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「日本破綻」とは何なのか? | 私たちは"何"に備えればいいのか?

◾️日本円リスクの構造|為替・制度・地政学から読む資産防衛:

「日本円は安全」という前提を構造から見直すシリーズです。

本マガジンでは、為替・税制・地政学・国家制度という4つの軸から、日本円資産に集中することのリスクを整理します。

資産防衛における健全な判断基準(具体的な選択肢)の提示が目的です。




◾️はじめに

「2026年、日本破綻の日がやってくる」「日本は破綻へ一直線」

このような言説を目耳にしたことがあるかもしれません。

ただ、そもそも「日本が破綻」すれば具体的に何が起きるか?肝心な部分はボヤかされているように思います。

食糧危機 → 備蓄、家庭菜園 → 自給自足、配給制、憲法改正、緊急事態条項

など、刺激的な文句が並べど、論理的につながってないじゃないかと思う人もいるかもしれません。

そもそも、そんなに「危険な状態」なら動画を配信している場合ではないのでは?と考えてしまうのは著者だけでしょうか。


この記事の目的は、シンプルです。

不安、恐怖、焦りの要因を排除して冷静な意思決定の素材を提供すること。

そのために、「日本破綻」という正体不明な幽霊言葉をバラバラに解体し、構造として理解し、健全な意思決定ができる心理状態にすることです。


◾️第1節:「日本破綻」の定義は存在しない

「日本破綻」「日本が破綻する」という言葉には、国際法上も経済学上も、明確な定義が存在しません。

企業の破綻(倒産)とは、負債が資産を上回り、弁済不能になり、裁判所が関与するという法的定義とプロセスが明確に存在します。

しかし、日本破綻とは「日本 + 破綻」という既存の言葉を組み合わせた曖昧語です。

意味ありげで、感情的な刺激が強く、ネガティブな連想を喚起しやすい言葉なので、意図があって使われる広告コピーと捉えるべきでしょう。

他にも「老後崩壊」「年金消滅」「日本終わり」など、何やらそれっぽく聞こえても定義を求めた瞬間に崩壊する曖昧語は多数あるのです。

そして、私たちの認識→思考→判断→意思決定プロセスは、これらの曖昧語によって支配管理されているとも言えるでしょう。

では、そもそも日本という国家は「破綻」するのか?

国家は倒産も消滅しません。

しかし、深刻な経済危機に陥ることはあります。

深刻な経済危機には、3つの類型があります。


◾️第2節:国家に起こり得る経済危機の3類型

① ソブリンデフォルト(債務不履行)

国家が国債の元本・利子の支払いを履行できなくなる状態。アルゼンチンやスリランカが該当。


② ハイパーインフレ

通貨の過剰発行などにより、物価が急激かつ持続的に上昇し、通貨の実質価値が崩壊する状態。ワイマール共和国ドイツ(1923年)、ジンバブエ(2000年代)が代表例。


③ 通貨危機

為替レートの急落と資本逃避が同時に起き、通貨の対外価値が急速に失われる状態。1997年のタイバーツ暴落から始まったアジア通貨危機が典型例。


◾️第3節:「日本はデフォルトしにくい」は本当か?

日本は、構造上ではソブリンデフォルト(債務不履行)を起こしにくいとされています。

理由は、日本国債は円建てであり、円の発行権は日銀にあるからです。

ただ、1998年4月1日に施行された新日銀法(改正日本銀行法)によって、日銀は日本政府からの独立性を法的に確立しています。

政府は日銀に「円を刷れ」と命令することは出来ず、日銀にも「日本政府の政策を支える法的義務」はありません。

政策強調も形式上の話であって、日銀プロパーの人間が政策を実質的に動かしており日本政府と日銀は事実上分離していると著者は見ています。

そのため、構造上はデフォルトを起こしにくいと言われても、額面通り受け取れないと思う次第です。


話が脱線しそうなので、戻しましょう。

アルゼンチンがデフォルトした理由は、ドル建て債務だったからです。

外貨(ドル)が枯渇すれば債務の返済ができません。

スリランカも同じく、外貨建て債務が問題でした。

しかし、日本の構造上はMMT理論などで言われる「円をドシドシ刷りまくればデフォルトしない」「自国通貨建て債務の日本はデフォルトしない」という帰結が存在します。

しかし、デフォルトしなくても円の価値は確実に毀損されます。

つまり、ハイパーインフレという大きな代償を払うことになります。

となると、日本のリスクはデフォルトではなく、デフォルト回避の過程で発生する通貨価値の崩壊です。

「日本破綻」という言葉を借りるなら、日本円の価値毀損 → 強度のインフレが最もリアルなシナリオの正体ではないでしょうか。

◾️第4節:スリランカ・アルゼンチンは無法地帯になったか?

「日本破綻」「最悪のシナリオ」

これらの恐るべきコピーを目の前に出させると、日本が「北斗の拳」状態になって大変なことになるとイメージする人もいるようです。

真剣に格闘技を習い始めたり、武器まで備蓄する人が出たなどの話を聞くと"コピーライティング"の力こそ恐ろしいと感じてしまいます。

ここで、相対化のため、デフォルトした国の現実を確認しましょう。


・アルゼンチン:

複数回デフォルトを経験。

アルゼンチンは近代以降、先進国(農業・畜産業国)から途上国に転落した唯一の国家として経済学の教科書に登場します。

そのアルゼンチンでさえ、国家は消滅していません。

経済状況は苦しくても国家は存続し、社会は機能しています。

サッカーW杯に出場して、優勝もしていますし、貧困率は上昇しましたが国民全員が餓死したわけではありません。


・スリランカ:

2022年にデフォルトを宣言。

停電が続き、物価が高騰し、政治的混乱が起きました。

しかし社会秩序は維持され、法制度は機能し、2023年以降は回復軌道に入り、2024年8月に著者はスリランカを訪れており夜道を一人で歩いていましたが「北斗の拳」とは程遠い世界でした。


・ジンバブエ

ハイパーインフレによって、自国通貨が事実上消滅しました。

解決策は米ドルへの移行(ドル化)で、国家も消滅していません。


いずれの国家も、北斗の拳のような修羅の世界でのサバイバルと呼ぶには相当無理があるのではないでしょうか?

「全国民が餓死」「無法地帯化によるヒャッハー状態」は起きていません。

◾️第5節:日本でリアルに起き得ることは?

・経済

最も現実的なシナリオは、スタグフレーション(インフレと景気後退の同時発生)でしょう。

円の対外価値が下落し、輸入物価が上昇し、実質賃金も低下。

国債金利の上昇が財政を圧迫し、利払い費が膨張。

円安・物価上昇・実質賃金低下が同時進行すれば

・企業: コスト増大→収益悪化→返済困難
・個人: 実質賃金低下→可処分所得減少→ローン返済困難

当たり前に、こうなります。

返済を回収できなければ銀行の不良債権が増大して、貸し出し能力が低下して、資金調達できない企業は倒産します。

失業者が増え、さらに個人の返済が滞る負のスパイラルになります。


1990年代のバブル崩壊時の長銀の不良債権問題は、会計ルール変更によって 「今まで問題なかった債権」が突然、不良債権に分類されました。

この制度上の不良債権リアルガチの不良債権では深刻さのレベルが根本的に違います。

ルール変更で生まれた不良債権は、ルールを戻せば消えますが、本当に返済不可能な不良債権は、制度変更をしても消えません。

つまり、本当にマズい不良債権問題が令和の日本では起こり得るのです。

激烈な崩壊ではなく、国民全体の生活水準(グレード)が持続的に低下していくというのは論理的に考えれば、当然の帰結となります。

気づいた時には進行し、生活水準が静かに下がっていくプロセスこそが"マジでヤバイ"のです。


・金融インフラ

銀行のATMや決済システムは基本的に機能し続けるでしょう。

しかし、言うまでもなく円預金の実質価値はインフレにより毀損されます。

たとえば、1946年には新円切替(預金封鎖)がありました。

政府が国民の預金を実質的に制限した出来事ですが、この可能性も決してゼロではありません。

1945年の終戦直後の超強度のインフレと構造的に同じ条件が揃えば、同じ手段が取られ得ると考えられます。

当時の大蔵大臣は、渋沢 栄一氏の孫である渋沢敬三氏でしたが、現代の紙幣に渋沢栄一氏が採用されているのを見ると「どうも気味が悪い」と評する人もいるほどです。

今はまだ「円の価値が下がり続けるよ」と言われても、鼻で笑う人の方が圧倒的に多いでしょう。

しかし、日本の金融・経済面で起こり得るシナリオを見れば「資産の円依存からの分散」が必要なのは、火を見るより明らかでしょう。

さすがに、日本でハイパーインフレは現実的でなくても、日本円という通貨価値の崩壊は静かに、じわじわと進行し、気づいた時には手遅れになるすい臓ガンのようなヤバさを孕んでいることは再認識すべきでしょう。


-円安の進行(現在進行形)
 ↓
-輸入物価の上昇
 ↓
-実質賃金の低下
 ↓
-預金の実質価値の毀損
 ↓
-いつの間にか資産半減


このように、劇的な「破綻の瞬間」は来ません。

前述したように、円の実質価値の毀損・崩壊は、膵臓癌に似ています。

初期症状はほぼないが、気づいたときには、対処できる段階を静かに過ぎており、対策が遅れる。

これが、サイレントキラーのような"やばいリスクの性質"ではないでしょうか?


・国防

自衛隊・在日米軍の機能は、経済危機程度では維持されるでしょう。

ただ、経済的混乱が社会不安を生み、近年のトクリュウ型犯罪が激化し、治安の悪化につながるプロセスは確実に存在します。


・裁判所・検察・警察

治安の番人である国家機能の維持は、公務員への給与支払いが大前提です。

もし、警察官や裁判官に給料が払えなければ?

-円の価値が崩壊
 ↓
-公務員の実質賃金が消滅
 ↓
-離職・職務放棄したくなる
 ↓
-国家機能の形骸化

末恐ろしい状況であり、まさに北斗の拳に直結する状況です。

しかし、歴史的に見ると、ワイマール共和国のハイパーインフレ期でも、裁判所・警察は腐敗しながらも機能していました。

数年〜10年ほどで「北斗の拳」になるシナリオは、日本をも巻き込んだ核戦争やら暴力を伴う内政革命でも起きなければ考えにくいかもしれません。

中には、この「北斗の拳」に備えて缶詰の備蓄や畑を守るために武装している方もいるかもしれませんが、デフォルトやインフレなど経済事象と混同して考えるべきではないと思います。

その前に、自分の資産が円依存になってないかを確認する方が、はるかに現実的な対策だと思うのです。


・食生活

日本の食料自給率はカロリーベースで約38%と言われています。

もちろん、輸入が制約されれば食料価格は上がります。

ただし「全員が直ちに餓死」「昆虫を食べるしかなくなる」という状況ではなく、食料の高騰による食生活のグレードダウンや大変化が起きると考えるのが現実的ではないでしょうか。

そもそも、これはエネルギー・食料安全保障という別の構造問題です。

また、食料自給率38%も、個人的には信用していません。

この統計は、農協の規格外として流通しない作物、農家の自家消費、無農薬・有機栽培など独自流通の食料を算入していないはずです。(詳しい方がいたらもっと勉強したいです)

なので、実態の国内食料供給量は、統計の数字よりも驚くほど多くなるのではないかと著者は考えています。

「日本の食料自給率38%=日本人の半数以上は餓死」という論理は、統計のミスリードを前提にした"煽りコピー"だと著者は捉えています。


・住環境

日本のエネルギー自給率12%という構造を見ると、輸入制約が起きることで光熱費の高騰による影響は住環境を直撃するでしょう。


◾️第6節:私たちは"何"に備えるべきか?

日本で起こり得る"最悪のシナリオ"は北斗の拳ではありません。

・すい臓癌のようにジワジワ進行する円の実質価値の毀損・崩壊

・スタグフレーションによる生活グレードの持続的低下です。

「円の実質価値の毀損・崩壊」「預金封鎖の再来可能性」は日本でリアルに起こり得る"本当にヤバいこと"であるのは間違いありません。

つまり、私たちは「資産を円だけに集中させない」という備えに対して真っ先に取り組むべきというのが論理的な帰結です。

円預金だけに資産を集中するということは、日本の財政・金融リスクを100%引き受けることを意味します。

このリスクを構造的に分散しなければいけないということです。

その基本中の基本が、海外の金融インフラへのアクセス権を持つことです。

その資産防衛の一選択肢として、私たちは「ジョージアの銀行口座」を提示しているということです。


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まずは、無料相談から始められます。

ご自身の状況に適した資産防衛に機能する健全な意思決定のサポートをさせて頂きます。

構造を理解した公平な状態で判断してください。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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