【第1話】一歳半健診で告げられたバイリンガル否定─母が向き合った“最初の壁”
レイは今、着実に成長の道を歩んでいます。
けれど、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
今回からしばらく、
一歳半健診で言葉の遅れを指摘された日から、
本当に信頼できる専門家に出会うまでを
療育探しシリーズ ママの学び編として
そらの家の過去を綴っていこうと思います。
振り返ると、この時期は
怒りと絶望が積み重なる日々でした。
でも、その経験があったからこそ、
今の「そらの家」の考え方や選択につながっていると思います。
当時の気持ちを、そのままの温度で。
少しストレートな表現も交えながら書いていきます。
1. 一歳半健診で突きつけられた「予想外の指摘」
自治体の一歳半健診で、レイの“言語の遅れ”を初めて指摘されました。
3歳のレイに見られた初期サインについては別の記事で書いていますが、
このときの私は——
レイが自閉症かもしれない、なんて1ミリも思っていませんでした。
理由はただひとつ。
「バイリンガル育児だから、言葉がゆっくりなだけ。」
心の底から、そう信じていたからです。
今振り返ると、それは“半分正しくて、半分違っていた”。
でも当時の私は、迷うこともなく「うん、そういうものなんだろう」と思い込み、ネットで調べることすらしていませんでした。
健診で言われたのは、ただ一言。
「言語の遅れが見られるので、子ども相談室に行ってください。」
それだけ。
何が遅れているのか、どれくらい遅れているのか、何をすべきなのか——
説明はほとんどありませんでした。
不安よりも「よく分からない」という感情が先に来て、
それでも自治体にそう言われたら従うしかないと思い、
私は言われるがまま相談室を予約し、
後日パパと一緒に向かうことにしました。
2. 子ども相談室で突きつけられた“バイリンガル否定”
子ども相談室で私たちを担当したのは、
言語聴覚士(Speech Therapist / ST)の方でした。
レイの様子をしばらく観察し、
家庭環境について私たちに質問したあと——
私が「私は日本語、パパは英語で話しています」と伝えた瞬間、
STはこう言いました。
「バイリンガルは今すぐやめましょう。
レイ君は二つの言語を聞いて混乱しています。」
……は?????
その瞬間、頭の中が「???」でいっぱいになりました。
ちょっと待って。
何を根拠に?
どういう意味?
言語の遅れ=バイリンガルのせいって、どういうロジック??
心の中では
「何言ってんの、この人……?」
という言葉が、じわっと湧き上がってきました。
怒りだけじゃない。
“理解できないことへの動揺”もありました。
STの説明は続きます。
「レイ君は少し言葉が遅れているので、
バイリンガル環境は負担になります。
今すぐやめたほうがいいです。」
……いやいや、本当に意味がわからない。
そして、そのよく分からない怒りと不信感が渦巻く中、
STはさらにこう続けました。
「とりあえず発達センターに通ったほうがいいと思います。」
納得なんて全くしていなかったけれど、
この時点では他に選択肢が見えなかった私たちは、
ふつふつと湧き上がってくる怒りを抑えながら、
発達センターの予約を取ることにしました。
3. 無知な私が見落としていたこと
今ならはっきり分かります。
あの頃の私は、
「専門家」という肩書きに頼るしかなかった。
レイが自閉症かもしれないという可能性すら思い浮かばず、
知識もなく、何を基準に判断すればいいか分からなかった私は、
目の前にいる「専門家らしい人」の言葉を信じるしかありませんでした。
「バイリンガルが負担」
「言語が遅れている」
そう言われても、
それが本当に正しいかどうかを確かめる手段も持っていなかったのです。
ただ、ひとつだけ胸の奥にひっかかる気持ちがありました。
“どうして、全てをバイリンガルのせいにするのだろう?”
当時は深く考える余裕もありませんでしたが、
今振り返ると、この小さな違和感こそが
後につながる「最初のサイン」だったのだと思います。
4. 答えのないまま、次の相談先へ
自治体のこのSTとの出会いは、
いわば私たちの“つまずきの第一歩”でした。
「専門家なら信じたほうがいい」
「でも、なんだか説明に納得できない」
その狭間で揺れながら、
私たちは次のステップ——自治体が運営する発達センターへ向かうことになります。
そしてこのあと、
さらに多くの“あれ?”と思う出来事が続いていくことになります。
✦ 次回予告:第2話
次回は、レイが1年半続けていた、自治体が運営する発達センターでの出来事を書いていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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