【建築のタネ】住宅の売り方
住宅の売り方
─個別の住宅の独自性をどこまで追求するか─
No.091
もし、仮に住宅の独自性を
A=100(完全なフルオーダー)と
B=10(完全な規格型)で表すと、
その中間にはもっと多様なアプローチがあっても良いのではないでしょうか。今回するのはそんな提言です。

■住宅の2つの極端なスタイル
先ほどのように下記のように定義した場合
仮に「住宅の独自性」を
A=100(完全なフルオーダー)と
B=10(完全な規格型)で定義
現在の住宅市場では次のような構図が一般的です。
・ハウスメーカー:独自性10~30を担当
→規格型住宅が中心
・アトリエ系設計事務所:独自性70~100を担当
→フルオーダーメイドが中心
この両者の間、つまり独自性30~70の領域に、新たな住宅の売り方が存在しても良いのではないか、という問いかけです。
▼アトリエ系建築家による住宅設計
建築家による住宅の最大の特徴は、施主の要望に合わせたフルオーダーメイドの設計です。いわゆる「注文住宅」と呼ばれる売り方です。
設計者に様々な要望を伝えることで、1つ1つ、実際に形として実現する方法を考えてくれる。そこにしかない理想の家を作ってくれる。それが注文住宅の最大の強みです。
その独自性ゆえに、設計や施工に手間がかかり、どうしても費用が高額になる傾向がありますが、設計施工込々で2000万円台(土地別)程度から手掛けてくれるところもありますので、相場は様々です。
一方で、独自性のある「型」をあらかじめ用意し、その型をベースに住宅を販売する事例も出てきています。これは、オーダーメイドの良さを活かしつつ、一定の規格化によってコストを抑える手法です。
▼参考
▼ハウスメーカーによる住宅設計
ハウスメーカーの強みは、安価で安定した品質の住宅を提供できる点です。規格化された型を用いることでコストダウンを図りつつ、その品質の向上に力を入れています。
規格住宅の枠組みの中でも、デザインの質を高めた事例が登場しています。
例えば、フルハイトの建具を取り入れることで、室内にシャープで開放感のある印象を生み出す取り組みなどです。
値段は張りますが、バルコニーや縁側とのレベル差や物的な境を取り払い、内外が緩やかに繋がるようなデザインとした商品もあります。
■ これからの住宅市場は?
今後の住宅市場では、
・アトリエ系:一定の規格化&コスト抑制
・ハウスメーカー:型の多様化やデザイン性向上
この2つの動きが進むことで、住宅の「独自性」と「コスト」のバランスが取れた中間的な住宅が増えていくのではないでしょうか。
それによって、フルオーダーと規格住宅の間に位置する、個性的かつ手に届きやすい住宅が新たな選択肢として広がっていくことが期待されます。
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