両さんと競馬②(競馬と家庭の両立について。)
やどろく亭主と競馬。
競馬ネタの多いこち亀より、また引用させて頂きます。
13巻収録の「馬の目を見ろ!」という話で、魚屋の主人が子どもと動物園に行く約束を破り競馬場に行ってしまったので捕まえて叱って欲しい、と主婦が交番にやってきます。(なんと庶民の生活に寄り添った交番でしょう。。)

両さんと部長の掛け合いはやはり絶妙(笑)。
両さんのどさくさまぎれの自己主張がかわいい。
そして、下町のおばさんはなぜかこめかみに絆創膏のようなものを貼っていますね、、
この話はこのあと、部長から競馬場に詳しい「適任の男」として指名された両さんが、逃げた主人を捕まえに中山競馬場に行かされます。
しかし、案の定の展開ですが、両さん、「競馬場に来て手ぶらで帰れるか!」ということで馬券勝負に。
魚屋の主人にばったり会うも、捕まえて帰らせたりせず、「どんな馬券を買ったんだ?こんな買い方しているからダメなんだ。」と、なぜか競馬指南を始めます。

たらこ唇の人がやどろく亭主。
オチとしては、これも読める展開ではありますが、最終的に馬券は外れ、スカンピンになった両さんたち。
最後のコマでは、競馬場で這いつくばって外れ馬券のクズから当たり馬券を探そうとする両さんの姿を見て、主人は自己嫌悪を感じ、競馬を控えようと改心します。
両さんが反面教師となり、この家庭はめでたく競馬による崩壊を回避できた・・のだと思います。
競馬で生計を立てる。
「競馬と家庭」の両立について、こち亀の話は、やどろく亭主の競馬熱が過ぎてしまい家族に迷惑をかける、というお話。漫画なのであくまでフィクションなわけですが、一方で、世の中にはこんな本もあります。

「競馬で妻子を養う」とまで言い切っており、これはもう何というか、「競馬と家庭の両立」というか、「競馬により家庭を成り立たせてしまおう。」という、思い切った生計方針です。自分なんかはファンタジーのような話と感じてしまいますが、世の中にはこういう人がいるんだ、と思い興味を持って本を購入しました。(普段は競馬必勝本の類いは買わないのですが、こういう生き様を感じる本は好き。)
ただ、この木下さんという方は、この本が書かれた時点で、「競馬で妻子を養う=馬券生活者」はすでにやめていて、自身の予想ノウハウ(本に詳しく書かれています)を配信して販売する、「競馬生活者」に生まれ変わったそうです。
本にも書いてありますが、”絶対負けられない”馬券勝負を毎週やっていて、胃がキリキリ痛む生活を十年つづけた末に、「今までは儲かっていたけど、明日から勝てなくなる可能性はゼロではない。」と、一区切りつけたそうです。
当たり前ですが、競馬で生計を立てるとか、よく言われる”蔵を建てる”なんて、どだい普通の神経をしている人間にはできないし、精神的に耐えられるものではないと思います。
浅田次郎さんのエッセイで、競馬で都内に家を建てた男の話が出てきますが、そういう人の勝負の仕方は、一年に数回、”これぞ”と絞りに絞ったレースに数百万円を入れるそうで、想像しただけで胃がキリキリします。
・・とここまで書いて思い出したのは、たしか両さんも、それまでの競馬の負けを取り戻そうと、”一点百万円”の買い方に変えて、それが三倍ぐらいになり、珍しく大勝ちする、という話もありました。
ただ、その話は、たしか当たり馬券が風に吹かれて工事現場にあったコールタールの中に入ってしまい、両さんがその高温のコールタールに手を突っ込んで大火傷する、みたいなオチだったと思います。(記憶違いだったらすみません、、)
競馬熱が過ぎると大火傷するよ! という教訓でしょうか・・(笑)。
この巻も読み返したくなりましたが、手元にない。こち亀は特に好きな巻以外はほとんど実家に置きっぱなしなので、今度その巻を探してみよう。。
[おまけ:中山競馬場の入場口]

こち亀の古い巻はディテールまで描き込まれていて、ひさびさに読み直すと「こんなこと描かれていたんだ〜。」と楽しいですね。
