アスターの前身のアステラスについて掘り下げる
アステラス(Astherus)とは何だったのか
アステラスは、現在のアスター(Aster)に統合された前身プロジェクトです。
一言で表すなら、
暗号資産をただ保有するのではなく、カストディ、先物取引、ステーキング、流動性供給を組み合わせて利回りを生み出す「運用エンジン」
でした。
現在のアスターが無期限先物DEXとして前面に出ているのに対し、アステラスの中心は取引所ではなく利回り運用です。APXファイナンスとの統合により、アステラスの運用商品とAPXの無期限先物取引基盤が一体化し、2025年3月31日にアスターへ改称されました。(Medium)
アステラスとアスターの違い
| 項目 | アステラス | 現在のアスター |
| ---- | ----------------------------- | --------------------------------- |
| 主な時期 | 2024年~2025年3月 | 2025年3月末以降 |
| 中心事業 | 暗号資産の利回り運用 | 無期限先物DEX |
| 代表商品 | AstherusEarn、USDF、asBNB、asBTC | Perpetuals、Shield Mode、1001x、Spot |
| 取引機能 | AstherusEX | APXの技術を統合したAster Perps |
| 強み | 資産を運用しながら流動性を保つ | 高速取引、プライバシー、低手数料 |
| 資本関係 | バイナンス・ラボが投資 | YZi Labs支援を継承 |
| 現在 | 単独ブランドとしては終了 | 稼働中 |
現在もアステラスの技術や商品は消えていません。
Aster Earn、USDF、asUSDF、asBNB、asBTCなどが、アステラスの系譜を引き継いでいます。 (Aster)
誕生の背景
暗号資産には、保有しているだけでは利回りを生まないものがあります。
特にビットコインは、イーサリアムやBNBのようなネイティブ・ステーキングがありません。保有者が利回りを得るには、貸し出し、流動性提供、先物取引、カストディ事業者などを利用する必要があります。
しかし、個人が複数の取引所や分散型金融サービスへ資産を移し、運用戦略を組むのは面倒です。
そこでアステラスは、
資産を預ければ、裏側で複数の運用方法を組み合わせて収益を作る
というサービスを目指しました。
公式には「マルチアセット・リクイディティ・ハブ」、日本語では複数資産対応の流動性・運用拠点と説明されていました。(YZi Labs)
バイナンス・ラボの支援
アステラスは、旧バイナンス・ラボ、現在のYZi Labsから投資を受けました。
投資発表では、アステラスを「暗号資産の実質利回りを最大化するマルチアセット流動性ハブ」と説明しています。調達額や持株比率は公開されていません。(YZi Labs)
ただし、これは以下を意味しません。
バイナンスがアステラスを所有している
バイナンスが元本を保証している
バイナンス口座と同じ資産保護がある
バイナンス・ジャパンが関与している
資金、人材、技術、BNBチェーン上の提携では強いつながりがありますが、利用者に対する保証契約ではありません。
アステラスの三本柱
1.AstherusEarn
アステラス・アーンは、預けた暗号資産を複数のDeFi・CeFi戦略で運用するサービスでした。
特徴は、完全な分散型金融ではなく、**CeDeFi(シーディーファイ)**と呼ばれる構造を採用していたことです。
CeDeFiとは、
利用者へのトークン発行やサービス利用はDeFi
資産の保管や実際の取引執行は中央集権型サービス
という組み合わせです。
アステラスでは、資産保管に機関向けカストディ事業者の**セフ(Ceffu)**を利用し、必要に応じてバイナンスなどで取引戦略を実行していました。(Medium)
利点
個人が複雑な取引を組まなくてよい
資産を表す代替トークンを受け取れる
運用中の資産を別のDeFiでも利用できる
大手取引所の流動性を利用できる
デリバティブを使った中立戦略を組みやすい
弱点
カストディ事業者への依存
バイナンスなど中央集権型取引所への依存
運用戦略の詳細を完全には外部検証できない
取引相手、スマートコントラクト、トークンの危険が重なる
「DEXだから完全自己管理」とは言えない
つまりアステラスは、純粋な分散型金融というより、
中央集権型取引所の収益機会を、DeFiトークンとして一般利用者へ配るサービス
でした。
2.AstherusEX
AstherusEXは、アステラスが提供していたオンチェーン取引サービスです。
無期限先物などを扱っていましたが、アステラスの本質は運用商品にあり、無期限先物の取引基盤や流動性ではAPXファイナンスのほうが長い実績を持っていました。公式説明でも、統合前のアステラスを運用プロトコル、APXをBNBチェーン上の主要な無期限先物DEXと位置付けています。(Medium)
このため、統合後はAstherusEXを単独で発展させるより、
アステラスの利回り商品
+
APXファイナンスの取引エンジン
を組み合わせる方向へ進みました。
現在のアスターにおける「利回りを生む資産を、そのまま証拠金として使う」という思想は、アステラスから受け継いだものです。
3.USDF
USDFは、アステラスが発行した米ドル連動型のステーブルコインです。
利用者がUSDTを預けると、原則として1対1でUSDFが発行されます。預けられたUSDTはセフの管理ウォレットへ移され、その後、バイナンスでデルタニュートラル戦略などに利用されます。(Aster)
デルタニュートラル戦略とは
簡単に言えば、
現物や担保資産を持つ
同程度の先物ショートを持つ
ことで、暗号資産価格の上下を相殺する運用です。
例えば、100万ドル相当の暗号資産を保有し、同時に100万ドル相当の先物を売れば、暗号資産価格が上昇しても下落しても、両者の損益がある程度相殺されます。
そのうえで、
先物の資金調達料
現物と先物の価格差
裁定取引
ステーキング報酬
一部のオンチェーン運用
などから収益を得る設計です。
USDFとasUSDFの違い
USDFは米ドル連動資産として使われ、USDFをさらに預けるとasUSDFを受け取れます。
asUSDFの価格、正確には純資産価値が、運用収益に応じて上昇します。利回りはデルタニュートラル戦略と先物の資金調達料などから生じます。(Aster)
関係は次のようになります。
USDTを預ける
↓
USDFを受け取る
↓
USDFをステーキングする
↓
asUSDFを受け取る
↓
運用収益がasUSDFの純資産価値へ反映される
償還は即時とは限らない
公式資料では、通常規模のUSDF償還には1~2日、大口償還には最大7日かかる場合があります。すぐに換金したい場合はパンケーキスワップで売却できますが、市場価格や流動性によって1ドルを下回る可能性があります。(Aster)
asトークンとは何か
アステラスでは、預けた資産に対して「as」を付けた運用トークンを発行していました。
代表例は次のとおりです。
| 預ける資産 | 受け取る資産 | 主な収益源 |
| ----------- | ------ | ------------------ |
| BTC | asBTC | 管理された取引戦略 |
| BNB・slisBNB | asBNB | BNBステーキング、ローンチプール等 |
| USDF | asUSDF | デルタニュートラル戦略、資金調達料 |
| CAKE | asCAKE | veCAKE報酬、投票報酬等 |
asトークンは単なる預かり証ではありません。
外部プロトコルへ預けたり、流動性を提供したり、ポイントを獲得したりできるように設計されていました。
ただし、利用者が受け取るのは元の暗号資産ではなく、元資産への請求権や運用持分を表す別のトークンです。
そのため、
元資産の価格リスク
asトークンの価格乖離
発行スマートコントラクト
運用先
カストディ事業者
償還処理
という複数の危険を負います。
asBTC
asBTCは、ビットコインを預けて受け取る運用トークンです。
預けたビットコインはセフで保管され、比較的安定した取引戦略へ配分され、その収益がasBTCの純資産価値へ反映されます。現在のAster Earnでは、引き出し処理に最大14日程度かかる仕組みが案内されています。(Aster)
ビットコインをただ保有するより利回りを得られる可能性がありますが、ビットコイン本来の自己保管性は失われます。
自分のウォレットにBTCを置く
=秘密鍵リスクは自分で負う
のに対し、
asBTCにする
=セフ、アスター、取引戦略、トークン発行契約を信用する
ことになります。
asBNB
asBNBは、BNBやslisBNBを預けて受け取る流動性ステーキングトークンです。
仕組みはやや複雑です。
BNBまたはslisBNBを預ける
slisBNBがLista DAOのclisBNBへ変換される
clisBNBを使ってバイナンス・ローンチプールへ参加する
獲得報酬をBNBへ戻す
asBNBの純資産価値へ反映する
このほか、HODLerエアドロップやメガドロップの報酬を受け取れる場合があります。(Aster)
ただし、ローンチプール開催中は発行・償還処理が保留され、終了後に純資産価値が更新されてから処理される場合があります。
また、BNBを預けた場合でも、償還時に戻るのは原則としてslisBNBです。BNBそのものが直接返ってくるとは限りません。
asCAKE
asCAKEは、パンケーキスワップのCAKEを預けて受け取るトークンでした。
収益源としては、
veCAKE関連報酬
プロトコル収益分配
投票報酬、いわゆるブライブ
アステラスのポイント
などが想定されていました。(Medium)
しかし、CAKEのトークノミクス変更によってveCAKEと投票制度が終了したため、asCAKEの新規発行は2025年4月23日に停止され、償還対応へ移りました。(Aster)
これは重要な事例です。
運用商品が安全に作られていても、収益源となる外部プロトコルの制度が変われば、商品自体が成立しなくなる
ことを示しています。
ポイント制度
アステラスは、利用者へ直接高額の現金を配るだけでなく、将来のトークン配布につながるポイント制度を利用しました。
主に二種類ありました。
Auポイント:USDFやasBNBなどの発行・保有で獲得
Rhポイント:統合後の無期限先物取引などで獲得
アステラス時代のAuポイントと、APX側の取引活動を評価するRhポイントは、後にアスターのトークン配布制度へ統合されました。最終的にはASTERの総発行量の53.5%がエアドロップ・コミュニティ報酬枠として設定されています。(Medium)
ただし、ポイントキャンペーンには注意が必要です。
表示年利が、
本来の運用収益
将来価値が不明なポイント
一時的なトークン報酬
外部プロトコルからの補助金
を合算したものになっている場合があります。
ポイント込みの20%と、現金収益だけの20%は同じではありません。
なぜAPXファイナンスと統合したのか
アステラスには資産運用商品があり、APXファイナンスには無期限先物の取引技術と利用者がいました。
両者を組み合わせると、次の循環を作れます。
利用者がUSDT、BNB、BTCなどを預ける
USDF、asBNB、asBTCなどを受け取る
運用資産を証拠金として無期限先物を取引する
取引手数料がプロトコル収益になる
運用商品と取引商品の双方に利用者が定着する
公式説明では、アステラスが運用・利回り分野、APXが無期限先物DEX分野に強みを持っていたため、両者のチームと商品を統合したとしています。(Medium)
私の分析では、統合の狙いは単なる規模拡大ではありません。
預かった資産に利回りを付け、その資産を証拠金として取引にも使わせる
ことです。
通常、100万円をステーキングへ回せば、その100万円を先物証拠金に使えません。
しかし、利回りを生むasBNBやUSDFを証拠金として認めれば、
利回りを受け取りながら、同じ資本で先物も取引する
という資本効率の高い設計が可能になります。現在のアスターでも、USDFやasBNBを証拠金として使いながら運用収益を得られる仕組みが残っています。(Aster)470search18
turn120148search1turn183# アステラスの運営者
公開資料に登場する人物としては、コア・コントリビューターのダスト(Dust)、事業開発責任者のJJなどが確認できます。統合後のアスターでは、レナード(YZi Labs)search4turn248893search1
一方で、以下は十分に公開されていません。
創業者の正式な法的氏名
運営法人
本店所在地
株主構成
YZi Labsの持株比率
取締役会構成
利用者と契約する法人
運用損失が出た場合の責任主体
アスター公式の発信では、旧アステラスとAPXのチームに加え、BNBチェーンやバイナンスで働いた経験を持つ開発者がいると説明されています。ただし、(Medium)ん。citeturn248893search7
したがって、
YZi Labs支援だから、運営者の透明性も十分である
とは評価できません。
最大の危険はどこにあるのか
1.デルタニュートラルは無リスクではない
現物と先物を組み合わせても、完全には相殺できない場合があります。
価格差が急拡大する
資金調達率がマイナスになる
先物側が強制清算される
取引所が停止する
注文が約定しない
担保価値が急落する
といった危険があります。
2.セフとバイナンスへの依存
資産をセフが保管し、バイナンスで戦略を動かすなら、両者の障害、規制、口座制限、カストディ契約などの影響を受けます。USDFの公式説明にも、USDT(Aster)search0turn118455search3
3.USDFの価格乖離
USDFを1USDTで発行できても、市場で常に1ドルで売れる保証はありません。
償還に時間がかかれば、急いで売りたい利用者がDEXで安値売却し、価格が一時的に乖離する可能性があります。
4.複数のスマートコントラクト
元資産、asトークン、ペンドル、パンケーキスワップ、再ステーキングなどを重ねるほど、収益源は増えます。
同時に、一つでも問題が起きれば損失が発生する経路も増えます。
5.表示利回りの持続性
ローンチプール報酬、ポイント、流動性補助金などは永続的ではありません。
公式資料に掲載された過去の20~30%や30%超のAPYは、その時点のキャンペーンや市場条件に(Medium)search0turn248893search0
アステラスは成功したのか
事業面では成功に近い
アステラスは単独ブランドとしては消滅しましたが、失敗して閉鎖されたわけではありません。
YZi Labsから支援を得た
USDFやasBNBを立ち上げた
数億ドル規模のTVLを集めたと公表した
APXファイナンスと統合した
現在のアスターの運用部門として残った
という点では、買収・統合による発展的解消に近いです。統合前後の公式発信では、TVLが1億5,000万~3億ドル超へ拡大したと報告さ(Medium)search3turn248893search4
ブランド面では弱かった可能性がある
これは私の分析です。
「Astherus」という名称だけでは、
何をするサービスか分かりにくい
AstherusEarnとAstherusEXの関係が複雑
USDF、asUSDF、asBTCなど商品が多い
運用サービスなのか取引所なのか曖昧
という問題がありました。
公式の統合説明でも、Asterへの改称は認知しやすいブランドと簡単な(Medium)す。citeturn183470search1
取引所四季報としての評価
| 評価項目 | 評価 |
| ------------ | -------: |
| 利回り商品の設計 | A− |
| BNBチェーンとの連携 | A |
| 資本効率 | A |
| 商品の分かりやすさ | C |
| 運営者の透明性 | C− |
| 分散性 | C |
| カストディの透明性 | B− |
| スマートコントラクト監査 | B+ |
| 利回りの持続性 | C |
| 日本人向けの安全性 | D・国内登録なし |
アステラスの複数の商品は、ペックシールド、ハルボーン、サルス・セキュリティなどの監査を受けています。ただし、監査対象は特定時点の個別スマートコントラクトであり、運用戦略、カストディ、取引所口座、プロジ(Aster)ん。citeturn120148search3
結論
アステラスは、単なる高利回りステーキングサービスではありませんでした。
保管はセフ、取引はバイナンスなどの中央集権市場、資産の受け渡しと流通はDeFiトークン
というCeDeFi型の運用基盤です。
その本質は、
保有中のBTC、BNB、USDT、CAKEなどを眠らせず、別の金融商品へ変換して働かせる
ことにありました。
APXファイナンスとの統合後は、この運用資産を無期限先物の証拠金にも利用することで、
運用利回りを受け取りながら、同じ資本で取引する
という現在のアスターの資本効率モデルへ発展しました。
したがって、現在のアスターを理解するには、
取引部分はAPXファイナンス
利回り・USDF・asトークン部分はアステラス
と分けて考えると分かりやすいです。
アステラスは消えたのではなく、現在のアスターの「金利をみ出す心臓部」として残っていると評価できます。
アスターの紹介リンク
アスターのBTC/USDT無期限先物取引画面はこちらです。
紹介コード:SLNQlL
紹介リンク
https://www.asterdex.com/en/trade/pro/futures/BTCUSDT?ref=SLNQlL
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※紹介リンクを利用しても、利益や元本が保証されるわけではありません。
※リンク先はビットコインの無期限先物取引画面です。現物のビットコイン購入画面ではありません。
アステラスで確認された問題やトラブルについて
ここからはアステラス時代の瑕疵があったかについて。
ただし、アステラス本体で確認された問題と、統合相手のAPXファイナンス側で起きた事故を分ける必要があります。
結論
今回確認した範囲では、アステラス本体について、
顧客資産が大量流出した
長期間出金不能になった
運営が資金を持ち逃げした
規制当局から詐欺認定された
という重大事件は確認できませんでした。
ただし、無事故だから低リスクという意味ではありません。 前身・関連サービスでは、以下の問題がありました。
1.統合相手のAPXファイナンスが約210万ドルの攻撃を受けた
2022年6月、当時アポロXと呼ばれていたAPXファイナンスで、取引報酬用コントラクトの欠陥が悪用されました。
攻撃者は不正に多数の署名を蓄積し、約5,300万APX、当時約210万ドル相当を引き出しました。APX側は、顧客の預入資産は失われていないと説明し、緊急買い戻しなどを行いました。(X (formerly Twitter))
これはアステラス誕生前かつ統合前の事故です。
したがって「アステラスがハッキングされた」と書くのは不正確ですが、現在のアスターが受け継いだAPX側の開発・運営履歴としては無視できません。
2.asCAKEが外部制度の変更で終了した
アステラスの運用商品だったasCAKEは、パンケーキスワップ側のトークン設計変更によって収益構造が成立しなくなりました。
CAKEトークノミクス3.0で、veCAKEと投票制度が廃止されたため、2025年4月23日にasCAKEの新規発行を停止し、4月27日からCAKEへの償還対応へ移っています。(Aster)
これはハッキングや資金流出ではありません。
しかし、
外部プロトコルの制度が変わるだけで、運用商品が終了する
というアステラス型商品の弱点を示しています。
3.USDFは一時的に大きく価格が乖離した記録がある
コインゲッコーの価格履歴では、USDFは2025年10月10日に一時0.7985ドルまで下落し、同じ日に1.05ドルまで上昇した記録があります。(CoinGecko)
ただし、これはアスターへの改称後です。また、取引市場が少なく流動性も小さいため、一部プールの薄い板や価格集計上の異常値だった可能性もあります。
この件について、運営側による詳細な事故報告書は今回確認できませんでした。そのため、
USDF全体で本格的な取り付け騒ぎが起きた
とまでは断定できません。
とはいえ、「1ドル連動資産でも市場売却価格が一時的に大きく崩れる可能性がある」という事実は注意点です。
4.USDFは即時償還ではない
USDFを公式ルートでUSDTへ戻す場合、通常規模でも1~2日、大口では最大7日かかると案内されています。
パンケーキスワップなら即時交換できますが、流動性によっては1USDF=1USDTにならず、不利な価格で売却することになります。(Aster)
これは過去のトラブルというより、最初から存在する構造上の制約です。
大量の利用者が同時に償還を求めた場合、
公式償還は待ち時間が延びる
DEXでは売りが集中する
USDF価格が1ドルを下回る
という事態が起こり得ます。
5.実際にはセフとバイナンスへ強く依存している
アステラスはDeFiを掲げていますが、USDFの裏付け資産はセフ(Ceffu)が保管し、ミラーXを通じてバイナンス上の現物・先物戦略に利用されます。(Aster)
アスターの公式資料自身も、次の危険を認めています。
セフが取引や決済を処理できなくなる危険
バイナンスが支払不能になった場合の危険
資金調達率がマイナスになり利回りが低下する危険
急変動による先物ポジションの強制清算
USDT自体の価格乖離や準備資産リスク
(Aster)
つまり、アステラスは完全なオンチェーン運用ではなく、
セフの保管+バイナンスでの運用+DeFiトークン発行
という複合システムです。
どこか一カ所に問題が起きると、USDFやasUSDFの償還・利回りへ影響する可能性があります。
6.偽トークン詐欺が発生していた
2025年3月、アステラスは「まだ公式トークンを発行していない」と告知し、偽トークンや詐欺への注意を呼びかけています。(Binance)
これは運営による不正ではなく、人気プロジェクトを装った第三者詐欺です。
当時はAPXとの統合後に新トークンが発行される予定だったため、偽のアステラス関連トークンを作り、先行販売を装う詐欺が発生しやすい状況でした。
総合評価
問題深刻度性質APXの2022年攻撃高統合相手の過去のスマートコントラクト事故asCAKE終了中外部プロトコルへの依存USDFの一時価格乖離中~高流動性・価格安定性の問題償還に最大7日中商品仕様・取り付け時の流動性リスクセフ・バイナンス依存高カストディ・取引相手リスク偽トークン詐欺中第三者による利用者詐欺
私の評価は、
アステラス本体に致命的なハッキング歴は確認できない。しかし、無事故だったというより、運営期間が短く、複数の外部事業者と複雑な運用戦略へ危険を移しているサービスだった
となります。
特に危険なのはスマートコントラクトだけではなく、USDFの償還速度、セフの保管、バイナンス上のデルタニュートラル運用、外部商品の制度変更です。
