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【2024年度】宮城県石巻市内での藻場造成実践レポート

宮城県ブルーカーボンプロジェクトでは、宮城県沿岸域における藻場の造成・保全や海藻増産に向けた取組を推進し、水産業が持つ二酸化炭素(CO2)の固定・吸収量をブルーカーボンとして評価することとしています。
この記事では、石巻市内に設定した2か所のモデル地区で実践されている藻場の造成活動について紹介します。


石巻市内でのモデル地区の取り組みについて

石巻市内に所在する宮城県漁業協同組合石巻地区支所および網地島支所では、ホソメコンブやアラメを陸上施設で人工的に採苗し、種苗として海中に設置することで藻場を造成する取組を行っています。
この取組を通して、宮城県における藻場造成技術の確立や、藻場が持つブルーカーボンの評価を進めていきます。

2024年の採苗(タネ取り)について

2024年は、2017年に始まった黒潮の大蛇行が継続したため、三陸沿岸は例年にない高水温に見舞われました。
そのため、例年は海水温が20℃を下回る9~11月頃に行っていたアラメの採苗時期が後ろにズレ込み、11~12月の実施になりました。
時期こそ遅くなったものの、今年も無事に親のアラメからたくさんの「種」が採れ、コンクリートブロックや種糸などの「基質」に付着させることができました。
アラメのほか、ホソメコンブについても同様に採苗を行う予定でしたが、この年は高水温の影響によって親のコンブが消失したため、採苗することができませんでした。

①成熟した親のアラメの葉と②種(遊走子)を付けたい基質(コンクリートブロック)を一緒に海水のタンクに入れておくことで、葉から放出された種が自然と基質に付着します。
基質は様々なものが使われます。糸を巻き付けた採苗器を使用することで、効率的に種(遊走子)を付着させることができます。

陸上での飼育管理について

種の管理については、すぐに海に出して自然の力で育てる方法のほか、小さいうちは陸上で管理しながら大事に育てるなど、いろいろな方法を試しているところです。
2024年については、コンクリートブロックに付けた種の半分をすぐに海に出しましたが、残りは例年同様、11~12月から翌年1~2月にかけての約3か月間、陸上での飼育管理を行いました。

アラメの幼芽が肉眼で見えるようになるまで、室内の水槽で管理しながら育てました。
定期的にアラメの状態を確認し、水温や光を調整しながら、適宜、栄養塩を添加しました。

海への沖出しについて

1~2月になると、アラメの幼芽が肉眼で見えるようになったため、海に出して成長を促進させながら、弱い芽を間引きする「沖出し」を行いました。
海に出すことで一気に基質に汚れが付くため、アラメが枯れないよう、定期的に掃除しながら育てます。
また、最近は海藻を食べるメジナなどの「植食性魚類」による食害が問題になっているため、今回、自家製の防護柵を囲ってアラメを保護することにしました。

防護柵で魚の食害を遮断しながら、葉長が2~3cmになるまで育てます。

今後の予定

葉長が2~3cmになる4月頃、いよいよ本格的な育苗に移ります。
予定では、種糸を巻き付けたコンクリートブロックを海中に設置し、人工的にアラメ場を作り出します。
その後も設置したブロックを定期的に引き上げて、アラメの生長具合を確認していきます。

2023年に採苗したアラメ・ホソメコンブはどうなったか

ここまで、2024年に採苗したアラメの取組を紹介しましたが、1年前の2023年に採苗した種苗は今どうなっているのでしょうか。
順調に育っていれば、1年で生え変わるコンブは次世代の藻場に更新されているはずですし、多年生のアラメは立派な母藻に成長しているはずです。
 
コンブ種苗については、春先の2024年4月には2mを越える立派なコンブ群落を形成してくれました。近年はモデル地区周辺の海水温が高く推移しているため、次世代の藻場が形成されるまでには至っていませんが、造成したコンブ群落がもたらすブルーカーボン効果などについて、引き続き効果を検証していきます。

アラメについては、残念ながら多くの種苗がシウリガイ(ムラサキイガイ)などの付着物に巻かれて脱落してしまいました。しかし、一部のアラメはたくましく海底で成長しているので、今後、母藻として種を撒き、周辺にアラメの藻場を形成してくれることを期待しています。

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