ドラッカー『経営者の条件』の「読まない」読書会 開催報告
「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。
御覧いただき、ありがとうございます。
2020年夏頃にオンラインである勉強会のようなものをしたことをふと思い出しまして、せっかくなのでそれを記事化して残しておこうかな、と思い立ち、今、こうして書いております。
それが何の勉強会であったかと言えば、ドラッカー『経営者の条件』の「読まない」読書会でした。
そもそも読書というもののプロセスを考えてみますと、
①何がどこに書かれているのかを知る
②書かれている内容を知る
③読んでその内容を理解し、活かす
という3ステップだと、私は思っていまして、それで積読も多いのですが、これはもしかしたら、私が元々、書店員出身であったことも大きいかな、と思っています。
当時は店内在庫の検索システムもなかった時代。そういう時代に書店員をやっていますと、お客さんから本について尋ねられるのですが、だいたい頭の中に店内の地図が入っていまして、このあたり、というところにご案内するわけです。また、新しい本が入荷してきたときにも、タイトルとか出版社とかあとは目次をパラパラ見て、その本のジャンルを判断するわけです。ああ、あの辺かな、と。
同じように、本を買う際、この本にはだいたいこんなことが書いているな、というアタリをつけて買っておき、こういう文章を書くとか、何か調べたいな、というときにその本を引っ張り出してくる、ということをやっています。
つまり、先ほどの分類で言いますと、「①何がどこに書かれているのかを知る」ために、本を読む必要はない、と思っています。
前置きが長くなりましたが、そういう訳で、ドラッカー『経営者の条件』の「読まない」読書会では、私がそれぞれの章を整理したパワポ一枚を紹介するだけ、という内容でした。
まあ、くどくど説明するより見てもらった方が早いと思いますので、早速、紹介していきます。
まえがき

はい。これだけですw
マネジメントの父、とも呼ばれるドラッカーですが、この本は、自分をマネジメントする方法=セルフマネジメントの方法について書きましたよ、と。
私もそうですが、この本はコーチングの参考になると思っているのですが、それは、セルフマネジメントについて書かれているからなんですね。
序章 成果をあげるには

この序章なんですが、実は、その後の章に書かれていることと微妙に違うことが書かれています。というのも、この序章は後から追加されたものだから、なんだそうです。この本の最初にその旨が書かれていて、この本のもともとの刊行は1966年。まえがきは1985年に追加され、序章は2004年に加筆されたもののようです。
この序章では成果をあげるための「8つの習慣」と、「聴け、話すな」という1つの原則について書かれています。「機会に焦点を合わせる」では、1993年に書かれた『イノベーションと起業家精神』の7つの機会が別な表現で書かれていたりしていたので、図ではちょっと紹介しています。
第1章 成果をあげる能力は修得できる

第1章はこの本の全体像が示されます。この全体像が序章とは違う話になっているので、普通の人は混乱します(笑。なので、序章は別な説、あるいはパラレルワールドだと思って忘れるのが良いと思います。(あるいは、序章以外を全部読んでから、さらにそれを組織の中にあてはめたもの、と考えるべきかと思います。)
他の本でもそうですが、ドラッカーさんはこういう編集による時系列の逆転という、ほぼ叙述トリックのようなことを時々してくるので、注意が必要ですね。
第2章 汝の時間を知れ

第2章は時間管理について書かれています。章タイトルを見て、「汝の時間は今、何時?」というダジャレを思いつきましたが、そういう意図での翻訳ではないと思います。
コーチングのクライアントでも、「時間がなーい」とおっしゃる方は割と多いのですが、この時間を記録する、というのはかなりおススメです。やれば確実に、時間の使い方が変わります。
第3章 どのような貢献ができるか

この章は貢献。若干、序章の内容とも被っているような気がします。会議について、時間のところではなく貢献のところに書かれているのが面白いですね。
第4章 人の強みを生かす

この章は強みについて。ドラッカーにコーチングをいちばん感じるのがこの部分でもあります。個人的に好きな部分でもありますので、ちょっと文字多めに整理されております。
第5章 最も重要なことに集中せよ

集中の章。優先順位ではなく劣後順位、という話は面白いです。ドラッカーが「肥満防止」なんて書いているのかなぁ、と思って改めて見てみたら、ちゃんと書いてありました。
第6章 意思決定とは何か

意思決定についての章。意思決定については2章に渡り展開されています。真ん中の絵は、ソロモン王の裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」という話から。正しい妥協と間違った妥協の例です。
第7章 成果をあげる意思決定とは

意思決定の章、続きです。こちらは組織的意思決定の話が多めな気がします。最後のところ、コンピュータの導入により、末端の人間までもが成果をあげる意思決定を行わなければならなくなる、というところは慧眼ですね。なにしろ1966年に書かれたものなので、すごいです。コンピュータが小型化するために必要なLSI(大規模集積回路)の発明が1970年代に入ってからですから、この頃のコンピュータと言えば、メインフレームと呼ばれる大型冷蔵庫クラスのものしかなかったはずなので。余談ですが。
終章 成果をあげる能力を修得せよ

まとめの章です。成果を上げることは現在社会の維持のためであり、不可欠なもの、ということで、生産性の低い日本のビジネスマンやら官僚やら全員に配ったら良いのではないでしょうか。いや、まずは組織の目的をはっきりさせるところから、ですかね。
はい。ということで、これで終わりです。
①何がどこに書かれているのかを知る
②書かれている内容を知る
③読んでその内容を理解し、活かす
のうち、「①何がどこに書かれているのかを知る」ためだけのために紹介してきました。ご興味持っていただいたら、気になった章をお読みいただくと良いのかな、と思っています。
この「読まない読書会」…という名称が的を射ているかわかりませんが、この方式、情報量の多い現代人にとって、ひとつ、とても意味のある方法ではないかと思いますが、いかがでしょうか?
感想やリクエストなどいただけましたら嬉しく思います。あくまでもひとつの方法としての提案ですので、読書会テロみたいな捉え方をされないように、くれぐれもお願いします。
現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。
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