黒執事 35巻 【ネタバレありマンガ感想文】 リベンジマッチ・スタート!
★★★★★
Amazonでレビューしたのものです。
敵の生命線(ライフ・ライン)を断つため、四方に散らばったファントムハイヴ家。東の新設児童養護院からの脱出を図るフィニとスネークは、年長生徒達と共に窮地に陥ってしまう。その頃、南の新リゾートホテルに赴いたセバスチャンとシエルは、奇妙な支配人に歓待を受ける……。No1.執事コミック、待望の35巻登場!!
0.これまでのお話
19世紀末イギリス・ヴィクトリア朝。
13歳の伯爵シエル・ファントムハイヴと、彼に使える完璧な執事のセバスチャン・ミカエリス。
ファントムハイヴ家は、「女王の番犬」という裏の役割を持っていて、裏社会の問題を扱い処理してきた一族だった。
そのため、命を狙われることも多く、3年前、この家は謎の襲撃を受け、先代伯爵夫婦は殺害され、シエルも誘拐され1ヶ月監禁・陵辱される地獄を経験する。
そこで悪魔召喚を果たし、シエルに従いその望みを叶える代わりにその魂を得るという契約の末、執事セバスチャンが誕生した。
以降、2人は女王の下す事件を解決する中で、裏の仕事仲間だった「葬儀屋」が離脱した元死神であり、死者をビザール・ドールとして蘇生させていたこと、ロンドン市内のスフィア・ミュージックホールが裏で集血施設となっていたことを知る。
施設の閉鎖後、シエルのロンドンの邸宅が襲撃され、急いでマナーハウスに戻った2人の前に、”シエルと瓜二つの少年”が現れる。
本物のシエルは、双子の兄だった。
悪魔の儀式で死亡した兄は、葬儀屋により蘇生され、存続のために血液供給が必要となっていた。
弟の「坊ちゃん」は、兄によって罪を着せられ逃亡犯に。
裏の協力者である劉と藍猫、そして使用人たちと共に、血液供給組織と思われる4つの拠点へ調査に向かう。
1つ目はメイド搾取の男爵邸(メイドのメイリンと藍猫が破壊)。
2つ目は退役軍人療養所(シェフのバルドと劉が潜入、ビザール・ドールのレイラと交戦となりバルドが重傷)。
そして、3つ目の新設児童養護院。
庭師のフィニと従者のスネークが侵入し、スネークが元いたサーカス団のドールと再会。さらに、施設の年長の子供4人と協力して養護院を調べると、そこから巣立った子供達は殺されて臓器として保管されていたこと、そして、ドールが輸血を受け蘇生された死者と判明する。
ドールはスネークに、サーカス団を壊滅させ自分を殺したファントムハイヴへの復讐を呼びかける。
アニメはスフィア・ミュージックホールの前の緑の魔女編までです。
1.嘘と家族に引き裂かれるスネーク
以前シエルが女王の命令で調査に潜入したノアの方舟サーカス。
サーカス一軍メンバーは、狂った男爵の指示で、子供たちをさらっていました。
ファントムハイヴ家を襲撃したサーカスのメンバーたちは、フィニたちに返り討ちで皆殺し。別行動をしていたドールは、燃え盛る男爵邸から出てくるシエルとセバスチャンに会い、やはり殺されたのでした。
家族の仇を討とうとスネークを誘うドール。
子供攫った悪い人とスネークにいうフィニ。
2人の間で膝をついて苦悩するスネーク。
スネークは知らなかったのです。
仲間が子供を攫っていたことも、シエルたちが仲間を殺したことも。
どちらもスネークに嘘をついていたから。
ドールは逃げようとする子供を殺そうとし、庇ったスネークは死んでいきます。
ただ家族が欲しかったのに。
どうして、どうして、と繰り返しながら。
ノアの方舟のサーカス編は2014年のアニメ作品・・・ずいぶん経ってますなあ。
2.坊ちゃんとセバスチャンは南のホテルで
場面は変わって列車の中。
4つ目の血液の供給組織に向かう、坊ちゃんとセバスチャン。
ついに、主役が登場です。
29巻以来・・・? お久しぶりです。
一等車で優雅に食事をとりつつ移動します。お尋ね者のくせに。
到着したのは高級ホテル。
このホテル、なんと、エレベーターに水道があります。
1889年12月ですよ。
この時期にこんな設備あるのか?とwikipediaに聞いたら、本当に最新式のようです。
”1882年、最初の電動式エレベーターがニューイングランドの綿工場に設置されると[7]、その後1889年ごろより高速運転可能な装置が考案され、電気の供給安定とともにエレベーターの動力源として電動式が主流となった。”
到着早々、2人は、フェアチャイルド3世と名乗る支配人から挨拶を受けました。偽名で予約したのに早々に正体がバレており、セバスチャンも驚き警戒します。
正体を知りつつも、最高のおもてなしをする、と続ける支配人。
接客のプロは使用人とはクオリティが違う、とセバスチャンを煽ることも忘れない、なかなかの曲者のようです。
そして、十字架の点滴台を持ったフードの男が登場し、セバスチャンを「悪魔」と呼ぶーーー
次巻に続く、となりました。
キャラクターガイド。キャラが増えたので、新しいバージョンが欲しいですね。
3.兄弟喧嘩は何故に?
多くの人の命を奪い、英国中に轟かせる事件を引き起こし、死神、悪魔と言う人外を巻き込み、生者と死者と言う世の理すら越えて争う、双子の兄弟。
集客施設スフィア・ミュージックホールは、死んだ兄の蘇生維持のための集血施設でした。それを閉鎖に追い込んだ弟。閉鎖に追い込まれたことを逆手にとって、ファントムハイヴ家に姿を現し、身分詐称と殺人容疑で弟をお尋ね者にして家から追い出した兄。
弟は再度、伯爵としての復帰を目指し兄の蘇生維持のための施設の破壊を目論んでいます。
4つの施設のうち3つの決着は、2勝1敗または1引き分けといったところでしょうか。
しかし、ここで疑問が1つ。
なぜこの兄弟は争っているのでしょうか?
①兄の狙い
蘇った死者の兄が弟の前に姿を現した時、弟は回想します。
幸せな日々が突然壊され、地獄の日々が続き、兄が殺され、悪魔を呼び出し自分は兄と入れ替わった経緯。
この回想では、兄は、非常に弟に気を配って可愛がり、伯爵の地位よりも弟といつまでも一緒にいたいと駄々を捏ねるような、弟思いの兄でした。
監禁陵辱の中でも、お前は僕が守る、ここから脱出しよう、と、弟を励まし支えていました。
なのに。
蘇ってからは、兄は明らかに弟を排除しようとしています。
言葉では、この3年頑張ったねと言いつつ、ソーマとアグニを殺そうとして、宣戦布告をしています。
なぜでしょう?
自分の名前と身分が弟に取られたことを許せなかったのでしょうか?
普通に、フランシス叔母様たちに話したように、長男は実は生きていました、重傷だったけど復活しました、弟から名前と当主の座と爵位を取り戻します、では、ダメだったのでしょうか?
「兄弟喧嘩」といっていますが、兄の狙いがよくわからないんですよね。
②弟の気持ち
そして、弟の気持ちもわかりません。
回想では、2人はとても仲が良く、思い合っていた兄弟でした。
弟は、シエルの望んだシエルになろうと決心して悪魔の手を取り、長くシエルでいる事は難しいと言い、泣きながら謝って兄の死体とお別れをしたのに。
なのに弟は、兄に対し驚きますが、まったく喜んでいる様子がありません。
確かに死んだ人間が生き返ったら、驚くし、恐ろしいです。
でも、愛する人が戻ってきたら、その前に、嬉しいと喜ぶものではないでしょうか。葬儀屋の言うとおり。
しかし今の弟は、なんとしてでも、兄からシエル・ファントムファイブ伯爵を取り戻そうとしているように見えます。
2人とも両親を殺され家を燃やされ、誘拐された被害者なんだから、協力して犯人に復讐してもよいはずです。
なぜでしょう?
まだ判明していない事実があるのでしょうかね。
シエルが双子だったことが伏せられていたように。
画集もたくさんあります。絵がすごい綺麗なんですよね。
めくるめく貴族の世界。
4.巡り来る12月14日=双子の誕生日
①作中の時間
この35巻で、1889年12月9日と、日時が判明します。
スネークが死んだ日です。見たことない死神が彼の魂を回収しました。シクシク・・・
英国を4方に分かれ移動したので、多少の日数の差はあるでしょうが、坊ちゃんとセバスがホテルに着いたのも、12月上旬でしょう。
ここで、この作品の時間を確認します。
最初の切り裂きジャック事件が終わり、3巻の最後で、坊ちゃんは13歳になります。1888年12月14日です。
その後カレー対決を経て、
サーカス編の最後が、2月9日(ビーストの死亡日)。
カンパニア号沈没が、4月19日。
寄宿学校のクリケット大会が、6月4日。
緑の魔女が領地から出たのが、8月17日(ヒルデの死亡日)。
その後スタートした、青の教団編。
二番煎じのファントム・ファイブの準備途中で、番外編的にハロウィンを迎えています。
そして現在は、青の復讐編南の章だそうです。
いやあ・・・
ビザール・ドールの進化早すぎ。
カンパニア号ではただ人を襲う化け物だったのに、クリケットではちょっとぼんやりしつつもなんとなく人っぽく装えてて、青の教団ではほとんど人間になっています。
そして、この4つの施設がいつできたかなんですよね。
蘇生された本物のシエルの頭がしっかりしてから作ったとすると・・・早すぎませんか?
クリケット以降の半年ですよ。
特に新設児童養護院とか、結構子供達馴染んでいたし結構教育されてましたけど、半年でできるかな?
でも、この施設は、4人の『お星様』=蘇生された死者のために集められて作られているのが明らかで、『お星様』の1人は、シエル、もう1人はドールだから、やはり半年でできたのでしょうか。
うーむ。
②12月14日に何が起こる?
坊ちゃんの13歳の誕生日は、マダム・レッド事件の後、少し沈んでいた彼を、リジーに叔母様に、使用人皆で祝って慰めた穏やかな日でした。
そしてそれから怒涛の1年が経ち。
14歳の誕生日をもうすぐ迎えます。
復活した本物のシエルと坊ちゃん、2人の誕生日。
穏やかな誕生日になる、はずがない。
いったい何が起こってしまうのか・・・ドキドキです。
③黒幕は?
現在の黒執事は「シエル・ファントムハイヴ伯爵」をめぐる兄弟の争いを描いています。
が、元々の坊ちゃんの目的は、両親を殺し自分達に地獄を見せ、ファントムハイヴ家を滅ぼそうとした連中に復讐をすることです。
そのために悪魔=セバスチャンと契約をしたのです。
その黒幕は、誰なんでしょうか。
ネットとかで言われているのは、ヴィクトリア女王ですかね。ラスボスっぽいし、結構容赦なく残酷。
兄のシエルが手引きした説もありますが、坊ちゃんの対応を見ると、両親の仇裏切り者という感じでもない気がするんですよね。まあまだ知らないだけかもしれませんけど。
アニメの1期のように、天使とか、新しいキャラの可能性もありますかね。
それから、葬儀屋とファントムハイヴの関係や、『お星様』の残り2人、ベガ=レイラとアルに、ポラリスについてもこれからです。
まだまだ謎がたくさんですよ。
5.半年の休みの後の連載再開
長い長い黒執事の物語。
読み直して、緑の魔女編までが登場人物が揃った形で、青の教団編からが、本格的に話がスタートしたと思いました。
起承転結で言えば、承に入った感じ。
この35巻の途中で、作者は半年お休みをされました。
【「黒執事」休載のお知らせ】
— Gファンタジー (@g_fantasy) June 17, 2024
「黒執事」は次号月刊「Gファンタジー」8月号より、しばらくの間、休載させていただきます。
連載再開につきましては決定し次第、発表いたします。
次号からの休載期間は「黒執事」過去連載分を再掲載させていただく予定です。… pic.twitter.com/R5fsCTDomQ
なんでも休養と、クライマックスに向けた取材だそうです。
ク・・・クライマックス????
この黒執事も19周年。
長い連載だと作者の健康が心配になります。
ぜひ、長い話を体調に気をつけて続けていってほしいものです。
そして、たくさんのこった謎は、全部判明させて欲しいです。
坊ちゃんたちにも幸せになって欲しいけど、、容赦無くザクザク人が死んでいく黒執事なので、その辺は望み薄かなあ。。
続く、36巻も楽しみにしています。
著者:枢やな (著)
ASIN : B0FSTK3QF8
出版社 : スクウェア・エニックス (2025/11/27)
発売日 : 2025/11/27
言語 : 日本語
ファイルサイズ : 92.5 MB
1巻はunlimitedになってますので、よかったらどうぞー
35巻の前はこちら。ちょっとづつ全巻感想をあげていきたいです。(が・・・35巻はなかなか・・・)

