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オーディオ用アース研究①

☆プロローグ

電子回路やオーディオ機器についての文脈で「グランド」という片仮名を見たことがあるだろう。従来、英語のgroundは「グラウンド」と表記されてきた。サッカーはグラウンドでやる。そのgroundの発音記号は/grάʊnd/である。他方で、グランドという片仮名はgrandの表記として昔から定着している。groundを「グランド」とするのは、grand pianoを「グラウンド」ピアノと書くようなものである。グラウンドだと大地を想起させるので、グランドと言語新作してearth(アース)という単語との繋がりを断ち切りたかったのかもしれないが、不可解な隠語であるように思える。

通常、グラウンドはGNDと略記する。細かく分類すると、SGがシグナルグラウンドの略であり、信号の基準電位のこと。FGというのはフレームグラウンドのことで、金属製シャーシを基準電位とすること。GNDは他にもいくつかあるが、プリアンプのシグナルグラウンド端子に仮想アースを繋げてみたというのが、今回の記事。

アイキャッチのアース/グラウンドの画像は”Ultimate Electronics”というサイトのものを借用させていただいた。

☆仮想アースとシグナルグラウンド

外したきり、オーディオルームの隅っこに置き去りしていた仮想アースをプリアンプのシグナルグラウンド端子に装着してみた。光城のFORCE BAR EPで、昔もらったもの。5年くらい使い続けたが、最近は放置していた。

光城のHPより

ESOTERICのC-02とS-02は3ピンのIECインレットだが、エソテリックのIECインレットのアースピンは導通していない、らしい。代わりに、大ぶりのアース端子がリアパネルに付いている。

C-02のリアパネル中央のアース端子は重厚な作りである。この端子はFORCE BAR EPの端子よりも太く、キャップもよりガッチリしている。アルミ板の鎧のなかにトランスを5台積んだこのプリアンプは32kgある。

FORCE BAR EPを端子部を磨きもせずに、背面のアース端子に繋げてみた。再生音が滑らかになった。気のせいかもしれないという程度の話だが、音の風合いはよくなった。

ESOTERIC, C-02のシグナルグラウンド端子にFORCE BAR EPを繋げてみた。

不思議ではないだろうか。FORCE BAR EPが内部の多層構造でアーシングの有効面積を広げているのだとしても、この小ぶりの仮想アースを、C-02という重量32kgのがっちりとしたフレームのプリアンプのアース端子に繋げてみると、音質が改善するというのはどんな作用機序なのであろうか?注目すべきことに、このアース端子は「安全アースではない」とマニュアルに書かれている。この端子をSACDプレイヤーやパワーアンプと繋げると音質が改善する可能性がある、とマニュアルは説明している。

エソテリックのマニュアル

エソテリックのマニュアルは、他の機器と「アース接続」と書いている。これは他の機器のシャーシと繋げると言っているのだろうか?それともシグナルグラウンドと繋げると言っているのだろうか?ところで、PIONEERのユニバーサルプレイヤーのマニュアルには、PIONEERのプレイヤーのシグナルグラウンド端子を、映像端子と繋ぐと画質が改善し、また、音声端子と繋ぐと音質が改善する、可能性について語っていた。

つまり、PIONEERのマニュアルに基づいてエソテリックのマニュアルの説明を解釈するならば、C-02のシグナルグラウンド端子を、繋がっている他の機器のシグナルグラウンドと接続すると音質改善する可能性があるということになる。PIONEERは効果は高かったので、数年に渡って実践してきた。PIONEERの時は、シグナルグラウンド間の中点にこのFORCE BAR EPを置き、FORCE BAR EPを壁コンにある接地抵抗2Ωの専用リアルアースに繋げていた。

つまり各機のシグナルグラウンドを接続し、かつ、接地していた、のである。シャーシグラウンドではなく、シグナルグラウンドの接地というのは、おそらく、それと認識せずに接地している人は多いのではないだろうか。市販のものであれ、自作であれ、RCAケーブルを使って仮想アースを使っている人が多いように見受けられるからだ。

エソテリックのプリアンプ、C-02のシグナルグラウンドを接地すると、再生音はささやかだが、悪くない変化となった。今後、各機のシグナルグラウンドと接続を試していく。続いて、リアルアースで同じことを試す。さらに、FORCE BAR EP+リアルアースで各シグナルグラウンドを接続する、というように順次、実験を重ねることにしよう。そうしたことと平行して、仮想アースもリアルアースもなしに、DACと、また、パワーアンプと、ケーブルのみでの接続も試す。

ESOTERIC, C-02と光城のFORCE BAR EP

疑問点がある。

エソテリックであれPIONEERであれ、なぜ他の接続機器とシグナルグラウンドを改めてケーブルで繋げる必要があるのか?というものである。というのは、RCAケーブルのコールド側はシグナルグラウンドに繋がっているのではいのか?RCAケーブルを繋げただけでは、シグナルグラウンドは繋がるとはならないのだろうか。あるいは、信号の伝送にRCAケーブルを繋いで、さらに、シグナルグラウンド同士をアースケーブルで繋ぐと、シグナルグラウンドの接続のインピーダンスが下がるのだろうか。

それとも、シグナルグラウンド同士を接続することで「音質が良くなる」可能性があるのは、RCAケーブルではないケーブル、例えばXLRケーブルで繋げている場合のことなのだろうか。

そうしたことで音質が改善する理由が分かったほうが、もちろん、良い。しかし、理由は分からなかったがPIONEERで試してみて、既に、シグナルグラウンドを繋げると音質が良くなるという観察は得ている。エソテリックでもそうなると面白い。実験を重ねるとしよう。試聴で予想される困難は、アースは効果の発現が事後的になる場合があることか。