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親子で学ぶ「防災キャンプ」を企画して気づいたこと

11月23日に、湯ヶ島地区地域づくり協議会の主催で、親子向けの「防災キャンプ」を実施しました。
伊豆市・三島市・伊東市から7家族21名が参加してくださいました。寒さが心配されましたが、穏やかな休日の中、笑顔があふれる1日となりました。

今回は
“地震”をテーマにしたプログラム内容に計画し、耐震対策、避難所生活、トイレ、炊き出し、救命処置など、地震を想定して「どのように行動するか」を親子で学べるよう企画しました。

また、集合時には、家族全員が“避難するときに持ち出すリュック”を背負って集まってもらうところからスタートしました。
避難時の重さや不便さを体感することで、より実践的な学びにつながると思ったからです。

実施して強く感じたのは、
「防災は、やってみなければわからない」
ということでした。



1.防災キャンプとは?

私がなぜこの企画を考えたキッカケは、やはり昨年のお正月に起きた能登半島地震。どんな時でも災害が起こることを痛感しました。
また、2〜3年前に大雨で自宅前の川が氾濫するか否かまでの状況の中、当時まだ幼い子どもと主人と避難所に行った時の体験も、大きな影響を受けました。
災害が起きたとき、避難所に避難すれば安心でしょうか?
そんな想いから「防災キャンプ」と称して、昨年から親子で避難所へ1泊宿泊体験してみる企画を計画し、地域づくり協議会へ提案し、事業として実施できることになりました。

「防災キャンプ」と名づけた理由として、
“もしも”に備えるための家族の練習日として、普段の生活では気づきにくい備えを、体験を通して「楽しく」「一緒に」学ぶことを目的としています。
今回は、
“地震後に必要となる行動”として構成し、

・防災リュックの中身を見直す
・炊き出しに挑戦
・簡易トイレを実際体験してみる
・AEDで救命を体験
・ローリングストックを学ぶ
・避難所の備蓄を知る

などを盛り込んだ内容にしました。
(今回も盛り込みすぎました💦)


リュックを背負って参加してくれました。

2.当日のプログラム


15:00〜 オリエンテーション
自己紹介と、「今回避難時に背負うリュックを準備してみて」の感想を共有。
参加者からは
「リュックを確認したら期限切れの薬や食料が出てきた」
「同居する祖父の分のリュックも見直す必要があると感じた」
と感想をいただきました。

簡易トイレに適した身近なものを実験
(断水を想定)
昨年に引き続き、今回もママ防災塾マモルマムズの高木有加さんを講師にお招きし、身近なものを使って、実際にどれが、簡易トイレの素材として適しているかを実験をしました。

長泉町でいざという時に子どもたちを守れるママに。
"暮らしの中に楽しみながら防災を取り入れる"をキャッチコピーに、コヅレダカラジタクヒナンノススメ講座など、親子向けの防災ワークショップを開催している「ママ防災塾マモルマムズ」の高木有加さん。


身近なもの(ネコ砂・赤ちゃんのオムツ・凝固剤)を使って、実際にどれが、簡易トイレの素材として適しているかを実験。



さらに、トイレを断水設定し、実際に凝固剤を使って排出物を処理する手順を体験してもらいました。参加者からは
「凝固剤が本当に固まるか半信半疑だったけど、実際にやってみて分かった。」
「簡易トイレは意外とできるかも。」
との感想をもらいました。

実際に体育館のトイレにゴミ袋を設置し、断水を想定して簡易トイレとして使用。


炊き出し体験(薪割りからスタート)
今回、備蓄倉庫にあった竈門(かまど)を出して、
薪割りから火を起こし、最低限の道具で、地元野菜・地元のお肉・自宅のお米を使い、豚汁と炊き立てごはんを作りました。
折りたたみテーブルを用意しましたが、椅子はなし。みんな立っての食事でしたが、みんなで作った食事は格別で、“美味しい”がチームをひとつにする力を実感しました。
参加者からも
「ごはんがとてもおいしかった」
「子どもが楽しそうに参加していた」
と感想をいただきました。

ドキドキしながらナタとトンカチを使って薪割り。
薪を組んで点火準備。
限られたスペースと調理器具。
それぞれできることを工夫して、急いで鍋へ。
豚汁が出来上がる頃には、日も落ちて真っ暗に。
美味しそう。
火の回りには自然と人が集まります。

耐震対策の話
今回、子育て防災アドバイザーの高良綾乃さんに、自宅での地震対策について話していただきました。
子ども向けに資料を作ってきていただきましたが、大人にもとてもわかりやすく、親子で一緒に考えることができました。
今回、講師の高良さんから3つの“防災の力”
についても話していただきました。
● 助け合いの心
人が困っていたら手を差し伸べる。
災害時に欠かせない“共助”の意識を、体験を通して体験していく。

● 受援力
助けてもらう側の姿勢も大切です。
「困った時は助けを求めていい」ということを、講師の話や体験から学びました。

● 1つでも安全な部屋をつくる
地震の揺れから身を守るため、
「寝室だけでも安全な空間にする」
これは家庭で取り組める大きな防災です。

他にも
「地震の揺れには大小がある」
「家具の固定で命が守られる」
といった、家庭でできる備えを学びました。
参加者からは
「帰宅したら、まず冷蔵庫固定をしたくなった」
と感想をいただきました。

子育て防災アドバイザーの高良綾乃さん。
高良さんの講座は今回も皆釘付けでした。
絵本を使って、親子で転倒しそうな場所をチェックします。
親子で一緒に考える時間が大事。
子どもたちは必死になって考えてました。



ぼうさいお菓子リュックづくり(ローリングストックの学び)
今回は、ぼうさいお菓子リュックづくりに
“ローリングストック”を学ぶ目的を加えました。
避難所に避難しても、普段とは異なる環境に、子どもたちは敏感で、落ち着かなくなる子も多い。
そんな時、普段食べ慣れているお菓子やおもちゃが入った「お菓子リュック」を持ち出せば、子どもたちの安心にも繋がります。
自分たちが選んだお菓子の賞味期限を探し、一番短いお菓子の賞味期限を袋の外に書きます。その賞味期限までは開封できないことを子どもたちはがっかりしますが、子どもたちといっしょにローリングストックについて体験し、自然に“備えのサイクル”を身につけます。

好きなお菓子を選びます。
賞味期限が一番短い日にちを袋に書き込みます。
開封はそれまでお預け。
お菓子リュックが完成。
賞味期限が切れるまで何も起こらなかったら「よかったね」と話して、新しい防災お菓子リュックを作る。そうしてローリングストックについて学びます。



AED救命講座(伊豆市女性消防団)
今回、伊豆市女性消防団員の十倉亜沙美さんに、AEDを使った救命救急講座をしていただきました。
緊張感のあるデモンストレーションを見学し、いざ大人も子どもも実際に挑戦しました。
小さな子も真剣に取り組み、「できるかもしれない」という自信が芽生えました。

実際に倒れている人(人形)を使って、心臓マッサージと救急車の手配、AEDを用いた救命救急処置をレクチャーしていただきました。
心臓マッサージをする役とAEDを取りに行き、AEDの操作手順を確認します。


子どもたち真剣。



避難所備蓄について(危機管理課)
今回、避難所運営について、伊豆市危機管理課の方からお話いただこうと思いましたが、時間に限りがあったので、避難所にどんなものが備蓄されているかについてお話いただきました。「避難所に何があり、何がないのか」を知ることで、自宅の備えの重要性がより明確になりました。

備蓄倉庫にある、非常時用の簡易トイレやパーテンション、など見せていただきました。
女性の生理用品や大人用のオムツも、用意はあるが種類が限られているので、自分が普段使うものを備蓄しておくことが必要だと思いました。


3.参加者の声から見えた“リアルな気づき

上記の他にも、
● 避難所(体育館)のリアル
・体育館はやっぱり寒かった。
・体育館は夏は暑いし、埃も舞うし、床からの振動も伝わる。
・地面から少し高さを作るだけで快適さが全然違う
・体育館は最終手段だと実感。だから自宅の備えを考えたい。
● 共働き家庭の気づき
・子どもだけで家にいる時に地震が来たらどう避難したらいいか考えるきっかけになった。

など、実感のこもった声がたくさん寄せられました。

4.主催者としての気づき

1. 集客に苦戦した
地震を学ぶキャンプは必要性が高い一方で、今回、当初は一泊での内容だったため、晩秋の体育館の冷え込みを心配し、参加のハードルが高かった。(日帰りに変更したら申し込みが増えた)

今回の募集チラシ


2. 前回参加の家族がリピート
参加してくれた家族の中には、昨年企画した時に参加してくれ家族が2組ありました。
「体験した価値があったからまた参加した」「子どもがまた参加したいと言うので」という声が大きな励みになりました。

3. 避難リュックの見直しのきっかけに。
今回、自分が「この機会に防災リュックを用意したい。」という想いがあったからこそ、この企画をしました。
実際、避難リュックを用意すると、思っていた以上にものが限られることに気づくことができました。さらにリュックの重さ7㎏を実感できたのもよかったです。
また、参加者の中には
「以前から防災リュックは用意してあったけれど、見直しができてなかった。」
「期限切れや不足に気づけたのがよかった」
という声もありがたかったです。


一次避難用のリュックサック。重さはちょうど7㎏


4. 炊き出しの“生きる力”
薪割りから火を起こし、ごはんを炊く。
こんなにも盛り上がるとは思いませんでした。
飯盒炊爨はやったことはあっても、お釜でご飯を炊くなんて参加者の誰一人経験者はなし。
水加減が不安でしたが、お米の甘みが感じるめちゃくちゃ美味しく炊けました。
今回、炊き出しをする前に、子ども向けに火の取り扱いについてレクチャーをしました。
炊き出しの手順や子どもたちへのレクチャー内容もchatGTPが壁打ち相手になってくれました。

炊事場所の写真を見せたら、chatGTPがこんな図まで作ってくれました。



5. 子どもたちの応急処置の理解
子どもたちがAEDに一生懸命取り組む姿に、災害時の力が芽生えているのを感じました。
参加者のお母さんから
「防災キャンプを通して、小学生でもとても心強い存在だと感じました。」とのことばが嬉しかったです。

5.やってみて気づいたこと


1. 避難時のリュックの中身の確認と、防災おやつリュックづくりと簡易トイレは毎年やって良い
1年に一度の “更新” が、防災を日常化させると思いました。

2. 田舎の強みを実感
・合併浄化槽が多い
・普段から自炊する(米に野菜、ジビエなど食材の調達もしやすい)
→ 災害の大きさでも異なるが、災害後の生活回復が早い可能性を感じました。


3. 体育館は想像以上に寒い
防寒マットの有効性を体感し、「備蓄品は使ってこそ」と実感。

銀色の防寒マットが一枚あるだけで、
足元の冷え込みが違いました。


4. 多くの協力で成り立つ防災キャンプ
今回も防災アドバイザーの高良さんや高木さんなどの防災についての専門家・地域づくり協議会の皆さん・そして行政のサポートが欠かせなかったです。

最後に、今回「地震」をテーマにした防災キャンプを通して、
防災は“知る”だけではなく、
体験して初めて“身につくもの”

だと強く感じました。

地震は必ず起こります。
だからこそ、親子で体験し、家族で話し合い、備えを整えることが大切です。
その積み重ねが、いざという時に家族を守る力になります。
これからも、地域のみなさんと一緒に、
実践から身につく防災”を育てていきたいと思います。ご協力いただいた皆様ありがとうございました。来年もやります。

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