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山梨県立博物館「甲州財閥展」に行ってみた

「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。

御覧いただき、ありがとうございます。

こちらの記事で書きました通り、11月より、noteの毎日更新を再開しています。ただ、今、非常勤講師をしています東洋大学国際学部国際地域学科の紀要「国際地域学研究」の締切があり、その原稿を書くので数日ほど更新がストップしていましたので、久々の更新になります。金曜は「山梨と畑の日:山梨ネタ、畑づくり&庭づくりのこと」のテーマとなります。

先日、ある方とお話していた際に、中央本線があるところで湾曲しているのには、雨宮さんという財閥の人が関わっている、というお話をお聞きしました。確認してみると、確かに曲がっている。

勝沼から山梨市の方に抜けずに、甲州市を通っているのは、確かに不自然に見えます。雨宮さんについてはこちらに書かれています。

上の記事では「このルートが大回りとなったのは雨宮敬次郎の力のせいではなく、技術的な制約によるものだった」となっていますが、まあ、一石二鳥だった、ということなのかもしれません。

この話を受けて、そういえば、甲州財閥の話って言葉だけは聞くけど、実態がよくわからないな、と思っていたら、山梨県立博物館で「甲州財閥展」が開催されているというので、ちょっと行ってきました。

山梨県立博物館
甲州財閥展

入場料1000円はなかなか強気だなぁ、と思いつつ、展示物の写真はNGということだったので、カタログ2200円を購入しました。発行は山梨日日新聞社。しっかりビジネスしている感じが好感持てます。

全体的な展示を眺めた印象は、鉄道関係の人が多いんだなーというものでした。メインで紹介されていたメンバーは下記の7人。

中央本線の雨宮さんはわかりますが、阪急電鉄の小林さん、現東京メトロの早川さんは、山梨を離れて鉄道に関わっていて、ちょっと意外でした。東武鉄道を改革した根津さんも山梨出身ということで、鉄道関係がなんでこんなに多いの?という気もします。

説明文の中で、いわゆる甲州商人から甲州財閥の流れの前提として、江戸時代後半の甲斐国に大名がいなかったことが挙げられていました。どういうこと?と思って調べてみました。

これによると、寛永9年(1632年)以降、甲斐は幕府直轄領となっています。そして、享保9年(1724年)、享保の改革において徳川幕府財政強化の為、甲府藩は幕府直轄領化された、とあります。

いわゆる「甲州街道」が整備されたのは、この直轄領化によるものらしいです。

「甲州街道は徳川家康の江戸入府に際し、江戸城陥落の際の甲府までの将軍の避難路として使用されることを想定して造成されたという(その為、街道沿いは砦用に多くの寺院を置き、その裏に同心屋敷を連ねられている)。」とありますから、さすが用心深い徳川家康、そこまで準備していたのか…。とびっくりしてしまいます。

で、こういう理由で強力な大名がおらず、しかも江戸までの街道が準備されたということで、開国後、生糸を横浜港経由で世界に売って稼いだのが、甲州商人の始まりだったようです。

日本初の国産ビール、機械製粉、そしてもちろんワイン製造など、いろいろな事業を立ち上げる人が多かったようです。意外だったのは、発電。おそらく水力発電だと思いますが、山梨は電気の供給地としてのイメージが強かったそうです。

また、富士身延鉄道という、身延線の前身となる私鉄の話も出て来ていて、当時、山中湖を含む富士五湖は行くのも大変であまり知られていない景勝地だったのを、「富士五湖」という名前をつけて観光地化した、という話も出ていて、割と今では当たり前になってしまっていることを実現した人が多かったんだなぁ、という印象でした。

ということで、初めて甲州財閥と言われる人々のことを知ることができましたが、共通して根底にあるのが、「安く買って高く売る」という発想のような気がします。安いものはそのままでは安くしか売れない。であれば、どうするのか、というところに、壮大な工夫をしたんだろうな、と思いました。

それにしても、江戸という新しい首都を作るにあたり、脱出路として街道を整備しておくという徳川家康…。それが甲府という街の個性を決定づけたと思うと、なかなか感慨深いものがあります。

現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローも大歓迎です。ご意見・ご感想・記事で取り扱って欲しい話題のリクエストも専用フォームより募集しております。


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