見出し画像

侵略者

「ねぇ〜、ほんっと〇〇くんって面白いよねぇ〜」

そう言いながらあの子の手がまた伸びた。
彼の二の腕にぺたんと貼りつくような仕草。
笑顔。
上目遣い。
声のトーンが私のときよりも半音高いのも私はちゃんと気づいてる。

私は黙って笑ったふりをした。
カップの底に残ったカフェラテをぐるぐるぐるグルグルグルとかき混ぜながら。


昔からそうだった。

男の子が一緒にいると彼女は突然女の子になる。
髪をかき上げる仕草、笑うときに口元を隠す手、絶妙な距離感のボディタッチ。
無意識かのように装うけれど目の奥は計算で光ってる。

彼女は私の彼の下の名前を何度も口にする。

「〇〇くんって優しいよね〜」「〇〇くん頼りがいある〜」「〇〇くんって、こういうとこあるよね〜」


……私の彼なんだけど?

口に出すのは野暮だ。
そんなの言ったら「え〜?気にしすぎだよぉ!」って、またあの笑顔でかわされるのがオチ。


でも、私は知ってる。
あの目は試してる。

「どこまでなら彼女の友達という免罪符で踏み込めるか」を。

私は笑顔で小さなスプーンをくわえた。
でも、心の中ではずっと言ってる。

「その手、どけてくれる?」
「私の彼に触らないでくれる?」
「あなたの行動はただの侵略だよ?」



「ねぇ、あの子のことどう思う?」
帰り道、彼に何気なく聞いてみた。

彼は少し考えてから言った。
「……正直、ちょっと距離近すぎて困るときある」

私はふっと息を吐いた。

「じゃあ、次からは私がその手をはたいてもいい?」

彼は笑って「うん、頼んだ」って言った。


次にまた彼女の手が伸びてきたら

今度こそ笑顔で止めてやろうと思う。
言葉で、行動で、はっきりと。

「ごめん、それ私のだから」って。


終わり


不倫・浮気、独身偽装についての真面目なコラム


Xで呟いています フォローやいいねを待っています👍

Instagramは神奈川、横浜の風景がメイン


調査の無料相談、お見積りはLINE公式アカウントから


公式HP:横浜の探偵ブルーフィールドリサーチ

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集