教室に入った瞬間に感じるもの
「人は見た目が9割」
そんな言葉を聞くことがあります。
実際に「見た目」や「第一印象」は、それほどその人を表しているのかという点について、教育委員会で学校訪問で感じたことを書いてみます。
私は年間50校弱の学校を訪問します。
それ以外にも、年間10〜20回ほどの研修や協議会に参加したり、自分自身が運営したりする機会があります。
この3年半ほどで、本当に多くの先生方と出会いました。
その中で、
「この先生は力があるんだろうな。」
「この先生の話をもう少し聞いてみたいな。」
と感じる先生がいます。
姿勢。
表情。
話すときの目線。
声の大きさやトーン。
相手の話を聞くときの姿。
そして、身だしなみ。
それらをひっくるめて表現するなら、「清潔感」や「落ち着き」という言葉になるのかもしれません。
これは、授業を見せていただくときにも感じます。
教室に入った瞬間、
「このクラス、落ち着いているな。」
と感じることがあります。
反対に、
「少ししんどさを抱えているクラスなのかな。」
と感じることもあります。
まだ授業は始まっていません。
先生の説明も聞いていません。
それでも、なんとなく伝わってくる。
子どもたちの座り方。
先生を見る目。
友達との距離感。
机の上や教室の様子。
教師の立ち位置。
教師が子どもに声をかけたときの反応。
そして何より、教室全体に流れている空気です。
第一印象として表れているものは、もしかすると、その瞬間だけ取り繕える「見た目」ではなく、それまで積み重ねてきた日常なのではないでしょうか。
普段から子どもの話を丁寧に聞いている。
子どもを一人の人間として尊重している。
授業の準備をしている。
感情的にならず、落ち着いて対応している。
一人一人の様子をよく見ている。
そんな日々の積み重ねが、教師の表情や立ち居振る舞い、そして子どもたちとの関係性に表れている。
だから、初めて教室に入った私たちにも「何となく」伝わってくるのかもしれません。
逆に考えれば、第一印象を良くするために、見た目だけを整えればよいという話でもありません。
姿勢や表情、話し方を意識することはもちろん大切です。
でも、その奥にあるものは、日々の仕事への向き合い方や、人との接し方なのだと思います。
そして、これは教師だけの話ではありません。
私自身も学校を訪問するときには、「教育委員会の人」として見られています。
自分では普通にしているつもりでも、
どんな表情で教室に入っているのか。
先生の話をどんな姿勢で聞いているのか。
どんな言葉で質問しているのか。
そうしたものから、相手は私という人間を感じ取っているはずです。
そう考えると、少し怖くもなります。
人の立ち居振る舞いには、その人の日常がにじみ出る。
そして教室にもまた、教師と子どもたちがそれまで積み重ねてきた日常がにじみ出る。
第一印象とは、単なる「見た目」ではなく、その人が日々どう生き、どう人と接しているかが、ほんの一瞬だけ外側に現れたものなのかもしれません。
