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英語の基礎をつくる#20

問題集は「解く」より「やり切る」ことが大切

本屋に行くと、英語の問題集は数多く並んでいる。

文法問題集、単語帳、長文問題集、入試対策問題集。基礎向け、応用向け、厚いもの、薄いもの。選択肢はたくさんある。

しかし、英語の基礎をつくるという視点で考えたとき、本当に大切なのは「どの問題集を選ぶか」だけではないと思う。

むしろ大切なのは、その問題集を最後までやり切れるかどうかである。

問題数は多ければいいのか

問題集を作る側からすると、できるだけ多くの問題を入れたくなる。

これも覚えてほしい。
この表現も確認してほしい。
応用問題も必要だ。

そう考えると、問題集はどんどん厚くなる。

しかし、学習者にとって大切なのは、問題の量ではない。

途中で終わってしまう100問より、最後まで終える30問の方が価値がある場合が多い。

英語は、一度で完全に理解する教科ではない。

何度も出会うことで、少しずつ知識が整理されていく教科である。

英語は数学とは少し違う

数学は、積み上げの教科である。

前の単元が分からなければ、次の単元で困ることが多い。だから、類題を繰り返して解法を身につけることが重要になる。

しかし、英語の積み上げは少し違う。

もちろん基礎知識は必要である。しかし、一つの文法事項が完全でなければ先へ進めないわけではない。

例えば、三単現のsを忘れたとしても、英文の意味が全く分からなくなるわけではない。

問題を解く中で、

「ここでは動詞の形が変わるのか」
「この場合はこの表現を使うのか」

と、ばらばらだった知識が整理されていく。

英語の問題は、できるかどうかを判定するためだけではなく、知識を整理するためにある。

類題を大量に解く必要はあるのか

数学では、同じ考え方を使う類題演習が重要である。

しかし、英語では同じパターンを大量に繰り返す必要性は、それほど高くない。

大切なのは、

同じ形を何十回も解くことではなく、
違う場面で同じ知識に出会うこと。

肯定文、否定文、疑問文。
主語の変化。
時制の変化。

一つの文法の特徴が見える問題を選ぶことが大切になる。

これからの問題集は「作る」より「削る」

生成AIを使えば、英語の問題は簡単に大量に作れる時代になった。

しかし、教育で本当に必要なのは、問題を増やすことではない。

何を残し、何を削るか。

そこに教師の経験と知識が必要になる。

この問題は本当に必要なのか。
似た問題が重複していないか。
今の生徒に必要なのか。

問題を編集する力こそ、これからの教師に求められる力ではないだろうか。

個別最適化とは、問題を増やすことではない

AIによる個別最適化という言葉をよく聞く。

確かにAIは、間違えた問題の類題を大量に作ることができる。

しかし、英語ではそれだけでは十分ではない。

必要なのは、

「なぜ間違えたのか」
「何を今やるべきなのか」
「何をやらなくてもいいのか」

を判断することである。

苦手な生徒ほど、必要なのは問題を増やすことではなく、削ることである。

伴走者の役割

だからこそ、これからの学習支援では伴走者の存在が重要になる。

生徒一人一人が違う課題に取り組む。

そして教師は、

「ここはもう少し練習しよう」
「これは今はやらなくていい」
「まずここを完成させよう」

と助言する。

中心にあるのは教師ではなく、生徒自身の学びである。

自分で進む。
しかし、迷ったときには支えてくれる人がいる。

それが、自走する学習者を育てる学び方なのだと思う。

英語の基礎をつくるために必要なのは、たくさんの問題をこなすことではない。

自分に必要な問題を選び、それを最後までやり切ること。

英語では、「問題集をやる」よりも「問題集をやり切る」ことの方が大切なのだと思う。

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