灯りが美しく映える壁|自宅リフォームで選んだ「サンゴの塗り壁」
自宅リフォームで叶えた「サンゴの塗り壁」
新築注文住宅のコーディネートはこれまで数多く担当してきましたが、今回は自宅リフォームのお話です。
以前勤めていた工務店では、当時の内装仕上げの標準仕様が「サンゴの塗り壁」でした。(残念ながら現在は違うそうです。)
施工中の現場に入ると、ふわっと潮のような香りがして、まるで海の中にいるような感覚になります。
そして完成した壁は、柔らかな白。かすかにきらめきがあり、光が当たるととても美しいのです。
その美しさを見るたびに、
「いつか自宅の壁もこのサンゴの塗り壁にしたい」
と心に決めていました。
クロス貼りだった我が家も、いつかは絶対にこの「サンゴの塗り壁」に。
そう思い続け、今回のリフォームでようやく実現しました。
珊瑚の塗り壁材というと、イメージしやすいのが珊瑚漆喰の塗り壁です。
メーカーにより配合や特徴は異なりますが、私が使用したのは
株式会社沖坤 の「ulu #353196」という商品です。
沖縄の海で育ち、役目を終えた風化造礁珊瑚。
その白い部分を細かく砕き、自然由来の成分と合わせて生まれた塗り壁材です。
海からの恵みを無駄にせず、かたちを変えて住まいに活かすサステナブルな素材。
やわらかな質感と穏やかな陰影が、空間に静かな奥行きをもたらします。
特徴
珊瑚は微細な空孔を持つ多孔質の素材です。
その構造により、次のような効果があります。
・調湿効果
・防カビ効果
・ホルムアルデヒドの吸着・分解
・消臭効果
湿気の多い夏は湿気を吸収し、乾燥する冬は水分を放出するため、室内の湿度を自然に整えてくれます。
雨の日のじめっとした感じが少なくなり、快適に過ごせるようになりました。
また、以前は翌朝まで残っていた料理のにおいも、気にならなくなったように感じます。
あたたかみのある左官仕事
何よりも私が気に入っているのは、塗り壁ならではの質感と柔らかな色味です。
特にこのサンゴの塗り壁材は、漆喰に比べてかすかな特有のきらめきがあり、光が当たるととても美しく見えます。
仕上げは職人さんによる左官仕事。
手仕事ならではの温かみがあります。
今回は北欧インテリアに似合うよう、できるだけフラットな仕上がりをお願いしました。
ただ、既存のクロスの上から施工していることもあり、コテの線が少し入った、いわゆる**「塗りっぱなし」のような仕上げ**にしていただきました。


天井の仕上げと照明
キッチンでは、もともとのシーリングライトをやめてダウンライトに変更しました。
さらに、1灯だった照明を2灯に分けて配置しています。
天井は既存のシーリングの取付跡を隠すため、少し厚みを持たせてコテで模様をつけたラフ仕上げにしました。
凹凸のある仕上げにすることで、光が当たると陰影が生まれ、とても美しい表情になります。

鉄骨造りの注意点
マンションを想像していただけるとわかりやすいのですが、鉄骨造りの場合は、室内に鉄骨が出っ張っていたりします。
ここは、「出隅」という出っ張った「角」があり要注意です。
仕上げには、きれいに角ばらせるよう角用のコテで押さえていくのですが、フラットな仕上げの場合は、そのあとも目立つ場合があります。
そこで、今回はコテ跡をわざとラインの様につけたデザインにしていただきました。

「サンゴの塗り壁」のメリット・デメリット
メリット
・室内の調湿、防カビ効果
・ホルムアルデヒドの吸着・分解
・消臭効果
・不燃素材
・自然素材ならではの美しい色合い
・帯電性が低く、埃を寄せ付けにくい
・メンテナンス性がよい
デメリット
・クロスに比べると高価
・施工に時間がかかる
・職人さんの腕によって仕上がりに差が出る

リフォームをして改めて感じたのは、壁はただの背景ではないということでした。
光を受け止め、空間の空気を整え、暮らしの心地よさを静かに支えてくれる存在。
サンゴの塗り壁は、そんな役割を自然に果たしてくれる素材だと思います。
昼は自然光をやわらかく受け止め、
夜は灯りによって静かな陰影を生み出す。
そんな壁に囲まれていると、日常の何気ない時間が少し豊かに感じられます。
これから家づくりやリフォームを考えている方にとって、
「壁の素材」と「灯り」の関係や
壁材のひとつの候補として
考えるきっかけになれば嬉しいです。
