私とヒプノセラピー 【2章】
1章からの続きです。前回の記事から…
◾️近い未来の話──
そう、あのグループ催眠の日から
ちょうど1週間が経った、ある日の夕方のことです。
「近い未来に──」
ふと、頭の中に“声”だけが響きました。
左足、膝から上、切断???
えーーー!!
怖すぎる…。
なにそれ?
本当に、意味が分からない。
それからというもの、その言葉が頭から離れず、
ずっとあの時の声が気にかかる日々でした。
車に乗るのも怖くて、その1週間は一度も運転せず、
ただただ警戒しながら過ごしていたのです。
そして──
本当に、ぴったり1週間後の夕方。
1本の電話がかかってきたのです。
母からでした。
「なに?どうしたの?」
「落ち着いて聞きなさいよ」
「だから、なに?」
………。
母の弟、つまり私の叔父は、船乗りの仕事をしています。
その日、船を陸に停めるための、大きくて太い縄を扱っていたそうです。
縄を落ち着かせようと、縄の真ん中に左足を入れて一瞬停めた時のこと──
同じ船に乗っていた船員が、突然船を動かしたのです。
次の瞬間、縄は強い力で引き込まれ、
当然、その渦の中にあった左足も巻き込まれました。
もう想像がつくかと思いますが──
その通りです。
叔父の左足は、その太い縄に取られてしまったのです。
叔父は即座に携帯を手に取り、必死に連絡を試みます。
けれど、船上の大きな騒音で、声は届かない。
叫んでも、鳴らしても、届かない。
その間にも、足はどんどん巻き込まれ、
もう“皮一枚でつながっているような状態”にまで…。
大量の血が溢れ、それでも誰にも気づかれない。
極限状態の中、叔父はなんとか
自分の妻へ最後の力を振り絞って電話をかけ直しました。
そこで、やっと繋がったのです。
そこから船会社へ連絡が入り、
ようやく事の重大さが伝わりました。
けれど──
気づかれた時には、あまりにも遅かった。
救急車で搬送され、
唯一「神様がいた」と思えたのは、
その病院に、たまたま
“腕利きの名医”と呼ばれる先生が当直していたこと。
緊急手術となりましたが、
通常の切断とは違い、引きちぎられた状態。
その凄まじさは、想像に絶します。
母からは、最後にこう告げられました。
「命だけは…助かったみたい」
それだけを聞いて、電話は切れました。
もう、なんと言えばいいのか…。
心臓がバクバクして、夜も眠れず…じっとしていられませんでした。
その夜、当然叔父は朦朧として意識がないかもしれないけど、
それでも、どうしても気持ちを伝えたくて、
携帯から当時、長いメールを送りました。
どんな思いで、あの状況を耐えたのか。
それを想像するだけで、息ができなくなるほどでした。
──そう。
1週間前に「近い未来」として聞こえたあの声は、
私のことではなく、
大好きな叔父のことだったのです。
自分に起こることだと思い込み、
1週間、ずっと警戒して過ごしていた私。
けれどそれは──
“自分の周りで起こる出来事”として、
確かに当たっていたのです。
叔父は、名医のおかげで命は助かりましたが、
左足の膝から上を切断することになりました。
翌日、一緒にグループ催眠に参加していたママ友に報告すると…
2人とも「えー!?⁇」
と絶句。
もう、驚きというより…
言葉にならないという感じでした。
本当に、こんなことってあるの?
ヒプノセラピーの凄さと、
「自分の中にある答えの正確さ」に、度肝を抜かれた思いでした。
もしかしたら…
あのとき私は、
「未来を見た」のではなく、
“もうすでに起こることが決まっていた出来事”に
触れてしまったのではないか──
そんな感覚が、
少しずつ自分の中に広がっていきました。
そして、さらに深く感じたことがあります。
それは、
「答えは外にはない」ということ。
誰かに聞くものでもなく、
どこかに探しに行くものでもなく、
すべては、自分の中にある。
あの体験は、それを
“体感として教えられた出来事”だったのではないかと。
──ではでは、続きは3章で。
