100万円予算オーバー! さぁ、どうする?
「何を削るか」ではなく、「何を見直すか」を考えます。
「100万円予算オーバーです。」
家づくりでは珍しい話ではありません。アルアルですよね
この一言で、ご夫婦の表情が曇る場面を私は何度も見てきました。
そして、多くの方が最初に考えるのは、
「キッチンのグレードを下げよう。」
「家具はあとで買おう。」
「照明を減らそう。」
ということです。
でも私は、最初にそんな提案はしません。(いや、したくないんです)
考えるべきなのは、
「何を削るか」ではなく、
「何を見直せるか」。
その順番で、住み始めてからの満足度は大きく変わります。
予算オーバーは失敗ではありません
予算オーバーになる理由は様々です。
・ショールームで気に入った設備が見つかった
・SNSで理想の家を見つけた
・営業担当から新しい提案を受けた
・家族で話し合ううちに希望が増えた
多いのが1番目と最後の理由
どれも家づくりでは自然なことです。
問題なのは、
「どこから見直せばいいか分からない」
ことです。
① 間取りを見直す
最初に確認するのは間取りです。
ただし、
「部屋を小さくする」
「収納を減らす」
という話ではありません。
例えばよく提案されるのが、
「クローゼットの折れ戸をなくしましょう。」
という方法です。
一見すると建具が減るので予算も下がりそうですが、
実際はそうとは限りません。
ハウスメーカーでは、
「30坪・4LDKなら建具○枚まで標準仕様」
というように、本体価格の中に建具の数量が含まれているケースがあります。
この場合、
折れ戸をなくしても減額にはなりません。
つまり、
「減らした=安くなる」
ではないのです。
だから私は、
・標準仕様なのか
・オプションなのか
・本当に減額対象になるのか
ここを必ず確認します。
② オプションを見直す
次に確認するのはオプションです。
ここは予算を調整しやすい部分でもあります。
例えば、
・キッチンの追加機能
・自動水栓
・浴室のオプション
・トイレの仕様変更
・室内建具のデザイン変更
など。
ただし、
「高いからやめる」
という考え方ではありません。
実はここにも落とし穴があります。
ハウスメーカーには、
「標準仕様」
と呼ばれる独自の仕様があります。
そのため、
オプションを外したことで標準仕様では対応できなくなり、
別仕様へ変更となって、
かえって金額が上がる
ケースもあります。
だから仕様変更を考える前に、
資金計画を管理している営業担当へ確認してください。
・ここは標準仕様ですか?
・減額対象になりますか?
・別仕様になって追加費用は発生しませんか?
この3つを確認するだけでも、
無駄な出費を防げます。
③ 将来できる工事と、今しかできない工事を分けて考える
予算を調整するとき、
私が必ずお伝えすることがあります。
それは、
「将来でもできる工事なのか。」
「建築中しかできない工事なのか。」
を分けて考えることです。
例えば、
・下地補強
・配線・配管の先行工事
・間接照明の仕込み
・壁の中の配管経路
・将来の設備交換を想定した準備
こうした工事は、
完成後に行うと、
壁や天井を壊す大掛かりなリフォームになることがあります。
もし、
10年以内に行う予定があるなら、
建築時に準備だけしておく。
これは十分検討する価値があります。
家づくりには「つなぐ人」が必要です
設計士は建物を設計します。
営業は商品を提案し、予算を管理します。
インテリアコーディネーターは家具や照明、色や素材を提案します。
それぞれ専門性があり、
どれも欠かせない存在です。
でも、
家づくりは、
間取り
家具配置
照明
収納
設備
予算
すべてがつながっています。
一つだけ見ても、
本当に満足できる答えにはたどり着きません。
だから私は、
家づくりには
「つなぐ人」
が必要だと思っています。
最後に
100万円予算オーバー。
それは決して失敗ではありません。
本当に大切なのは、
何を削るかではなく、
何を守るか。
そして、
どこから見直すか。
予算配分は、
金額を減らすことではありません。
暮らしの満足度をできるだけ落とさず、限られた予算を最適に使うこと。
それが、
30年間家づくりに携わってきた私がたどり着いた答えです。
次回は、実際に100万円をどう調整したのか、実例を紹介します。

