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【2025年度】宮城県石巻市内での藻場造成実践レポート

宮城県ブルーカーボンプロジェクトでは、県内沿岸域における藻場の造成・保全や海藻増産に向けた取組を推進し、水産業による二酸化炭素(CO2)の固定・吸収量を「ブルーカーボン」として評価する取組を進めています。
この記事では、石巻市内に設定した2か所のモデル地区で実践されている、藻場の造成活動について紹介します。


モデル地区の取組について

宮城県漁業協同組合の石巻地区支所および網地島支所(石巻市)では、ホソメコンブやアラメを対象に、陸上施設での人工種苗生産や海中における生育試験等を行っています。
この活動を通して、宮城県における藻場造成技術の確立や、藻場が持つブルーカーボン効果の評価を進めていきます。

2025年の採苗(タネ取り)について

2025年の宮城県沿岸の海水温は、7月から9月にかけては昨年と同程度の高水温となりましたが、10月下旬以降はおおむね平年値に近い値で推移しました。このため、秋季の水温低下とともにアラメの成熟が進み、例年どおりの時期に採苗を行うことができました。(石巻地区:10月24日、網地島:11月19日)
なお、石巻地区支所では、2023年までホソメコンブについても同様に自家採苗を行ってきましたが、高水温の影響により親コンブが消失傾向にあるため、昨年から自家採苗を休止し、他地区から購入した種苗を使用しています。

佐須浜(石巻市)の表面水温
成熟したアラメの葉と、種(遊走子)を付着させる基質(コンクリートブロック)を一緒に海水タンクへ入れます。葉から放出された種が、自然と基質に付着するのを待ちます。
基質には様々なものが使われます。糸を巻き付けた採苗器を使用すると、効率的に種(遊走子)を付着させることができます。

陸上での飼育管理について

アラメの種が付着した基質は、速やかに海へ移して自然の力で育てる場合や、小さいうちは陸上で管理育成する場合など、種の管理方法は様々です。本モデル地区では、約3か月間、陸上での飼育管理を行っています。
アラメの幼芽が肉眼で見えるようになるまで、室内の水槽で環境を管理しながら育てます。 定期的にアラメの状態を確認し、水温や光を調整しながら、適宜、栄養塩を添加して成長を促します。

沖出し(海中飼育)について

1月から2月頃になり、アラメの幼芽が肉眼で見えるサイズに育つと、海に移して成長を促すとともに、弱い芽を間引きする「沖出し」を行います。 石巻地区支所では、1月上旬から、アラメが付いたコンクリートブロック等を海中の岩盤に設置したり、海中に張ったロープに吊り下げたりする作業を進めています。

網地島支所は、石巻地区と比べて採苗時期が遅かったため、沖出し作業は3月から順次行っています。近年、海藻を食べるメジナなどの「植食性魚類」による食害が問題になっているため、食害魚の活性が低い時期を見計らって沖出しを行います。

沖出しの時期まで成長したアラメ種苗。(昨年の様子)
2025年は水温が低下したため使用しませんでしたが、2024年は、食害魚対策として「防護柵」を導入しました。

2024年に採苗したアラメ・ホソメコンブはどうなったか

ここまで、2025年のアラメ採苗の取組を紹介しました。最後に、1年前(2024年)に採苗したアラメ種苗や、購入したコンブ種苗のその後の状況について報告します。 順調に生育していれば、1年で生え変わるコンブは次世代の藻場へ更新され、多年生のアラメは立派な母藻に成長しているはずです。
 
コンブについては、春先の2025年5月には一部漁場では芽落ちも見られましたが、前年度同様に立派なコンブ群落を形成しました。近年はモデル地区周辺の海水温が高く推移しているため、次世代の藻場が自然形成されるまでには至っていませんが、引き続きコンブ群落が形成するための手法検証を行っていきます。

アラメについては、海水温が比較的安定したことを反映してか、ここ数年で最も良好な成長を見せてくれました。今後、これらが母藻として種(遊走子)を放出し、周辺にアラメの藻場を形成してくれることを期待しています。

アラメ種苗。R7.6.6撮影@石巻地区 佐須浜
アラメ種苗。R7.12.3撮影@網地島 長渡漁港


R6.4.5撮影
R6.12.19撮影
R7.6.6撮影

ご紹介した藻場造成団体のnoteへのリンク

ご紹介した藻場造成団体のうち、石巻地区支所での活動はISOPとして以下のnoteでより詳しく情報発信されていますのでよろしければご覧ください。

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