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豆餅

お餅が好きだ。

子供の頃に年末になると親戚一同が集まって、正月用の餅つきをやっていた。蒸籠でふかした餅米をつまみ食いしたり、つきたての餅を大根おろしやあんこ餅にしてその場で食べた。搗き上がったお餅は、鏡餅にしたりのし餅にする。何も入っていない白い餅、よもぎを入れて草餅にしたり、大豆、切り昆布、落花生を入れた。ほとんどが大豆でお餅は大豆をつなげる程度にしか入れない「豆つなぎ」というのもあった。

お正月に雑煮で食べるのはもちろん、冬の間のおやつはお餅だった。石油ストーブの天板にのせてじっくり焼いて、外側の皮をパリパリにして食べるのが好きで、なんなら全部皮にならないかと、焼いたお餅を手で押さえて薄くのばして、もう一度焼いてパリパリの部分ができるだけ多くなるようにした。2月になると「かき餅」ができる。薄く切ったのし餅をひもで結わえて天井裏などにぶら下げて乾燥させると「かき餅」ができる。火でかるく炙ると、ぷーっと膨らむ。油で揚げてもおいしい。

お餅というと、こんな昔の記憶があるからなのか、お餅を見ると興奮する。スーパーで見かけるとついかってしまう。正月の鏡餅のお下がりは、かき餅にして私だけ食べている。妻はあまり好きでもないらしい。餡か砂糖醤油をつけるか、磯辺巻きにしたりと、いろいろ味付けして食べたがる。餅そのもの餅の塩味だけで食べることがない。本人には言わないけど、餅のうまさがわかってないなと思っている。

そんな妻が珍しく、スーパーで豆餅を買ってきてくれた。多分この三連休に大阪の実家に帰るので気を遣って私の好きな食べ物を買い置きしてくれたんだろう。私の好きなスギヨの「ビタミンちくわ」も冷蔵庫に入っていた。

ほうじ茶を淹れて、豆餅をふたつ焼いて食べた。やっぱりうまかった。

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