🤟静かな言葉たちが、風景になった日。──名古屋聾学校へのファンアート『修学旅行の思い出』に寄せて。敬意の書棚シリーズ
こんにちは、Bell noteです。
今日は、以前この場所で綴った「ある約束」の続きをお話します。
半年ほど前、私は『🫶静かな言葉と、AIがひらく未来』という記事を書きました。
NHKのドラマ『しずかちゃんとパパ』をきっかけに出会った、愛知県立名古屋聾学校のnote。
そこで綴られる静かで温かい日々に惹かれ、「いつか、彼らの姿を映像(ファンアート)として残してみたい」と願いました。
けれど、当時の私は、その企画を一度断念していました。 AIで手話の動きを生成しようとしたとき、その繊細なニュアンスや、指先に宿る「言葉の雰囲気」を、どうしてもAI技術で再現することができなかったからです。 「中途半端なままで形にするのは、礼を欠きよくない」──そう思い、私は「いつか、技術と私の準備が整ったら」という言葉と共に、その想いを引き出しにしまいました。
あれから、季節が巡りました。 今日、その約束をひとつの形にして、ここにお届けします。
それはAIの技術が劇的に進化したからではありません。
もっと素敵な、「声」を見つけたからです。
きっかけは、一枚の「かるた」でした。
先日、名古屋聾学校のnoteに、高等部2年生の修学旅行の記録が投稿されました。 そこで紹介されていたのが、生徒たちが旅の思い出を詠んだ「修学旅行かるた」です。
その読み札を見たとき、ハッとしました。
生徒たちが実際に詠んだ、素敵な言葉たち。
• 「と」 時足らず、行きたい所、回れずも、大満足ぞ、ハウステンボス。
• 「で」 出島で、謎のポーズ、してみた。
• 「き」 九州でも寒い。独特の景色や文化、名古屋とはまた違う美しさ、もう一度長崎県に行きたいなぁ。
• 「だ」 大宰府天満宮、久々に食べ歩き、牛は触れずとも、梅ヶ枝餅のまことよきかな。
等など
そこには、難しい言葉はひとつもありません。 でも、文字の躍動感、そして何よりその言葉の選び方から、彼らが寒空の下で笑い合い、白い息を吐きながら駆け回っていた情景が、ありありと浮かんでくるようでした。先生は記事の中で、こう書かれていました。 「かるたの読み札には、その時の弾むような気持ちや、心に残った景色が生き生きと表現されています」その一文を読んだとき、私は気づきました。 手話という「動き」を無理に映像で作らなくてもいい。
彼らが全身で感じて、心から溢れ出たこの「静かな言葉(かるた)」こそが、旅を案内してくれる最高のナレーションになるんじゃないか、と。そうしてつくったのが、今回の映像です。
【動画】旅栞|静かな言葉たちが巡った、冬の九州
これは、生徒たちの「言葉」を、私の映像シリーズ「旅栞」をモチーフにした、非公式のファンアートです。 実際の生徒さんの姿は映っていませんが、冬の九州を旅する生徒さんたちの気配を感じていただけたら嬉しいです。
2025年冬、彼らが見た「そのまま」の景色を目指しました。
この動画を作るにあたり、私は彼らの旅の工程(記事)を何度か読み返し、観光情報等も調べてみました。なので 映像の中に映る景色は、ただのイメージ映像ではなく、彼らが実際にその日、その場所で見た景色を目指しました。
言葉はなくとも、心は弾む
前回の記事で、私は「手話の再現性」にこだわりすぎて、立ち止まってしまいました。 けれど、この「かるた」たちが教えてくれたのは、もっとシンプルなことでした。
楽しい。美しい。おいしい。もっといたい。
そんな弾むような心の動きは、手話であれ、文字であれ、映像であれ、形を変えてもちゃんと伝播していく。 言葉(音声)がなくとも、景色と思い出は、こんなにも雄弁に語りかけてくれるのです。
この動画は、あくまで私という一人の読者が作ったファンアートに過ぎません。 本当の感動や、生徒たちの屈託のない笑顔、そして先生方の温かい眼差しは、ぜひ本家である愛知県立名古屋聾学校の公式noteで触れてみてください。
そこには、映像よりもっと鮮やかな「彼らの青春」が記録されています。
あの日、引き出しにしまった約束を、今日ここに。
素晴らしい言葉(かるた)を紡いでくれた生徒の皆さんと、それを届けてくださった先生方に、心からの敬意を込めて。
📖 インスパイア元・引用記事
高等部修学旅行の記事一覧
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