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HKJCのアニュアルレポートを読む①〜「刺激的なビジョン」(チェアマン・ステートメント)

香港ジョッキークラブ(HKJC)の年次報告書(Annual Report)を読みました。
感想記事を書き始めたのですが、レポートの迫力をお伝えするには、結構なボリュームを丸々引用する方がいいかもと思いつつ、とはいえ、一つの記事に収めるのが大変なので、何回かに分け、書かせていただきます。

本日の記事では、チェアマンの利子厚マイケル・リー氏のステートメント(声明)の主に前半部分の引用と、最後に私のここまでの所感や、次の記事の予定を書きたいと思います。

(引用だけで4000字ぐらいあります。DeepL翻訳をベースに、少し表現など
修正を加えました。また、香港ドルと日本円の換算については、1香港ドル20円で換算しています。決算時期に合わせるともう少し細かく20.18円ぐらいのようなのですが、見やすさを優先し端数は切り捨てて換算しました。)

それでは早速ですm_ _m


チェアマン・ステートメント

香港ジョッキークラブ・利子厚主席

序文(主に、今年の成果について。)

 今年は香港ジョッキークラブにとって、レースでも、レース以外でも、大きな成果を収めた一年でした。まずレース面では、香港馬がオーストラリア、ドバイ、日本で勝利を収め、また、香港で開催される二大国際競争において、7レースのGⅠレースの内6レースを制することができました。
 レース以外においても、IoP(インスティテュート・オブ・フィランソロピー・公益慈善研究院)を立ち上げ、過去最高となる401億香港ドル(約8,020億円)を地域社会に寄付しました。内訳としては、賭博税、利益税、ロト基金への寄付が299億香港ドル(約6000億円)、承認された慈善団体への寄付が102億香港ドル(約2040億円)(通常の寄付67億香港ドル・IoPへの寄付35億香港ドルの合計)となりました。

 これらの成果は、厳しい経済状況において、当クラブの会計年度の賭け金売上が前年比でほぼ横ばいの0.7%減であったにも関わらず達成されたものです。
 サッカーくじの投票額は前年比で2.2%増と過去最高を記録しましたが、ローカル競馬の投票額に関しては7.9%減となり、これはコミングリング投票額によって部分的に補填されたに過ぎません。当クラブは、「サッカー特別賭博税」として24億香港ドル(約480億円)を納める義務があり、賭け金収入は大幅に減少し、そのため営業黒字は減少し、当クラブから香港ジョッキークラブ・チャリティ・トラストへの寄付金も減少しました。
 しかし、この苦難の時期における諸々の社会的ニーズに応えるため、私たちは以前コミットした45億香港ドル(約900億円)を大幅に上回る定期的な寄付を行いました。このために、クラブとトラストの積立金を取り崩す必要がありましたが、私たちは、『より良い社会のために行動する』という当クラブの目的を達成するために不可欠なことだと考えています。

 当クラブの最大の功績のひとつは、世界トップレベルの香港競馬を海外に輸出し、競馬のグローバルゼーションを促進したことです。
 現在、香港のレースは26の国・地域に放送され、各地の競馬ファンから当クラブのプールに投票された海外からの賭け金は、競馬売上総額の23.7%を占めるに至っています。これにより、香港競馬の世界的な足跡を拡大することができ、「一国二制度」の下での香港の強靭さを顕著にすることができました。さらに、ワールドプールの拡大を通じて、世界各地の最高レベルのレースを提供し、香港が国際的な賭け事のグローバルハブであることをアピールしています。
 今シーズンのワールドプール売上総額は、前年比57.1%増の21億香港ドル(約420億円)を記録しました。
 
 海外からの収益がこれほど大きな割合を占めるようになった今、私たちは香港以外の地域への貢献を拡大することに意欲を燃やしています。
 今年の主な取り組みの一つが、IoP(Institute of Philansolophy・公益慈善研究院)の設立です。香港という都市が世界レベルのレースの開催拠点となったように、当クラブも世界クラスの慈善活動と思索リーダーシップの中心地となることを目指しています。これは国際的なハブとしての香港の役割を強化するチャンスです。同時にまた、私たちは香港の慈善活動や地域社会への支援にも引き続き全力で取り組んでいきます。私たちはこれまで以上に、社会をより良くするために継続的に行動する決意を固めています。

訳註:
◆二大競争
毎年12月に開催の『香港国際競走(国際GⅠ4レース)』と、毎年4月開催の『チャンピオンズデイ(国際GⅠ3レース)』。2023/2024シーズンはロマンチックウォリアーなど香港地元馬がGⅠ7レース中6レースで優勝を飾った。
◆税項目や売上額に関する訳し方が難しく、念の為原文の英語も以下載せます。
賭博税=betting duty、利益税=profits tax、ロト基金への寄付=Lotteries Fund contributions、賭け金売上=wagering turnover、ローカル競馬の投票額=local racing wagering turnover、コミングリング投票額=commingling turnover、サッカー特別賭博税=special football betting duty、競馬売上総額=local racing turnover、ワールドプール売上総額=Total World Pool turnover
◆香港ジョッキークラブの掲げるパーパス
『(世界レベルの競馬機構として)より良い社会のために行動する』=(As a world-class racing club, we act continuously for the betterment of our society /致力建設更美好社會的世界級賽馬機構)

香港競馬(Hong Kong Racing)

 今シーズンの我々のフラッグシップレース(香港国際競争)開催日の盛況が示したように、競馬は地域社会を一つにするかけがえのない役割を担っています。

 この一年は、香港競馬は各方面で素晴らしい成績を上げました。最も衝撃的だったのは、12月にシャティンで開催されたロンジン香港国際競走でした。熱狂的な競馬ファンが地元の香港馬に声援を送る中、4つのGⅠレースのうち、3つのレースで私たちの馬が勝利を収めました。パンデミックの後だっただけに、心を奮い立たせてくれる出来事でした。また、国際競争が、世界トップクラスの競馬イベントのひとつであることも再確認することができました。

 最高の瞬間は、待望の復帰戦となったゴールデンシックスティが香港マイルで勝利した瞬間と言えるでしょう。シーズン終了後のチャンピオン・アワードでは、ゴールデンシックスティが再びチャンピオン・マイラーの称号を手にしました。

 4月のFWDチャンピオンズデーでは、3つのGⅠレースを全て地元の香港馬が制しました。この二つの国際競争には、あわせて5カ国から32頭の海外出走馬が集まり、香港競馬が世界トップクラスであることを証明しました。

 香港馬の海外での活躍にも目を見張るものがありました。東京競馬場で開催されたGⅠ安田記念でのロマンチックウォリアーの優勝を目の当たりにし、とても誇らしい気持ちになりました。

 このレースを香港馬が制したのは三度目でした。ロマンティックウォリアーはすでにオーストラリア・メルボルンのGⅠコックスプレートを制しており、それは香港馬としては初の快挙でした。この香港インターナショナル・セール出身馬にとって、今年は本当に素晴らしい一年となりました。香港馬として初めて、1シーズンで5つの国際GⅠレースを制したのです。チャンピオン・アワードでは、ホース・オブ・ザ・イヤー及びモーストポピュラーホースに輝きました。

 さらに、カリフォルニアスパングルはドバイのアルクオーツスプリントでメイダンの直線を史上最速のタイムで駆け抜け、チャンピオンスプリンターの称号を獲得しました。

【チャンピオン・アワード一覧(77p)】

(過去には、アーモンドアイ(中国語名・杏目)がMost Admired Overseas Horseに選ばれたことも)

 これらの画期的な海外での勝利は、香港競馬の知名度を高めると共に、当クラブの世界レベルのレースへの投資を示すものです。2023年に世界の競走馬トップ15に香港の馬が4頭ランクインしたことは、香港の競走馬数が世界の競走馬数の1%にも満たないことを考えると、信じられないような快挙です。

 しかし、香港には傑出した競走馬がおり、競馬のレベルも世界のトップレベルにあるとはいえ、香港競馬の強さを確固たるものにし、その持続的な発展を促進するためには、まだまだ努力が必要です。

 このことを念頭に置いて、私たちは馬の量と質、そして馬主の土台の拡大に取り組んでいます。馬主をサポートするためにシャティンの厩舎を五年かけて改修し、従化競馬場の厩舎を拡張しました。また、賞金も過去十年で倍近くまで引き上げ、今年は過去最高の17億3,000万香港ドル(約346億円)を用意しました。来シーズンからは、12あるGⅠレースだけで賞金総額2億6500万香港ドル(約53億円)を提供する予定です。さらに、厳しい経済状況を踏まえ、クラブは1億4,000万香港ドル(約28億円)を投資し、馬主の負担を減らすために厩舎預託費用と引退馬の海外輸送コスト削減に充てています。

チェアマン・ステートメントはこのあと、「Charities and Community(慈善活動とコミュニティ)」の項目が続きます。

ジョッキークラブとしての社会貢献として173にも及ぶ慈善プロジェクトやコミュニティ関連プロジェクトへのサポートとしての寄付が102億香港ドル(約2040億円)に及び、また、活動の紹介があります。

活動内容にも興味深いものがあり、香港社会に欠かせないジョッキークラブの存在の大きさが伝わってきました。

特に、アニュアルレポートの後半部分(108p以降)に、写真付き、詳細な各プロジェクトの紹介があるので、興味のある方はこちらのリンクからファイルをダウンロードしてぜひご覧ください。

ここまでの所感と、次の記事について。

本日の記事はここまでとさせて頂きます。
読んでいただけた方がいるのか、やや不安ですが💦

ここまでの私の所感としては、香港競馬が目指すビジョンが大変刺激的でした。
漠然と、香港競馬は国際色が強いと感じてはいたのですが、海外マーケットへの取り組みについて理解が進みました。

正直、昔香港に住んでいた時、香港でなんでフランスダービーの馬券が買えるのか、考えたこともありませんでした。(考える必要もなく、馬券が当たればまあいい、とは思いますが・・)。

次の記事ですが、リーチェアマンが、馬術競技の発展に尽力することや、中国大陸の従化競馬場での競馬開催について述べています。

その部分をまた引用しつつ、さらに、リーチェアマンに続く、ブレスゲスCEOの声明を引用したいと思います。

ブレスゲス氏の方がより戦略策定や業務執行の役割を担っているようで、声明の内容もより具体的です。


過去最長の記事かもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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