Booking.comで通常プランと返金不可プラン(10%割引)を併用する価格戦略
日本の都市部にある一軒家タイプの民泊で、**通常プラン(エアビーと同等の柔軟なキャンセル可)と返金不可プラン(予約時点でキャンセル不可・全額前払い)**の2種類を併用する価格戦略について解説します。
特に返金不可プランの料金を通常プランより何%安く設定すべきか、収益性(RevPAR)、予約転換率、キャンセル率の観点からデータをもとに考察します。結論、返金不可プランは通常プランの10%割引が妥当です。
※RevPAR(Revenue Per Available Room)とは「利用可能な客室1室あたりの平均収益」を指します。売上とほぼ同義です。
Airbnbは、返金不可のプランを設定できないため、今回はBooking,comでの設定に焦点を当てます。
Booking.comにおける高いキャンセル率の課題
まず前提として、Booking.comではキャンセル率が非常に高いことが知られています。ある調査によれば、OTA各社の中でもBooking.comは最もキャンセル率が高く、年々増加傾向にありますmicado.jp。
主因は「無料キャンセル」があまりに容易で、ユーザーが気軽に直前キャンセルするようになったためですmicado.jp。
チェックイン前日までキャンセル料無料のプランが標準化していることで、「とりあえず予約して後で考える」という行動を招き、宿泊直前になってからのキャンセルも珍しくありません。
こうした背景から、返金不可プランを導入する意義が生まれています。返金不可プランを併設すれば「確実に泊まると決めているゲストには割引価格を提示し、予約時に前払いしてもらう」ことで、キャンセル率を下げつつ売上を保証できるからですnote.com。
一方で、完全前払いに抵抗があるゲストには通常の柔軟プランも提供し機会損失を防ぐ、という両取りの戦略になります。
返金不可プラン導入のメリット(データ)
実際にBooking.comでは、柔軟プランと併せて返金不可プランを用意することで予約パフォーマンスが向上すると報告されています。
具体的なデータとして、Booking.comのパートナー向け資料では以下の効果が示されていますmicado.jp:
キャンセル件数の平均 9%以上減少micado.jp(=予約が取り消されず実際に宿泊に至る割合が増加)
予約件数の平均 5%以上増加micado.jp(=価格帯の異なるプラン併設によりコンバージョン率が向上)
このように返金不可プランは、キャンセル率の低減と予約転換率(コンバージョン)の向上という二重のメリットをもたらします。
割引付きの前払いプランを用意すると、価格重視で「絶対に泊まるつもり」のゲストを取り込めるため予約数が増え、しかも前払いゆえ直前キャンセルが減るのです。micado.jpmicado.jp
また返金不可プランを設定すると、検索結果ページに表示される最低料金が割引後の安値になるため、他宿との差別化や集客力向上にも寄与します。
宿泊者から見ると「同じ部屋なら安いほうで予約したい」という心理が働きやすく、結果としてサイト上で選ばれやすいプラン構成になると考えられます。
返金不可プランの割引率は何%が最適か?
結論から言えば、通常プラン比で約10%程度の割引が業界の標準であり、収益上も効果的とされています。
実際、**Booking.com側の推奨割引率は10%**ですfivestar-corporation.co.jp。
返金不可プラン設定時の画面上でも「推奨10%オフ」と提示されるケースがありfivestar-corporation.co.jp、多くのホテルや宿泊施設がこの目安を採用しています。
民泊業界でも同様で、Airbnbが試験的に導入した返金不可オプションも標準で10%割引になるよう設定されていますrentalscaleup.com(ホスト側で自由に返金不可のプランにはできない)。Airbnbはプラットフォーム上で多数のA/Bテストを行っており、「最適な割引率」としてこの10%前後に落ち着いたと考えられますrentalscaleup.com。
ゲストにとって10%程度安くなると「キャンセル権利を放棄してでもお得に予約したい」と感じる一方、ホスト側も10%引きなら利益を大きく損なわずに済むバランスが取れる数値です。
実際の民泊運用者でも、割引率を10%近辺に設定する例が見られます。ある東京都内の一棟貸しホストは、自身のBooking.com管理で通常プランに対し返金不可プランを7%割引に設定していますnote.com。
このように5~10%台のディスカウントが現場で選ばれており、**二桁を大きく超える割引は一般的ではありません。
割引幅が小さすぎるとゲストの訴求力が弱まり、逆に大きすぎると不要な収益低下を招くためです。目安として約10%**を基準に、物件の需要動向に応じて±数ポイント調整するのが良いでしょう。
収益(RevPAR)への影響と考え方
返金不可プランによる収益・RevPARへの影響は総合的にプラスに働くケースが多いと考えられます。割引により一見ADR(平均客室単価)は下がりますが、実際にはキャンセル減少と予約増加で稼働率が上がり実収入が底上げされるためです。
ポイントは「10%の値引きで得られる確実な宿泊(またはキャンセル時の違約金収入)が、キャンセルによる100%の収入ゼロを防ぐ」という保険的効果にあります。
たとえば通常プランのみの場合、直前キャンセルでその夜の収入が0円になるリスクがあります。しかし返金不可プラン併用なら、ゲストがキャンセルしても宿側は代金の全額を受け取れるため損失を避けられますnote.com。
極端な例を言えば、**「10%引きで9組の予約を取っても、1組のキャンセルを防げればトントン」**という計算ですduagency.com。
実際には前述のようにキャンセル率自体が大幅に下がるmicado.jpため、トータルの収益はむしろ向上すると期待できます。
RevPAR(客室1室あたり収益)の観点でも、返金不可プランで有償キャンセル分も収入確保できる点が寄与します。
従来はキャンセル発生時に空室となり収益機会を失っていた部分が、返金不可なら一定の収入として計上されるためです。つまり、「多少安く販売しても確実に埋まる(またはキャンセル料を得る)」方が、定価で空室リスクを抱えるより効率的と言えます。
もっとも、最適なポリシーと価格差は物件の需要特性によります。
繁忙期や人気エリアでは強気の価格設定(割引率を小さめ)でも満室になる一方、閑散期や競合が多い場合は割引率を大きめにしてでも予約獲得を優先すべき場合がありますnote.comnote.com。
まずは10%前後の割引でスタートし、季節や客層による稼働への影響を見ながら調整するのがおすすめです。
まとめ:柔軟+返金不可のハイブリッド戦略で収益最大化
都市部一軒家の民泊では、柔軟キャンセル可プランと返金不可プランの併用が効果的な料金戦略となります。
返金不可プランは通常料金より約10%安く設定するのがひとつの目安でありfivestar-corporation.co.jprentalscaleup.com、これにより予約転換率アップとキャンセル率ダウンを同時に実現できますmicado.jp。
ゲストにとっても選択肢が増え、自分のニーズに合ったプランを選べるため満足度向上につながるでしょう。
重要なのは、自施設のマーケット状況に応じて柔軟に調整することです。需要が強い時期・エリアでは無理な割引をせず収益確保を優先し、需要が弱い時は思い切った割引で稼働率を取りに行く、といったメリハリも有効ですnote.comnote.com。
最適な割引率に正解はありませんが、現在得られるデータと業界標準から言えば「約10%引き」が収益最大化と予約促進のバランスが良いと言えるでしょうfivestar-corporation.co.jpmicado.jp。
柔軟プランと返金不可プランのハイブリッド戦略で、安定した収益確保と集客力強化を図ってみてください。
参考文献・出典(一部):
民泊運営者によるNote記事『Booking.comの効果的な活用法と価格設定のコツ』note.com
Airbnb公式ヘルプおよびRentalScaleUpによるAirbnbキャンセルポリシー解説rentalscaleup.comrentalscaleup.com
その他業界ブログ・レポート(micado社, Five Star社 等)fivestar-corporation.co.jpmicado.jp
