見出し画像

受託開発の見積もり、どう決まる? ビープラウドの考え方と進め方

受託開発の見積もりについて「どうやって決まっているのか分かりづらい」と感じたことはないでしょうか。

  • 提示された金額や工期を見ても「なぜこの数字になるのか」が分からない

  • 会社によって見積もりに差があり「どれが妥当なのか判断しづらい」

すでに発注を経験した方もこれから相談しようとしている方も、こうした不安を感じることは少なくないと思います。
見積もりは金額だけを並べても妥当性を判断しづらいものです。同じ相談内容でも、作業範囲や前提によって必要な作業量も金額も変わります。

この記事では受託開発の見積もりが分かりづらくなる理由と、見積もりを見るときに確認したいポイントを紹介します。読み終えたあとに「見積もりのどこを見れば安心して開発会社を選べるか」が分かることを目指しています。

あわせて、ビープラウドがどのような考え方で見積もりを行っているかも一例としてご紹介します。

本記事は、勉強会「BPStudy #210 見積りと計画について学ぼう」での当社代表取締役・佐藤治夫の発表を、発注者向けに抜粋・再構成したものです。
- イベント:https://bpstudy.connpass.com/event/344470/
- 発表資料:https://speakerdeck.com/haru860/introduce-the-concept-and-method-of-estimation-and-planning-in-the-case-of-beproud


受託開発の見積もりを理解するための前提

見積もりが分かりづらくなる理由

見積もりのズレや不安は、特別なケースで起きるものではありません。
要件が曖昧なまま進むと、相談する側と開発会社の間で、次のような状況が起こりやすくなります。

  • 「この機能は含まれていると思っていた」という認識の違いが生まれる

  • 運用や環境の前提があとから見えてきて、想定していなかった作業が増える

  • 未知の技術や外部サービスが関わり、作業量の予測が難しくなる

こうした背景から、見積もりは最初から正確に出せるものではなく、進めながら精度を上げていく必要があります。

多段階見積の図

この状態を可視化したものに、「不確実性のコーン(Cone of Uncertainty)」があります。

プロジェクト初期の見積もりには場合によって数倍の誤差が含まれ、進むにつれて精度が上がっていくことを示したモデルです。

見積もりを見るときに確認したいこと

見積もり金額の違いは単に「高い会社」「安い会社」という違いだけではありません。
同じような相談内容でも、どこまでを作業範囲に含めているか、どのような前提で見積もられているかによって必要な作業量や金額は変わります。

そのため見積もりを見るときは、金額や工期だけでなく次のような点も確認しておくと判断しやすくなります。

  • どの機能を対象に含めるか

  • どのような前提条件で見積もられているか

  • 要件整理、テスト、リリース、運用・保守などの作業はどこまで含まれているか

  • まだ決まっていないことや不明点は何か

  • 追加調査や要件整理が必要な部分はあるか

  • テスト・リリース・運用・保守の扱いはどうなっているのか

  • 仕様変更や追加要望が出た場合の進め方はどうなるか

金額だけで判断しづらい理由は、こうした前提の違いが見積書だけでは見えづらいためです。
安く見える見積もりでも必要な作業を含んでおらず、あとから追加作業が発生する場合があります。

一方で高く見える見積もりでも、要件整理やリスク対応、テスト・運用を見据えた作業まで含まれている場合があります。
見積もりは単に金額を比較するためのものではありません。
その金額で何をどこまで実現するのかを確認するためのものでもあります。

見積もりは段階的に精度を上げていくもの

見積もりは一度で確定させるものではなく、段階的に精度を上げていくものです。

最初に確認するのは「何を作るか」ではなく「何を解決したいのか」です。
どの業務で困っているのか、誰が使うのか、どのような流れで使われるのか。
そうした前提を明らかにすることで、初めて「何を作るべきか」が見えてきます。

そのうえで業務の流れをもとに、どこをシステムで対応し、どこを運用でカバーするのかを切り分けていきます。
さらにユーザーの操作や必要な機能を具体化し、見積もりできる粒度まで分解していきます。

実際にはこの検討と見積もりは完全に分かれているわけではなく、必要な前提を明らかにしながら見積もりの精度も上げていきます。

見積もりできる粒度まで分解するときは、抜け漏れだけでなく作りすぎないことも重要です。
場合によってはシステム化せず、運用で対応した方がよいという判断をすることもあります。
不確実な要素については調査として切り出したり、前提条件として明示したりしながら扱います。

ビープラウドの見積もりの考え方と進め方

ここまで見てきたように受託開発の見積もりでは、金額だけでなく前提条件や作業範囲を確認することが大切です。

ビープラウドはこれまでフルスクラッチでの受託開発を中心に、要件が固まりきっていない段階からプロジェクトに関わってきました。「何を作るか」よりも前に「なぜ作るのか」を一緒に考えるところから始めることも多くあります。その中で見積もりの難しさやズレにも向き合ってきています。

こうした経験から見積もりの前段階で、課題・業務の流れ・利用者・システム化する範囲を確認することを大切にしています。必要な作業範囲や前提を明確にしながら見積もりの精度を上げていきます。

「何を作るか」だけでなく「なぜそれが必要か」まで含めて考える。これがビープラウドの見積もりの基本的な考え方です。

採用している考え方・進め方

見積もりの前提を整理し、不確実性に対応しながら進めるために、ビープラウドでは以下のような考え方や進め方を取り入れています。

  • 要求や業務の関係性から整理する(RDRA)
    要求・業務・ユースケースのつながりを整理することで、「この機能は含まれていると思っていた」といった認識のズレを減らします。

  • プロジェクト全体でバッファを管理する(CCPM)
    個々の作業ごとに余裕を持たせるのではなく、プロジェクト全体でバッファを管理します。想定外のことが起きても、金額や工期を急に変えずに対応しやすくなります。

  • 段階的に精度を上げる(アジャイル開発)
    計画と実行を行き来しながら進めるため、最初にすべてを決めきらなくても、進めながら見積もりを具体化していけます。

RDRA:Relationship-Driven Requirement Analysis。要求・業務・システムの関係性を可視化する要件定義手法です。
※ CCPM:Critical Chain Project Management。プロジェクト全体でバッファを管理する考え方です。

まとめ

受託開発の見積もりは金額だけでは妥当性を判断しづらいものです。作業範囲・前提・不明点やリスクを確認することで、その金額で「何をどこまで実現するのか」が見えてきます。

見積もりは最初から細かい仕様まで決まっている必要はありません。むしろ「やりたいことはあるがどう整理すればよいか分からない」という段階からご相談いただくことも多くあります。

ビープラウドでは、やりたいことはあるものの要件や進め方がまだ固まっていない段階からでも対応しています。背景や課題を一緒に明らかにしながら進め方を考えていきます。

背景や課題を一緒に明らかにしながら進め方を考えていきます。
「こういうことをやりたいがどこから手をつければよいか分からない」。そんなときもお気軽にご相談ください。

サービスについてはこちらでも紹介しています。

いいなと思ったら応援しよう!