【建築のタネ】メタボリズム
メタボリズム
─都市は生き続ける─
No.046
高度成長期の日本で生まれた「メタボリズム」という思想は、建築を細胞のように組み替えながら都市を成長させるという、当時としては革命的なビジョンを提示しました。そこには、限りある土地の中で変化し続ける社会をしなやかに受け止める設計思想が込められています。

「中銀カプセルタワービル」(現存せず/2022解体)
■メタボリズムの着想
メタボリズム(新陳代謝)とは、建築や都市が時代の変化に合わせて部分を更新しながら存続するべきだという考え方です。1959年に丹下健三研究室の若手グループが掲げたこの運動は、成長する都市を「生命体」と見立て、モジュール化と増殖、可変性をキーワードに未来都市像を描きました。

■中銀カプセルタワーの教訓
建築家 黒川紀章 設計の「中銀カプセルタワービル」は、老朽化したカプセルを交換し続けることで永遠に若返るという思想を体現したビルです。部屋というユニットを1単位とし、細胞のようにこれが更新され続ける…はずでした。
しかし実際には交換費用と所有形態の複雑さから更新は遂行されず、保存か解体かの議論を経て2022年に姿を消します。理念を実装するためには、技術だけでなく法制度、経済、コミュニティの合意形成が不可欠であることを示した好例とも言えるでしょう。
実はこのカプセル、全部で140あったのですが、そのうち23ユニットが「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」の活動によって、各地に散らばっています。これはこれでちょっと面白いですね…!!
■まとめ─メタボリズムの教訓
メタボリズムが教えてくれるのは、建築を「完成形」とせず、変化を前提に設計する柔軟な視点です。更新コスト、所有権、維持体制まで視野を広げれば、次の世代へ生き続ける建築が見えてくるのではないでしょうか。
■参考
黒川紀章/丹下健三/代謝運動/モジュール建築/可変都市計画/中銀カプセルタワービル/メガストラクチャー
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屋上の凸凹を渡り歩くのも大変そうです。
これは外壁補修の時の写真だけど,中銀カプセルタワービルの窓拭きも,カプセルがランダムな方向に取り付けられてるから,高所作業系の人がみんなボヤいてたw https://t.co/nLq8Szs33k pic.twitter.com/aU5nJrou9m
— ZOH Production T.I(NCT A606 Project TD) (@ZOH_Pro_TI) July 2, 2025
