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世界の光ファイバー製造業界(2025年版)


1. 業界概要

業界の定義

光ファイバー製造業界とは、光通信に用いられるガラスまたはプラスチック製の極めて細い線状の媒体(光ファイバー)およびそれを保護・集束する被覆を施した光ケーブルの開発・製造を担う業界です。光ファイバーはレーザーなどの光信号を内部で全反射させて長距離まで高速伝送する技術の基盤であり、現代のインターネット通信網やデータセンター、通信インフラにおいて不可欠な存在です。光ファイバーケーブルは通常、中心の光ファイバー芯線を複数本まとめ、緩衝材や強化繊維による保護層、さらに樹脂製シース(外被覆)で覆った構造になっています。この業界には、光ファイバーそのものの製造から、それを束ねてケーブル化する工程、さらに関連部材や機器の供給まで、多様な企業が関与しています。

市場規模と成長率(世界全体)

世界の光ファイバー関連市場は近年著しく拡大し続けています。特にブロードバンド通信需要やデータトラフィックの爆発的増加を背景に、光ファイバーケーブルの全球需要は2023年に一時減速したものの、2024年には前年比約3.9%増の5億5,700万芯キロメートルに達する見通しで、以降も各国の通信インフラ投資を追い風に堅調な成長が予測されています。金額ベースでも世界市場は数十億ドル規模からさらに拡大中で、年間成長率は平均して一桁台後半から二桁近くに上ると見られます。例えば北米や欧州、中国など主要地域が市場拡大の原動力となっており、今後は政府主導のブロードバンド網整備計画(米国のインフラ投資策など)や新興国における通信需要の伸びも加わり、2025年以降さらなる成長が期待されています。世界最大の需要国である中国では、4G/5G基地局の敷設やFTTH (Fiber To The Home) 普及によって光ファイバーの敷設総延長が年々増加し、2023年時点で全国の光ケーブル延長は7,377万kmに達しています(前年比+9.9%)。一方で、一部先進国ではFTTH普及率が高まり飽和に近づきつつあり、成長ドライバーはデータセンターや産業用途など新たな領域にシフトしています。

バリューチェーン構造

光ファイバー製造のバリューチェーンは、大きく「原材料・プリフォーム(Preform)製造」「光ファイバー引き倒し」「光ケーブル化・部材組み立て」の段階に分かれます。まず原材料段階では、超高純度の石英ガラスを生成する工程があり、四塩化ケイ素やゲルマニウムなどの化学原料を高温で反応させて光ファイバーの原棒(プリフォーム)を製造します。プリフォーム製造にはVAD法・OVD法・MCVD法など高度な気相沈着技術が必要で、この分野は依然として高度な技術ノウハウと設備投資を要するボトルネック工程です。実際、グローバルに見るとプリフォーム製造企業は限られており、米国のコーニングや日本の信越化学工業、住友電気工業、古河電工、中国の長飛光纤(YOFC)など一部企業が大半のシェアを占めています。近年では中国企業がこの上流分野で台頭し、2021年には中国メーカーが世界のプリフォーム生産能力の約半分を占めるまでになりました(例:YOFCや亨通光電(Hengtong)などが自社用プリフォームを大規模生産)。プリフォームから実際の細い光ファイバー素線を作る工程が「引き倒し」です。塔状の引き伸ばし装置でプリフォームを2,000度近くに加熱し、直径125μm程度のガラス繊維に引き伸ばしていきます。この際、同時にアクリル樹脂などで保護コーティングを施し、1本の光ファイバーが出来上がります。最後に複数本のファイバーを集束して防水・耐張力構造を持たせるケーブル化工程があります。ここでは用途に応じてゆるやかに収容する緩衝チューブ型や、リボン状にファイバーを並べる高芯数リボン型など様々な構造でケーブルに仕上げます。さらにコネクタ加工・試験検査を経て製品化され、通信事業者やエンタープライズ向け市場に供給されます。付随するバリューチェーン要素として、ケーブルに巻き付ける光ファイバー複合心線地線 (OPGW) の製造(電力線と光通信線の複合)や、海底ケーブルへの中継器組込など特殊工程もあります。近年、大手メーカーは垂直統合戦略を強化し、プリフォームからファイバー、ケーブル、接続部材まで一貫生産してコスト競争力と品質優位性を高めています。例えばコーニングやYOFC、古河電工(米国OFS子会社含む)などはこの垂直統合モデルで知られます。一方で、光ファイバーガラス自体は製造せずに既製品を購入し、自社でケーブル加工のみ行うメーカーも存在し、市場には多様なプレーヤーが共存しています。

製品の技術動向・利用用途

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