【建築のタネ】間戸と風の目
間戸と風の目
─日本の間戸と西洋の風の目─
No.100
建築の“窓”は、文化ごとに異なる進化を遂げてきました。その歴史的経緯を紐解くと興味深いことが分かってきます。

■窓の起源——日本と西洋の違い
「窓」という言葉は、日本と西洋で異なるルーツを持ち、それぞれの建築文化に適した形で進化してきたといわれています。
日本では「間戸(まど)」
西洋では「風の目(wind-ow)」
…という観点で整理することで、それぞれの環境に適応した開口部として発展してきた背景を非常に理解しやすくなります。これをそれぞれ説明します。
■ 日本の「間戸」——構造と一体化した開口

日本の伝統建築では、柱と梁の間を開放することで開口部を作り出していました。これが「間戸」と呼ばれる、建具を外せば柱と梁だけが残るシンプルな構造です。
つまり、「柱や壁が無い部分」がまるっと開口部になるということです。この、柱と梁によって構成される木造建築の特徴を活かすことで、可動建具屋を組み合わせて通風や採光を自在に調整できるのです。
例えば、京都の町家では、障子や雨戸を開け閉めすることで、開口部の大きさや風の流れを調節できます。

■ 西洋の「風の目」——壁に穿たれた孔

一方、西洋建築では、組石造建築の壁に開口を設けることで窓を作り出していました。この開口は「風の目」と呼ばれ、通風や採光のための小さな孔として機能しました。
つまり、まず石を積み上げてつくった「壁が起点である」というのが、先ほどの「間戸」とは根本的に異なる点です。
例えば、ヴェネチアの伝統建築では、壁に小さな開口部(風窓)があり、風を通す役割を果たしていました。
また、ゴシック建築のステンドグラスも、壁を穿つことで生まれた窓の一種ですが、フライングバットレスなどの構造の進化と相まって大きな開口を実現しています。

■ 窓の役割の違いが生む建築の特徴
このように、日本の「間戸」と西洋の「風の目」は、それぞれの建築文化を背景に、適した形で窓を生み出しました。
・日本の窓
→構造の一部として開放し、通風や採光を自在に調整してきた
・西洋の窓
→壁に孔を設け、必要最小限の開口で風や光を取り込んだ(アーチ状のまぐさ)
今では良くも悪くも窓は世界的に「標準化」され、アルミサッシが主流になっていますが、窓の成り立ちを知ることで、今後の建築における開口部のあり方を考えるヒントになるかもしれません。
なお、日本にも風の目の発想で穿たれた「風の目」も当然存在します。しかし、間戸の考えは、かの「ブルーノ・タウト」に大きな衝撃を与えたのです。
下記に動画で例を挙げましたので、ぜひご覧ください。1分間のショート動画です。
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