【YouTubeで拾った名曲】『ガラマサどん』
ボクもよく知らないのだが、どうやら「ガラマサどん」というのは、昭和初期のサラリーマン小説のようである。
ボクは徳山璉先生のファンであるので、彼の歌であるから知っているだけで、小説そのものは読んだことがない。
ガラマサどん、というのは昭和初期のワンマン社長で、それに振り回される社員さんの面白おかしい物語であるようだ。
ボクは小説屋なので、どういう作品なのかはだいたい予想がつく。
どうせモデルになった変な社長さんがいて、飲み屋や芸者屋で語り草の、実際の武勇伝?を繋ぎ合わせて書いた小説か何かだろう。
この曲は小説の作者には毒である。
徳山先生と古川ロッパが巧すぎるし、歌の言葉が出来すぎており――。
作品を読む気がしない。
小説屋のボクが、とてもイケナイ暴露をしてしまうと、実はだいたいどういう小説でも「クライマックスの一場面」だけなのだ。
いろいろのエピソード、巧みな伏線、ドキドキする展開も、要するにクライマックスの一場面に向かって組み立てられているに決まっており・・・・・・。
ぶっちゃけ言えば、小説は冒頭と末尾を読めば、何が書いてあるかはだいたいわかる。
それでも中身もすべて読みたい――そこまでの気分になるのはよほどの名作、かなりな名文だけである。
それこそ、言い草が一々面白い三島由紀夫先生とか、詩情が凄まじい川端康成先生とか。
物語の面白さを端的に切り取ってしまった歌詞。
それを天才的な徳山先生と古川緑波が歌ってしまったら、たぶん、小説の出番はない。
これは小説家には残酷な歌ダ。
ちなみに、『ガラマサどん』の小説そのものは、青空文庫に公開されているらしく、全文読めるらしい。
