコン建築」と呼ばれるものです。


■ アイコン建築とは何か?


「アイコン建築」とは、圧倒的な造形や独創的なデザインによって、都市のシンボルとなる建築のことです。

例えば、次のような建築がその代表です。

◇ビルバオ・グッゲンハイム美術館
(フランク・O・ゲーリー設計)
→ 経済再生を象徴する文化施設として、スペイン・ビルバオに誕生。

ビルバオ・グッゲンハイム美術館
設計:フランク・O・ゲーリー

写真:Photograph taken by User:MykReeve.
- 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0,

◇北京国家体育場「鳥の巣」
(ヘルツォーク&ド・ムーロン設計)
→ 2008年北京オリンピックのために建設され、都市の象徴となる。

北京国家体育場「鳥の巣」
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン

写真:Peter23 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0,


◇シドニー・オペラハウス
(ヨーン・ウツソン設計)
→ 世界遺産にも登録されたオーストラリアの文化的アイコン。

シドニー・オペラハウス
設計:ヨーン・ウツソン

写真:Kgbo - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0


これらの建築は、単なる建築作品ではなく、都市のブランドそのものを形成する役割を持っています。



■ アイコン建築が生み出す社会的・経済的影響


アイコン建築は、都市に次のような効果をもたらします。

◇都市のブランディング
→建築物が都市のシンボルとなり、観光資源としての価値を持つ。

シドニー・オペラハウスは、シドニーを説明不要の都市ブランドに変えた。そう言い切ってもよいほどに、シドニーとオペラハウスは切り離せない存在です。

◇経済効果の波及
→観光客の増加により、周辺の商業施設やホテルの利用が増加。

スペイン・ビルバオでは、観光収入が急増!「ビルバオ効果」と呼ばれる現象が典型例であり、美術館の開館後、観光客が急増するなど、そのような都市の名を冠するほどの大きな影響があったことで知られています。

◇技術革新の促進
→最新技術を用いた構造やデザインが、建築の可能性を広げる。

例えば、ドバイの超高層建築では、最先端の建設技術が導入されており、建物に使われている技術力の高さや建物の高さ=富と権威の象徴を示しており、都市全体が技術の展覧会のような様相を呈しています。

特に、中国やドバイでは、経済成長とともにアイコン建築が急増していますが、建物すべてアイコン建築という異様なスカイラインが形成されています。



■ 「アイコン建築」のメリットと課題


一方で、アイコン建築にはいくつかの課題も存在します。

◇過度なデザイン重視の弊害
→斬新さを求めすぎると、周囲と調和しない建築が生まれる。

ビルバオは周囲の調和という点では全く嚙み合っていませんが、その圧倒的な外観で名物建築となっています。しかし、これがいくつも存在したら…?
それは完全に既存の都市の文脈を上書きしてしまうことになるのではないでしょうか?

◇維持管理コストの問題
→複雑な構造はメンテナンスが難しく、長期的な維持費がかかる。

アイコン建築は何も複雑である必要はありません。現地の材料を地産地消している「土着建築」も、アイコン建築になりうる可能性は十分にあります。

◇地域住民とのギャップ
→外部からの観光客向けになりすぎて、地元住民が利用しづらいケースも。

中国の一部の都市では、話題性を重視したアイコン建築が乱立し、結果的に「地域文化の文脈を破壊した建築」となってしまうことがあります。アイコン建築の成功には、都市との調和や持続可能性を考慮することが大切なのです。


まとめ


ビルバオやシドニーの事例が示したのは、建築が都市の流れを大きく変えうるという事実でした。

しかし、同じような「強い形」を増やせば増やすほど、都市は個性を獲得する一方で、その維持コストに悩まされたり、長期的な意味で、都市の個性喪失を招く恐れがあります。それは現在の中国上海やドバイにおける風景に見て取れる状況です。


アイコン建築を「一発逆転の起爆剤」として消費するのか、それとも「都市の文脈を育てる核」として機能させるのか。
その分岐点にあるのは、建築の派手さではなく、都市との接続の設計なのです。


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#建築 #建築設計 #建築学生 #アイコン建築 #高層ビル
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