非モテたちが開発したコミュニケーションロジック!魅惑のオープナー入門
オープナー入門1
1969年、アメリカ・シカゴで産まれたニール・ストラウスの著書『ザ・ゲーム』というものをご存じだろうか。日本での「恋愛工学」というものの原型となった本だ。文学少年・内向的なオタクだったニールは、音楽ジャーナリストと活躍する中で、音楽業界のセレブたちの"モテさ"と自分の“モテなさ”への疑問を募らせていった。その中でニールは、もって生まれたものではなく、ある程度の技術が存在する事に気が付く。
そして彼は、その後「Project Hollywood」というナンパ師達のコミュニティに入り、その技術を体系化していきます。
なにやら怪しげで胡散臭いと思う方もいるかもしれないが、その本質は実に科学的で、心理学の知見に基づいたコミュニケーション理論だった。
今回お話しする「オープナー」とは、その理論の中でも特に重要な、「初対面の相手との会話をスムーズに始めるための技術」のことを指す。
人間の心理というものは驚くほどシンプルで、かつ複雑だ。とりわけ恋愛に関しては、我々は驚くほど無防備で、単純な仕掛けに翻弄されることが多い。例えば、「オープナー」という技術は、「どんな最初の一言が相手の心を開かせるのか」という永遠のテーマに明確な答えを与えてくれる。
まず、具体的な例を挙げよう。
『ザ・ゲーム』で一躍有名になった「意見オープナー(Opinion Opener)」は、シンプルでありながらも絶大な効果を発揮する。これは、見知らぬ相手に突然意見を求めるという、一見奇妙な会話術である。例えば、こういったものだ。
ちょっと相談に乗ってもらえませんか?
友人が元恋人からのメッセージに返信してしまったんだけど、これってどう思います?
突然こんな質問を受けると、相手は驚きつつも自然と会話に引き込まれてしまう。なぜなら、人は誰でも「自分の意見を求められること」に無意識に快感を覚える心理的な傾向があるからだ。心理学的にいうと、これは「社会的報酬」と呼ばれるもので、自分の意見を述べることで認められ、尊重されている気分を味わえるのだ。
この「意見オープナー」が強力なのは、単なる質問ではなく、ちょっとした「ドラマ性」が含まれているからである。具体的なエピソードを交えて質問すると、人はより感情移入しやすくなり、気がつくと自然と話し込んでしまう。こうして「初対面の壁」があっさり崩れるのである。
また、別の代表的な手法に「直接オープナー(Direct Opener)」というものもある。
これは、いきなり自分の好意を相手にストレートに伝えるという、大胆な手法だ。例えば、
あなたがとても魅力的に見えたので、話しかけずにはいられませんでした
という具合だ。こんな恥ずかしい言葉を本当に言えるのか?と思われるかもしれないが、この直接オープナーがなぜ効果的なのか、心理学の「返報性の法則」から説明がつく。
「返報性の法則」とは、人は他者から何か(例えば好意や褒め言葉)を与えられると、無意識のうちにお返しをしたくなる心理的傾向である。つまり、「あなたに魅力を感じている」と明確に伝えることで、相手は好意を返そうとする本能が刺激されるというわけだ。
もちろん、こうした心理法則を利用するにあたって注意点もある。なによりも大切なのは、その言葉が自然であることと、相手に不快感を与えない配慮を忘れないことだ。心理テクニックを知っているだけでは相手の心は開かない。むしろ、「相手を心地よくする」ことが本質であることを忘れてはいけないのだ。
さて、最後に私がおすすめする、シンプルかつ効果的なオープナーをご紹介しておこう。
すみません、ちょっと意見が分かれていて……。
男女の友情って、本当に成立すると思いますか?
この質問が優れているのは、「誰でも興味を持ちやすいテーマ」であり、かつ「自分の価値観を語らせる」要素があるためだ。相手はこの問いかけを受けることで、自分自身について話したくなる誘惑に抵抗できない。こうして、初対面のぎこちなさを自然に乗り越えることができるのだ。
結局のところ、恋愛工学や『ザ・ゲーム』のオープナー理論が示すのは、人間関係の入り口がいかに重要であり、また驚くほど心理学的に設計可能である、ということである。オープナーとは単なる会話の糸口ではなく、人間心理を巧みに捉えたコミュニケーション戦略なのだ。
ぜひ、楽しみながら試してみていただきたい。
人との出会いが、少しだけ豊かになるはずだから。
※営業テクニックは「口説く行程に似ている」という先輩方の教えを記事にまとめたものです。実際、5月になると街中で「街中で声をかけて名刺を交換する」という会社の研修をしているものをよく見かけます。オープナーを知っている人と知らない人では、効率が全く違うのを喫茶店でコーヒーを飲みながら眺めていて、遠いストロークですが、彼らのヒントになるようにまとめていきます。
