吉田栄作「プラトニック〜あと1センチ傘が寄ったら〜」90年代隠れた名曲 その6
1972年生まれ(藤木直人世代)の私が、「大ヒットではないけれど好きな歌」を隠れた名曲として語っています。
プレイリストも編集中なのでよろしければ。
6.「プラトニック〜あと1センチ傘が寄ったら〜」吉田栄作(1990年)
※オリコン16位
90年代は俳優が歌も歌い、それがヒットする、という時代でもありました。
代表的な歌は織田裕二さんの「歌えなかったラヴ・ソング」(1991年)でしょうか。
織田裕二さんと並ぶトレンディ御三家の一人、吉田栄作さんも同時期にヒット曲を出していました。
代表曲はなんといっても「心の旅」(1990年・オリコン15位)でしょう。チューリップの名曲をカバーしたことで当時話題になり、紅白にも出演しました。
ただ、このカバーが諸手を挙げて受け入れられたかというと、ちょっと厳しいところではあります。
フォークソングの名曲を熱い男が熱すぎるカバーをしたことで、いくらなんでも熱すぎるのではないかと言う声もありました。
(いま聴くとそんなに熱すぎる歌い方ではないんですが、テレビでのパフォーマンスの印象が強かったのかなと。)
その後は「V−ヴィクトリー」(1991年・オリコン6位)、「僕は何かを失いそうだ」(1991年・オリコン38位)のような熱血・熱唱路線へと進むことになります。
ちなみに「V−ヴィクトリー」はセブン−イレブンのバレンタインCMに出演された時のCMソングでして、
「君の愛、待ってる」
とカメラ目線で決める吉田栄作さんがとにかくかっこよかった。
あと、農協の共済のCMで叫び続け、「滾る」(たぎる)という文字を広めたのもこの頃ですね。とにかく熱かった。
そういう意味ではトレンディという枠組みとはちょっと違う、はみ出した存在ではありましたね。
さて、「プラトニック〜あと1センチ傘が寄ったら」ですが、「心の旅」と「V−ヴィクトリー」の間に出されたシングルで、熱血・熱唱路線にたどり着く直前の歌です。
歌のテーマは「別れる間際の未練」でしょうか。
お互いがお互いを まだ好きでいるから
友達に戻れない 恋が本当に終わってゆく
あと1センチ傘が寄ったら
僕は君を送ってしまうよ
吉田栄作さんには珍しい、煮えきらない男子の歌です。
この歌、実はカバー曲なんですね。恥ずかしながら最近になって知りました。
1987年に有賀啓雄さんが出されたアルバム「Sherbet」に「あと1センチ傘が寄ったら」というタイトルで収録されています。
「心の旅」のように皆が知る歌ではないですが、ファンの方に愛された名曲だったのでしょう。
この歌をカバーしたのは、吉田栄作さんというスター候補をどう売り出していこうかと試行錯誤していた時代の作品だったのだろうと思います。
有賀さんファンの方からするとちょっと原曲と違うなという思いもあったかと思いますが、吉田栄作版の「あと1センチ傘が寄ったら」、私は好きなんですね。
まだ熱血路線にたどりつく前の抑えた歌声が妙に染みるものがあり。
「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」(1993年)も郷ひろみ版と楠瀬誠志郎版では違った味わいがあり、それぞれの良さがあるように、この歌の良さを味わいたいなと。
ところで、当時は吉田栄作さんの英語表記は「A saku」だったのですが、いまは「Eisaku」のようですね。。ちょっとさみしい。
↓昔の表記。''A"saku Yoshidaと強調しているバージョンも。
↓最近の表記はこちら。
※歌の話とは関係ないのですが、吉田栄作さんの思い出で、高校生の時に「スターどっきりマル秘報告」で、収録中にスタジオの音響ブースにファンの女性2人が籠城する、というのがありまして。
その女性たちが籠城を解く条件として、吉田栄作さんに『愛してる』って言ってください、と要求するものの、吉田栄作さんは「そんなことで『愛してる』って言われて君は嬉しいの?そんな嘘はつけない」と拒否する、という激アツな展開があったんですよね。(もう30年以上昔の記憶なのでいろいろ曖昧ですが。。)
なんてカッコいいんだ、この人は!とシビレてしまった思い出。
