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「経営感覚」について考えてみた~「数値管理」と「組織の成熟度モデル」

「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。

御覧いただき、ありがとうございます。

現在、毎日、一記事投稿を目指して執筆していますが、今日は日曜ということで、ちょっと自分の過去にやってきたことを振り返って、自分の強みを解析するような記事を書こうかな、と思い立ちました。

今日のテーマは「経営感覚」です。

このnoteでは、洋書の解説などもしていますが、いろいろ翻訳をしていて、マネジメントという言葉をどのように日本語訳するのかな、というのは、いつも適切な定訳がないな、と思っています。個人的にはマネジメントスキルという言葉にも違和感があって、それはなんでなのかな、と思ったとき、自分はマネジメントスキルのことを「経営感覚」だと思っているからなんだ、ということに気づきました。感覚、つまりはセンスです。センスをスキルとしていいのか?という疑問です。

自分がこの「経営感覚」が必要だな、と思ったのは、前職でベンチャー企業に居たときです。いわゆるオンライン書店に中途で入って、その中の業務で一体、何を優先すべきなのか、ということがわからなくなってきて、そこでこの「経営感覚」が必要だな、と思ったのです。先輩社員に当たる方が2名いらして、そのうちのAさんはもともと個人でユニークな書店をしていた方でした。この方はなんでも自分でやっちゃう。ただ、その考えが個人商店なので、大きな組織だといろいろ問題も生じていた、という感じ。もう一方は優秀な方で、経営を学ぼうとグロー〇〇に通われていた方。この方から私はまず、バリューチェーンという考え方を教えてもらいました。

会社がうまくいっていないということはわかっていたのですが、何が問題なのかがわからない。ただし、バリューチェーンの考え方をあてはめると、自分の今、やっていることはそれほど価値を生んでいないのではないか、ということはわかる。ということで、もっと価値を生む仕事をすべきではないか、と考えたわけです。

当時、私はサイトのコンテンツを作る仕事の一端を担っていました。今考えるとすごい話で、当時、まだダイヤルアップだったころに、読み物主体のオンライン書店を作ろうとしたわけです。後から考えると、これは会社でしかネットを見ていない人が考えたビジネスモデルだな、と思ったのですが、問題はそれに対応するIT技術が、まだまだ日本のIT現場には不足していたこと。というか、私も当時、渋谷のQフロントにあったデジハリに半年ですが通っていたので、世の中にはそういう人材が居たのでしょうが、大企業連合のジョイントベンチャーの現場にはいなかった。時にWEBまわりがわかっている人はほとんどいなかったです。

これは笑い話ですが、当時、メインのサイトを作る前にプレサイトを作ったのですが、いわゆるWEB制作会社がまだそれほど目立っていなかった時代。親会社の出版社の関係の広告制作会社に作らせたところ、数枚のHTMLで価格1千万円。修正をお願いしようとしたらいくら取られるかわからないので、自分でやろうとして、システム担当の偉い人(当時、取締役がプログラム組んでました)に、何か編集ツールはありますか? と尋ねたら、「ワードならある」と言われたのでビックラしました。(結局、自前のドリームウィーバーで直した。)

そんな時代でしたので、これは自分がWEBまわりをやった方がいいのかな、と思って、コンテンツのとりまとめの仕事をしつつ、サイトの様々なテンプレートを見直して、いろいろ改善するお仕事を始めました。その関係で、システム担当の社員とも仲良くなり、SQLを教えてもらい、そこから売上のデータを分析するようになりました。

このとき、「ああ、経営感覚」が欲しい!

と思って、中小企業診断士の勉強を始めました。結局、そこから10年以上、夏の数日間だけホテルなどにこもって勉強し、一次試験を受けるということをやって、結局、一次試験を全部合格し、二次試験で落ちてもう満足してしまって、こちらは今に至ります。勉強の過程で、中小企業診断士の勉強は楽しいのですが、資格を取ってからの更新が大変だとか、協会に入ると上下関係があって大変とか、いろいろな話を訊いてしまい、ま、資格はいいかな、と思ったのでした。(この時の勉強がその後、応用情報技術者とかITストラテジストの試験合格に役立ちました。)

同時期になりますが、父親の誘いで日本経営品質賞のアセッサーになりました。こちらは始め、なにそれ、という感じだったのですが、今、思えば、まずはアセッサーになり、そこからJQAA、通称、アセッサーフォーラムという団体の理事になり、審査員も本賞と地方賞で数年、経験し、これが「経営感覚」の養成にとても役立ちました。

で、その「経営感覚」ですが、何で構成されているのか、というのは、センスなので自分でもよくわからないのですが、最近、これについて考えていて、何となくですが、「数値管理」と「組織の成熟度モデル」がコアになっているのかな、と思います。

「数値管理」は「目標管理」と言ってもいいかと思うのですが、後者だとなんだか個人の仕事を管理しているような話に勘違いされてしまいそうなので、敢えてここでは「数値管理」という言葉を使います。直近、事務局として関わっていた団体でも、「数値管理」について説明したのですが、どこまで理解されたかはわかりません。で、あ、これはセンスなんだなーと思ったわけです。

ちなみにこの「数値管理」のベースは、先に書きましたSQLを覚えて自分でデータベースから欲しいデータを抽出するところから始まりました。最終的には経理の方に相談して、現在の状況がよくわかる数値管理表を作成しました。まさにバリューチェーンを数字で見える化したわけですが、数値化してみた結果、親会社の子会社である倉庫への手数料支払いのモデルに無理があって、もちろん、その倉庫会社が儲かっている訳ではないのですが、そもそも事業が成り立つための前提となる売上計画が無茶すぎて、なんだ、そもそもビジネスモデルが成り立っていなかったのか、ということがわかってしまう事態となりました。(そっからデータベースを安いものに乗り換えたり、除却を減資によって行ったりとか、別な収入源がないかモデルを考えたりと、そういう仕事を社長に言われてひっそりとやっておりました。)

このことがわかっている人も何人かいて、配送コストを下げるにはどうすればいいのか、どんな梱包資材にすべきか、そんなことを地道にやっていた人が居て、同志よ、という感じで仕事してました。この会社は最初のモデルで最初の方に雇った人にかなり高額の人件費を支払っていて、それも経営の足をひっぱっていたこともあり、そういう人たちはだんだん居なくなっていって、ベンチャーってそういうものなのかなーと思っていたことを思い出します。

ということで、「数値管理」は大事。まずは見える化して、そこから事業計画を考えます。今、思い出しましたが、この「数値管理」の原点は私が最初に就職した書店で、毎日、マネージャーが売上目標と売上について確認していたところから来ているな、と思いました。なんていうか、仕事をしてその結果が数字で示されていないと、不安になってしまうのは、そこから来ているんでしょうね。でも、大事な感覚だな、と思いました。

さて、この「数値管理」が経営の根幹として、もうひとつが「組織の成熟度モデル」です。これはシステム開発の文脈でCMMIから来ているのですが、私が感覚的に捉えているのは、先に書いた日本経営品質賞のアセスメントモデルです。これは当時、アセスメント基準書というものがあり、こちらに記載されていました。当時、認定セルフアセッサーの養成コースというのがあり、夜遅くまでチームで作業して睡眠不足で朝から議論するような、割とキツい課題をえいえいとやって学んだ記憶があります。(現在は、「顧客価値経営 実践推進者コース」「経営デザインコース」というものになって、割とライトなものになっているようです。時代ですなー。)

で、このアセスメント基準書の「成熟度モデル評価」というのが、組織を見る上でかなり有効だな、と思っています。簡単に説明すると、組織の成熟度レベルをD・C・B・A・AA・AAAの6段階で評価し、その評価も、「方法」「プロセスの結果」「総合結果」の3種類で評価します。これらは感覚的なアセスメントではなく、きちんと根拠に基づいた評価になっていて、点数を出して集計して評価します。

簡単に言うと、そもそも、こういう評価ができないのがDレベル。わかりやすいので「方法」のうち「改善・革新」の評点ガイドラインの表現を紹介すると、「問題が大きくなるまで対処できていない」レベル。ここから先、レベル表現は、『2021年度版日本経営品質賞アセスメント基準書』(日本経営品質賞委員会)より引用します。

次がCレベル。これは「過去の枠組みの中での改善や、発生した問題の後追い対応にとどまっている」レベル。ここまでは、実は、いわゆる目標というか、目指している姿が描けていないレベルになります。

Bレベルになると、いわゆる「理想的な姿」、どうなりたいのか?ということが組織的に共有され始めます。曰く「結果および結果を生み出したプロセスから課題を認識し、主体的に改善・革新に取り組みはじめている。/発生した問題の根本原因を追究し、プロセス改善を行いはじめている。いくつかは再発防止の対応に結びついている。」 お読みいただいたとおり、Bレベルになると「プロセス」という考え方ができるようになっています。いきたたりばったり経営から脱却している、ということで、すなわち、先に述べた
「数値管理」もできるようになってきます。

まあ、このBレベルというのは、いわゆるうまくいっている普通の会社で、ここから先は「良い会社」と言われるレベルになります。

Aです。「結果および結果を生み出したプロセスから課題を掘り下げ、主体的に改善・革新に取り組んでいる。発生した問題の根本原因を追究し、プロセス改善を行い、再発防止の対応が常態化している。/より高い価値を創造するための学習に目を向けはじめている。

ここまでいくと、地方では賞が取れるレベルになります。AAとAAAは普通の会社では非現実的で、AAレベルは日本経営品質賞受賞レベル、AAAは地球には存在していない会社、とも言われるので、ここでの紹介は省略します。

この成熟度モデルの何が良いか、と言うと、できている/できていないの2段階ではなく、例えば、今がCだったらBになるにはどうすればいいのか、というように、組織の発達段階を考えて手が打てる、ということがあります。例えば、活動について記録しておきましょうねー、とか、来年度のスケジュール決めましょうかーとか、そういう具体的なアドバイスができる、ということです。

これはクライアントの会社であった事例ですが、ある管理シートのようなものを各部署に記載してもらった際に、数値目標が立てられない、と言われた、という話がありました。しかし、PDCAは大事だと思っています、というコメントつき。数値目標が立てられないけどPDCAは大事と思っている、ということは、Cレベルのマネジメントがされている組織なんだなーと理解できます。本当はAレベルを望んでいるのですが、いきなりCからAは無理なので、まずはBに上がってもらうために、プロセスの記述から始めてもらおうかな、となります。

自分にはこういう過去の経験からこういう感覚があって、それをベースに判断して意見を言っているのですが、それがかなり無意識的になっていて、それが自分の中での「経営感覚」になっているのだな、と思ったのです。

現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローも大歓迎です。
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