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宙組『黒蜥蜴』配信レポ:水美舞斗さんの危ない雨宮に溺れ、昭和の美学と格闘した午後


1幕:生田マジックと、水美舞斗さんという名の底なし沼
宝塚歌劇団宙組の『黒蜥蜴』、そして『Diamond Impulse』千秋楽の配信を拝見しました。
まずは、生田大和先生の脚本・脚色•演出にスタンディングオベーション👏を送りたい。舞台機構の使い方、鮮やかな場面転換、ミュージカルとして盛り上げる楽曲とお芝居の黄金比率。すべてが本当にブラボー!でした。
そして主要キャストの皆さんが、揃いも揃って芸達者で素晴らしい!知的でダンディな明智小五郎役を魅力的に自然に魅せた桜木みなとさん、タイトルロール黒蜥蜴を娘役の領域を超えてパワフルに艶やかに熱演の春乃さくらさん、本当にグッジョブです!
……と、ここからは、我がご贔屓雨宮潤一役の水美舞斗さんについて♡危ない人間性をはらんだ雨宮潤一のビジュアルが、とにかく優勝!です。銀橋でのソロ歌、「クロロフォルムのハンカチで、もう一度だけ眠りたい〜」って……。
「え、それってそんなにいい匂いなの?」と一瞬勘違いしそうなほど、実は怪しすぎる歌詞を、どこまでも美しく歌い上げる水美さん。
力技で見せつけ、客席を一瞬で魅了する男役芸の極み。これには、劇場中(そして画面の前)の多くの方が恋に落ちたはず!?
水美さんといえば「超絶ダンサー」というイメージが強いかもしれませんが、実は歌もお芝居も素敵♪今までにも、神洲崎湧水役(『High and Low THE戦国』)や松平信綱役(『Messaiah』)など敢えて『静』なお役のときにこそ、美しさが際立つ✨と私は思っております。今回は正統派ではなく、内面は(かなり)危ない美青年をほど良い匙加減で巧みに表現されていると感じました。

(⤵️以下『黒蜥蜴』ネタバレあります。)

◆ 2幕:乱歩&三島ワールドVS私の好みの境界線
さて、ここからは少し、ストーリーについて私の個人的な好みの話をさせてください。
結論から言うと、私、エログロの世界観と昭和の倫理観がちょっと苦手でして(苦笑)。
歴史に名高い文豪たちをディスるつもりは毛頭ないのです。単に好みの問題というか、私自身がこれまで、江戸川乱歩や三島由紀夫とは真逆の……キラキラ✨を求めてポシディブ⭐️な世界観を目指し生きてきたため、物語に共感のアンテナを合わせるのがすごく難しかったのです。
特に、ヒロインである「黒蜥蜴」の描き方にはどうしても違和感が。(注:江戸川乱歩と三島由紀夫の本は未履修。花組版は観ました!)
なぜだろう?と深掘りした結果、ひとつの結論に達しました。これ、「男性が描いた理想のヒロイン像」だからではないでしょうか。

一番「???」となったのが、あの状況での”毒を飲む”という選択。
警察に突き出されるのが嫌だから……ではなく、おそらく「明智さんに自分の本心をすべて語ってしまったこと」を悔いての服毒なのだ、というのが私の解釈です。
冷酷な怪盗としてのプライド、そして明智さんへの愛。すべてをさらけ出してしまった自分を許せなかったのかもしれません。……うん、切ないし美しい美学だとは思う。思うのですが!
やっぱり女性目線(というか私なら)、結末は警察の網をかいくぐり、両想いの明智さんを引っ張って、2人でボートで逃亡する幕切れを想像したい!その方がよっぽど歯切れが良いエンディング!(これだと完全にブロードウェイミュージカル🎶かハリウッド映画🎬になりますが笑)。
とにかく、幕切れの東京の街……明智さんの背負う哀愁に黄昏られず、私は船の看板に置いてけぼりのラストでした笑笑

3幕:シゴデキな2人が「恋に不器用」なのはもったいない!
さらに言わせていただくと、「黒蜥蜴と明智が、お互い恋に不器用」という設定が、個人的にはちょっとイケてないなと。
これがもし、どちらも百戦錬磨の「恋のプロフェッショナル」だったら、それこそ『仮面のロマネスク』のような、大人の危険な駆け引きに陶酔できたと思うのです。
黒蜥蜴も明智も、ビジネス(?)では超成功しているシゴデキキャラ。おまけにビジュアルも最高なんだから、恋愛でもバチバチにやり合ってほしかった……!
そんなわけで、最後の2人の結末にはどうしても納得がいかず、私の思考はそこで完全にストップしてしまいました。
おそらく男性からすると、「俺のことを想って死んだ美しい女」の追憶に浸る……というのが最高の美学なのかもしれませんが。令和を生きる現代の女性からすると、「いや、生きて一緒に幸せになろうよ!」と思ってしまうわけです。
(だがしかし、この2人、一緒に暮らしていくには相性よくなさそう〜な予感💦)
それから、最後は”早苗”か”葉子”問題。私は早苗だと思いました!!どちらにしても雨宮さんとの関係は、こちらのカップルも将来が全く期待できそうにない2人でしたね(苦笑。)

最後に:世界観のギャップを超えて
生きてきた時代も違うので、倫理観のギャップがあるのは当然。私の好みの問題もあります!
色々と私の趣向には合わない部分もありましたが、歴史に残る名作を宝塚に合うダイナミックなミュージカルに仕立て上げた生田先生、そしてそれを完璧に演じきった宙組の皆様には、心からの敬意を捧げます。
……そして、配信が終わった後、私の脳裏に残るのは、水美舞斗さん扮する妖しくも美しい雨宮潤一の姿。お芝居のストーリーにどれだけ頭を悩ませようとも、推しの圧倒的な美貌と男役芸の前に酔いしれたひとときをありがとう♡と。

さて、お芝居の感想だけでこんなに熱くなってしまいましたが、千秋楽の興奮はこれだけでは終わりません。宙組の皆さまのキラキラが炸裂したショー、『Diamond Impulse』についても語りたいことが山ほどあります!というわけで、ショーの熱い感想は次回以降、またじっくりと書きたいと思います。

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