「なめられている」と涙した女性が『自分を誇らしく感じられる』に変わった10の考え方
ここまで、“なめられない女性”になるための10回連載をお届けしてきました。キャリア、コミュニケーション、メンタルヘルス、ネットワークなど、多岐にわたるテーマを取り上げました。
最終回となる今回は、それらを一つの視点に収束させ「私が私であるために」という、当たり前のようでいて、実は揺らぎやすい自己確立がテーマです。
私たち女性が社会で生きるうえでは、さまざまな期待や制約がのしかかってきます。
職場では昇進しにくいという現実があれば、家庭では家事や育児の負担がまだまだ女性に偏っているという問題もある。SNSを覗けば、華やかに見える他人の成功事例が目立ち、自分は何もできていないのではないかと焦りを感じてしまうかもしれません。
そんな状況だからこそ「私は何を大切にし、どんな人生を送りたいのか」を改めて問い直す意義は大きいのではないでしょうか。
ここでポイントとなるのが「自分の価値観を再定義する」行為です。
心理学の世界では、“価値観の明確化”が個人のストレス耐性や意思決定の精度を高めるといわれています。
自分の中で優先順位がはっきりしていれば、外部からのプレッシャーがあっても、簡単には揺らがりません。キャリアが一番大事なら、そのための勉強や転職活動、ネットワーキングに力を注ぐべきでしょう。もし家族との時間を最優先するのが自分の幸せだと気づいたなら、思い切って働き方を変える選択肢もあり得るのです。“なめられない”女性とは、他人の価値基準ではなく、自分の価値基準で行動を決められる人とも言えそうです。
同時に、これまで連載で取り上げてきた具体的なテクニックも活かしていきましょう。
アサーティブ・コミュニケーションで自分の思いをはっきり伝えつつ、相手へのリスペクトを忘れない。ミラーリングや聞き上手の姿勢を通じて、人間関係を円滑にし、孤立しない環境をつくる。SNSでのセルフブランディングや情報発信をこまめに行いながら、自分の得意分野や興味を可視化する。
そして弱さもオープンにできるときはオープンにし、無理をして完璧を装わない。その結果、驚くほど多くの人があなたに共感し、手を差し伸べてくれる瞬間が訪れるかもしれません。
一方で、“私が私であるために”どうしても必要なのが「限界を感じたときに撤退する勇気」です。
仕事の量がキャパシティを超えている、人間関係がどうにも苦しい、あるいは組織の方針に反してしまう。そんな壁にぶつかったときに、“なめられない”女性が取る行動は「なんとか現状を改善できないかを探り、それでもダメなら潔く別の道を選ぶ」というものではないでしょうか。
自分を大切に扱えない環境に居続けるのは、心身の疲弊を招き、自分らしさを奪う大きなリスクになりがちです。
覚悟を持って退路を断つのは怖いことかもしれませんが、そこから意外なチャンスが開けるケースも珍しくありません。
「自立と孤立は違う」というテーマも、ここで再確認しておきたいと思います。自立した女性は、一人でもある程度の意思決定や行動ができる。しかし、一人で全部を抱え込んでしまい、周囲の協力を拒絶することは、ただの孤立に陥るリスクが大きいです。周りが助けを申し出ても「大丈夫だから」と断り続けていると、結果的に誰も声をかけてくれなくなり、そこでようやく困ったときには誰にも頼れない状況になってしまう。自分が必要なサポートを認め、それを柔軟に受け入れるのも、女性が“なめられない”人生を歩むうえで欠かせない要素だといえます。
最後に、これまで取り上げたようなテクニックや考え方を身につけても、「完全無欠のスーパーレディ」になる必要はまったくない、という事実を強調しておきたいです。
私たちは生身の人間であり、気分が乗らない日もあれば、ミスをして落ち込むこともあります。そんな不安定さを抱えながらも、少しずつ前へ進み、失敗を糧にする姿こそが、実は周囲の人間の心を動かすのではないでしょうか。冒頭から重ねてきた「しなやかさ」は、この不安定さを認めつつ、再び立ち上がる力のことでもあるはずです。
1“なめられない女性”とは、決して「他人を威圧する存在」でも「常に完璧なキャリアウーマン」でもありません。むしろ、自分の価値観や人生観を明確にし、それに沿った選択を続けながら、周りの人々とも穏やかに手を携える女性のことだと私は思います。強く見せる必要はないけれど、簡単には動じない芯がある。がむしゃらに頑張るだけでなく、休む時はしっかり休む。そして困ったときには「助けて」と言える柔軟さがある。こうしたバランス感覚の上に立った女性は、誰からも“軽んじられる”ことなく、むしろ自然にリスペクトを勝ち得るに違いありません。
もしあなたが、何か悩みや迷いを抱えているとしたら、この連載の内容をひとつひとつ思い返し、自分に合ったアクションを試してみてほしいのです。セルフケア、ネットワークの活用、SNSでの発信、アサーティブなコミュニケーションなど、一つひとつは小さな行動でも、それらが重なり合ったとき、大きな変化を生む可能性があります。やがて、気づいたときには周囲から「あなたがいると、場の雰囲気がいい方向に変わる」「あなたの存在って大きいんだね」と言われるようになるかもしれません。
長らくお付き合いいただきましたこの連載、“しなやかで強い”女性として輝くための10回のコラムは、ここで一区切りといたします。しかし、あなたの人生はまだまだ続いていく。ぜひ、自分なりの成長と成熟を楽しみながら、“なめられない”歩みを続けてくださいね。
どんな道を選ぼうとも、必要なときには自分をケアし、頼れる仲間と繋がり、堂々と胸を張って生きられる女性であってほしいと思います。それこそが、自分らしい輝きを放ち続ける最上の方法ではないでしょうか。
最後に、これまで本連載を読んでくださったすべての方に感謝を込めて。あなたが“私が私である”ことを誇らしく感じられる瞬間が、これからの人生にたくさん訪れますように。
シリーズ一覧
「なめられたくない」と、ある女性が涙ながらに私に語った。
「男の人はいいよね。なめられなくて」
いや、男も軽んじられるし、理不尽な扱いを受ける事もなる。だが、そういうシーンが段違いに多すぎるという女性の主張も至極心当たりがあった。
女性活躍の時代の中で、彼女たちは社会のなかをどう泳いでいくのだろうか?ここでは、私が経営者として見てきた活躍する女性たちの生存戦略を敬意をこめて『なめられない』をテーマにまとめてみた。
