「僕も入りたい」と言えること。BE:FIRSTとMAZZELの何気ない会話から見えたBMSGの空気
こんにちは。Lily-Kです。
海外向けにBMSGについて発信する英語メディア「BMSG Pulse」を運営しています。
今日は、あるラジオ番組で交わされた、何気ない会話について書いてみたいと思います。
何気ないというか、ずいぶん静かな会話でした。
MAZZELメンバーから2人がDJを務めるNHKのラジオ番組「ミュージックライン」。その日のDJは、RANさんとTAKUTOさん。
さまざまなアーティストをゲストに迎えてトークを展開する番組ですが、その回のゲストは、なんとBMSGの先輩にあたるBE:FIRSTから、JUNONさんとSHUNTOさんでした。
両グループを知っている人なら、この4人の組み合わせ、ちょっと面白く感じたのではないでしょうか。
RANさんは比較的おとなしいタイプ。
TAKUTOさんに至っては「一言も発しない」と冗談で言われることもあるほど静かな方です。もちろん、DJとしてはむしろお上手なのですが。
そしてBE:FIRSTのJUNONさんとSHUNTOさんも、グループの中では特におしゃべりな二人というわけではありません。
このお静かな4人で、ラジオ番組が成立するのだろうか。
ファンの間でも、そんな意味で放送前からちょっとした話題になっていました。
実は私も、この番組を毎回聴いているわけではないのですが、純粋に、
「この4人で、どんな会話になるんだろう?」
と興味を惹かれて、配信を聴きに行きました。
そして、案の定・・・・・・。
気心の知れた4人の会話は、妙な落ち着きがあり、ラジオ番組のDJとゲストというより、友達の家でぼそぼそしゃべっている男子たち・・・・・・みたいな感じでした。
途中RANさん自身も「やりにくいわ~」とこぼし、JUNONさんも「やりにくそうだね、なんか」と苦笑いになる場面も。
静かで、ゆるくて、ちょっと不思議な、
それがかえって面白い放送でした。
そんな会話の途中、BE:FIRSTの新曲「Why Why」の話になりました。
そこで出てきたあるエピソードが、とても面白かったのです。
しかし、その話の内容以上に私が興味深いと感じたのが、それを話す4人の空気感でした。

「ちょっと、入りたいです」
RANさんが、「Why Why」の制作について、BE:FIRSTのお二人にこんな質問をしました。
最初に曲を聴いたときには、もうある程度完成していたのですか?
JUNONさんは、「まだ全然できていなくて、今とは少し違う曲だった。」と返答されたのですが、そこからの制作秘話が大変興味深かったのです。
その段階で曲を聴いたRYUHEIさんが、
「ちょっと、入りたいです」
と言ったのだそうです。
SHUNTOさんが、当時のRYUHEIさんの様子がわかるよう、彼の言葉を再現してくれました。
「これは僕のための曲だ」
「俺ならもっと良くできる」
「俺に任せとけ」
なんと!
もちろん少し面白おかしく再現しているのでしょうが、そんな展開があるんだ!と私は正直大変驚きました。
まだ完成していない曲を聴いて、何か感じるものがあった。
そして、「自分も入りたい」と手を挙げた。
そして、実際に完成した「Why Why」のクレジットを見ると、RYUHEIさんはSKY-HIさんやChaki ZuluさんらとともにComposer(作曲)として名を連ね、Lyricist(作詞)にもSKY-HIさんとRYUHEIさんの名前があります。
14歳でBE:FIRSTメンバーとしてデビューしたRYUHEIさんは現在19歳。大変お若いですが、これまでにもBE:FIRSTの複数の楽曲制作に参加しておられます。
だから、RYUHEIさんが「Why Why」の制作に関わったこと自体が、特別に意外なわけではありません。
でも、そこに至った経緯はとても面白いと思ったのですが、さらに興味深かったのは、その話の「受け止められ方」でした。
誰も特に驚いていなかった
JUNONさんとSHUNTOさんは、RYUHEIさんの自信満々な様子を楽しそうに話していました。
RANさんも「へえ、面白いね」と言いながら、完成した曲を聴くと確かにRYUHEIさんらしさを感じる、歌詞もそうだし、世界観もそうだと話します。
そして、そのまま会話は次へ進んでいきました。
え、ちょっと待って。
と声が出そうになりました。
「まだ完成していない曲を聴いたRYUHEIが、その場で自分も制作に入りたいと言って、で、実際に参加した」
・・・・・・という事実。
そんなことあるの?
と思った私の反応に比べて、4人の反応は驚くほどあっさりしています。
4人にとっては、何かものすごく特別な出来事というより、「この曲はこうやってできたんだよ」という制作過程の一エピソードにすぎないように聞こえました。
「へえ、面白いね」という、知らなかったことを知ったときの反応でしかないのです。
そして、消化しきれない私に畳みかけるように、もう一つ気になる会話が始まります。
「じゃあ、考えてください。踊り」
「Why Why」をラジオで流した後、RANさんが曲の感想を「最高ですね」と締めくくると、TAKUTOさんも思わずこんな一言で同意しました。
「めっちゃ踊りたくなる」
すると、SHUNTOさんがすぐに軽く笑いながら返したのです。
「え、考えてください、踊り」
TAKUTOさんとRANさんは、ほとんど同時に、
「え、考えてください?」
と反応。(私も同時に心の中で「え、考えてください?」ってなりました)
そこへJUNONさんが、またさらりと付け加えます。
「俺らこれ、まだどうするかなんも決まってないんで。パフォーマンス方法」
もちろん、これでTAKUTOさんが実際に「Why Why」の振り付けを担当することになるという話ではありません。
SHUNTOさんも半分冗談だったのかもしれません。
ただ、この言葉がまったく唐突だったわけでもありません。
TAKUTOさんはMAZZELとしてデビューする前からプロのダンサーとして活躍し、現在もMAZZELの複数楽曲で振付を手がけています。
BMSGのダンス選抜チームにも共に選ばれているため、SHUNTOさんもTAKUTOさんの実力をよく知っているはずです。
だからTAKUTOさんが「踊りたくなる」と言った瞬間に、
「じゃあ、考えて」
という言葉が思わず出てきたのでしょう。
こちらもまた、その無防備とも思える気軽さに驚きました。
BE:FIRSTの曲で、まだパフォーマンス方法も決まっていない。
その制作途中の話を、別のグループ、しかも後輩にあたるMAZZELのメンバーと普通にしている。
そして相手にその能力があると知っているから、グループの境界を越えて「じゃあ、やってみて」と言える。
その反応があまりに自然なのです。
誰かが「やりたい」と思ったとき
この会話を聴きながら、私は先日行われたBMSGのビジネスカンファレンスで、SKY-HIさんが話していたことを思い出しました。
BMSGがこれからの5年間で掲げる柱の一つ、「Music First」について、このようなことを話しておられました。
BMSGでは今後、アーティストにさまざまなレッスンや経験の機会を提供していく。

ただ、それは単に「会社がたくさんのレッスンを用意する」という意味ではない、と説明していました。
アーティスト自身が、
「あれがやりたい」
「こういうことに挑戦したい」
と思ったときに、すぐにチャレンジできる「導線」を作っておく。
それが大切なのだ、と。
この話を聞いたとき、私はRYUHEIさんの制作参加の経緯と、SKY-HIさんのこの言葉がどこか重なって見えました。
楽曲制作でも、パフォーマンスでも、例えば音楽以外のことでも、自分にできることがある、やりたいと思ったときに手を挙げられる。
そして、その言葉を周囲も特別なこととして扱わず、普通に受け止める。
そんな環境があること自体を大切ととらえていて、実際にそのような空気がBMSGにはあるのではないかと感じたのです。
「普通」に見えたこと
そもそも私がこのラジオを聴いた理由は、単純な興味でした。
BE:FIRSTとMAZZELから、よりによっておとなしいメンバーが2人ずつ集まったら、一体どんなラジオになるんだろう。
ただ、それが気になっただけです。
実際に聴いてみると、予想通り、静かでゆるい会話が続いていました。
でも、その何気ない会話の中に、一つの楽曲がどうやって作られていったのかを垣間見るエピソードがありました。
そして聴き終わったとき、私が特に興味深いと思ったのは、RYUHEIさんが「入りたい」と言ったことそのものよりも、その話がその場にいた人たちにとって、特に驚嘆すべきことではないように聞こえたことでした。
文化というものは、何か特別なものとして大きく掲げられていることよりも、そこにいる人たちが「わざわざ説明するほどでもない」と思っていることの中に、よく表れるのかもしれません。
まだ完成していない曲を聴いて、「自分も入りたい」と言う。
それを聞いた周囲も、ごく自然なこととして受け止める。
今回のラジオで交わされた何気ない会話は、BMSGが掲げる「Music First」が実際にはどんな空気なのか、その一端を見せてくれたような気がしました。
Written by Lily-K | BMSG Pulse
※今回のテーマの英語記事はこちら
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