法廷で見た、信用が崩れていく瞬間。
先日、地方裁判所で不同意性交等致傷罪事件の裁判を傍聴してきました。
事件は、バーで一緒に酒を飲んでいた女性に睡眠薬を混ぜた酒を飲ませ、拒絶できない状態になった後、ホテルへ移動し、ホテルの駐車場でキスなどのわいせつ行為をしたうえ、女性にけがを負わせたとして起訴されているというものです。
法廷では、数百万円の示談が成立していることや、被告人が高収入の仕事に就いていたことなども明らかになりました。
ただ、私が一番印象に残ったのは、被告人の証言でした。
最初は「そういう主張なんだな」と聞いていましたが、裁判長や検察官から質問が重なるにつれて、少しずつ話の辻褄が合わなくなっていきます。
「さっきと言ってること違わない?」
「その設定、今追加された?」
そんなことを思いながら聞いていると、法廷の空気も徐々に変わっていきました。
そして裁判長から矛盾点を厳しく指摘されると、被告人はこう話しました。
「自分を守るために発言してしまいました。」
……いや、それ、自分を守るどころか、自分で信用を失いにいってない?
思わず心の中でツッコんでしまいました。
裁判では、自分を守ろうとして話を変えれば変えるほど、かえって信用を失います。
まるで、減刑をお願いしに来たのに、自分で加点ならぬ”減点”を積み重ねているような展開でした。
その後、被告人は最後に「反省しています。チャンスをください」と涙ながらに訴えていました。
もちろん、更生の機会は大切だと思います。
ただ、裁判で見られるのは「反省しています」という言葉だけではなく、その言葉を信用できるかどうかです。
今回の裁判を傍聴して改めて感じたのは、お金や肩書きがあっても、信用を失うのは一瞬だということ。
そして、一度失った信用を取り戻すのは、とても難しいということでした。
もし皆さんが裁判官だったら、この法廷でのやり取りを見て、「反省しています。チャンスをください」という言葉を信じられますか?
傍聴席からは以上です。
