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静の温度

夜だった。

浴衣の袖が、少しだけ揺れる。
風でもなく、触れたわけでもないのに。

隣にいるだけで、
距離の測り方が分からなくなる。

近いのか、遠いのか。
踏み込んでいいのか、まだなのか。

言葉にすれば、壊れそうで。
何も言わなければ、続きそうで。

ただ――

呼吸だけが、少し重なる。

視線が合う。
逸らさない。

その一瞬だけ、
時間が止まる。

触れていない。
でも、確かに“そこ”にある。

名前もついていない感情が、
静かに満ちていく。

――ねぇ。

その先を、知ってる?

答えはない。
まだ、いらない。

ただ、このまま。

終わらない手前で、
止まっている。

それだけで、いい。


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制作・著作 しずね魅羅&きぃえぁ(協力者)

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