#281 森保一の日本代表続投はアリかナシか?ナシなら誰が次をやるべきなのか?そもそも日本人監督か外国人監督か?の是非。
【※このブログを読む前に】
この記事の大部分は、森保監督への半年契約の報道が出るより前の時点で書き進めておりました。とはいえ、いずれにしても個人の意見はそこまで変わるものではないので、そのままの形で更新しております。
ブラジル戦は残念な結果に終わりました。
よくいう「世界との距離」は縮まったどころか、今や日本は誰かが言う"世界"の一部になったと思います。それくらいの自信は持ってもいい。
しかしながら、その世界の中にも階層はある。そのトップ層との距離…この部分と差は改めて突きつけられる結果になってしまいました。
それでもこれだけのパフォーマンスを、これだけの魂を見せてくれたこのチームには感謝しかないですし、今言えることとしては……あと1試合だけでもいいから、もっと長く彼らを見ていたかった。それはラウンド16で負けても準々決勝で負けても同じことを言ったと思いますがね。決勝トーナメント1回戦で負けたという事実、それが"ベスト32"として記録されるもどかしさ……。人は「"感動をありがとう"なんて甘い」と言いますが、それでもこのチームには「ありがとう」を叫びたい。それが今の一番素直な感情です。
しかしながら、サッカーもW杯も人一人の人生よりも長く続くもの。4年後にはまた新しいW杯がやってきます。負けた瞬間、何が話題になるか。それは「2030年に出てくる若手選手」と「次の日本代表監督」です。
実際、なんなら日本代表か敗退するラウンド32の前の時点で森保監督の去就ないし、次期監督に関する報道はいくつか出ていました。現時点で具体的な名前が報道で出てきたのは森保監督続投の他、名波浩コーチ及びロサンゼルス五輪監督の大岩剛氏の昇格案、外国人監督ではアンジェ・ポステコグルーとロジャー・シュミットの名前がJFAが会談を持った相手として挙げられていました。
という訳で今回は、森保監督を続投させるべきかどうか、続投しないなら監督は誰であるべきか、そしてそれは日本人監督なのか外国人監督なのかについて書いていきます。
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まず今大会の日本代表って、これ多分日本代表史上初めての現象なんですけど……絶妙に評価に困るんですよね。
これまでの日本代表のW杯は"期待以上"か"期待以下"でめちゃくちゃハッキリ分かれていました。"史上最強"と称されながら散々な結果に終わった2006年と2014年に対し、史上最弱とすら言われた2010年、直前にバタバタしすぎた2018年は明らかに期待以上の結果でしたし、2022年は一般的なくじ運でベスト8に進むより難易度の高いベスト16のような結果になった。そういう意味では「オランダに次ぐ2位突破かつラウンド32でブラジルに敗れる」という状況は、おそらく海外も含めた"世間的な予想"と一致する結果だったと思うんです。これは出場自体がノルマだった1998年、自国開催というアドバンテージで最低限のノルマを果たした2002年を除けば、日本代表への評価で初めて起こっている現象なんですよね。
それゆえに成功か失敗かの評価がハッキリさせられないんですよ、今回。
たとえばラウンド32敗退は前回大会より成績が下がっているのでそう考えると失敗、でもこのラウンド32が前回大会にはなかった概念ゆえに決勝トーナメント1回戦敗退と考えると前回より成績が下がったとはいえない。
じゃあ今回も決勝トーナメント1回戦で勝てなかったから失敗とするべきと言われれば、じゃあ果たしてブラジルとぶつかって破れた事を例えばパラグアイやカナダに敗れたチームと同様に額面的な1回戦敗退としてひとくくりにすべきかどうか…というのは難しいところで、いくら1回戦敗退とはいえブラジルに2-1で敗れた事で全てを無にされるのも酷な話でしょう。
じゃあノルマ通りグループステージを通過したからとりあえず成功?と言われればそもまたちょっと違う。少なくとも今大会の日本は決勝トーナメント進出は明らかにノルマと言えるような力を持つチームとして挑んだW杯だったので、グループステージ突破をもって成功とも言えない。一方で、グループステージ突破はノルマと疑いなく思えるようなチームを作ってきたのは他ならぬ森保監督と現チームな訳で、そこも加味するとより一層ジャッジが難しくなる…と。
個人的な感覚としては…正直、W杯の結果としては成功とは言えない、でも失敗とも言えない、ちょうどその間に落ちるような結果になったなと思っています。
ただその一方で、今大会に向けた長期的なチームビルディングは成功と評価されるべきものだとも思っているんですよね。
「代表のクラブチーム化」として挙げられるような戦術性を求める人が森保ジャパンにあまり好感を持てないのはわかる一方で、森保さんって直訳的な戦術とは違うアプローチ、違う角度でのチームビルディングを試みてるんじゃないのってのは思っていて、その一つの証明がW杯本戦だったとは思うのよね。… pic.twitter.com/9G6Z2zAlR4
— RK-3 (@RK3_gsgb) September 12, 2023
日本代表って世界でも稀に見るレベルで特殊な環境下にいます。
それはカタールW杯やアジアカップ2023が終わった後に書いたブログでも書いたんですが、これは誰が監督になろうがどんな選手が出てこようが、世界のサッカー界に劇的なゲームチェンジでも起こらない限りは変わらない事だと言えるでしょう。
ロシアW杯以前から既にそうなりつつはあったが、個人的な感覚として、ロシアW杯からカタールW杯までの4年半の間に サッカーの複雑化はグッと加速したような気がする。プレミアリーグなんかを見ると顕著だが、その戦術をどこまで突き詰めたものに出来るかは勝敗に大きな影響を与えるようになった。それがよく聞く「再現性」という言葉であり、同じ事を偶発的ではなく再現できるだけの必然性、いわば「10試合戦って9回勝てるチーム」を作る為の戦術論が求められるようになった。その中で叫ばれ始めたのが「代表チームのクラブチーム化」であり、その典型例がドイツでありスペインだった。
(中略)
一方で、じゃあ現実的に今の日本代表でそれが可能なのか?というと、これがかなり厳しい。少なくともクラブチーム的な戦術の浸透はほぼ不可能と言っていいだろう。
ブラジルW杯以降、W杯メンバーに一つの所属チームから日本代表選手を3人送り出しているチームが一つもないという事実が物語る通り、日本代表はどうしても「バラバラに集まり、バラバラに解散する」という事を繰り返さざるを得ない。クラブチーム的な戦術を落とし込むには明らかに時間が足りないし、代表活動毎に期間も空いてしまう。例えば2021年の最終予選初戦のオマーン戦に向けて、日本代表が全員でトレーニング出来たのは試合前日の1日しかなかった。
(中略)
現実問題として、欧州列国と違うのは言わずもがな、サウジアラビアやカタールのようなクラブチーム化も出来ない今の日本代表のチーム造りは、スケジュールや移動面を踏まえて世界各国の中でもトップクラスに難しい。そしてそれならば、戦術的なアプローチよりも社会学的なアプローチの方が合理的だとする考え方は一理あるのかもしれない。
おそらく多くの人はクラブチーム的な戦術性を監督に求め、「じゃあ後任は?」という問いにはクラブチームで良いフットボールを見せている監督の名前を挙げる人が多いと思いますが、昨今のナショナルチームの事情を踏まえると「代表監督」という職業そのものがかなり専門職化していると思うんです。チームとしてはがっちりと固め切らずに余白を作る、その上で選手の知見も織り込みながら、戦術というよりもそれを戦略として実践していく。この辺りは以前に書いたブログで長々と書いたのでそっちを読んでもらいたいのですが、そのやり方は代表チームの運営というクラブチーム的な戦術構築をしにくい環境でのチーム構築・チーム運営の面でなかなか合理的で画期的だったと思います。
その点で私は森保ジャパンとそのアプローチは肯定的に捉えているんですよね。ましてや日本代表選手は他国の代表選手と比べても色んなチームに散らばり、そのチームもアーセナルのようにその国のトップクラスのチームもあれば、ボーフムのように常に残留を争うようなチームもあり、遠藤航のように後者の立場のチームから前者の立場のチームに移籍した選手がいる。育った環境というよりも今いる環境が違うから通常のスタンスが異なる面々がチーム内にいっぱいいる。それをまとめる時に森保ジャパンの4年スパンでのコンセプトは合理的だと思っていますし、常に余白を使いながら、その余白を対戦相手に合わせた戦略として柔軟に使えるようにしておきたい…という考えとスタンスはW杯に於いて明確に日本の強みでした。
結局は代表監督に何を求めるのか?という事だと思うんです。
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