【UTAKO恋愛実録 #2-3「会いたかった」が言えなかった夜】
UTAKO恋愛実録 #2-3
「会いたかった」が言えなかった夜
⚠️物語はノンフィクションですが、使用している名前や場所は全てフィクションです。
深夜0時過ぎ。
部屋の明かりを消したあとも、
なかなか眠れない夜があった。
窓の外では、
遠くを走る車の音だけが聞こえる。
机の上にはPHS。

暗い部屋の中で、
小さなランプだけが光っていた。
別に連絡を待っているわけじゃない。
そう思っていた。
でも。
気付けば何度も視線を向けていた。
あの頃。
私と西住くんは、
頻繁に連絡を取るようになっていた。
付き合っていたわけじゃない。
約束があったわけでもない。
でも。
気付けば彼は、
私の日常の中にいた。
そんな頃だった。
学校で、悪い噂のある同級生の女の子に絡まれるようになった。
理由はわからなかった。
私は何かした覚えもない。
だから気にしなかった。
怖くなかったと言えば嘘になる。
でも。
逃げたくはなかった。
ある日の夜。
PHSが鳴った。

詩子:もしもし?
西住:お前、学校でいじめられてんの?
詩子:は?いじめられてるわけないじゃん。
西住:もしいじめられてるなら、俺が出てやってもいいぜ?
詩子:え?何様?私1人で解決できるからお気にせずに。
西住:お前、可愛くねぇな。でもそういうところ嫌いじゃないぜ。
詩子:それはありがとう。
電話を切ったあと。
少しだけ笑った。
守ってほしかったわけじゃない。
でも。
気にかけてもらえたことが嬉しかった。
その頃は、
そんな会話をよくしていた。
次第に学校で絡まれることもなくなった。
西住くんの仕業だろう。
ある土曜日の夕方。
まりあと一緒にいるときに
PHSが鳴った。

詩子:もしもし?
西住:お前今日何してる?
詩子:別に何もないけど。
西住:もしかしたらそっち行くかも?
詩子:かも?
西住:まだわかんねーから、後でまた電話する。
詩子:うん。
電話は切れた。
私は待つつもりなんてなかった。
本当に。
待つつもりなんてなかった。
なのに。
夕方が夜になっても。
テレビを見ていても。
まりあと話していても。
どこかでPHSの音を待っていた。

結局。
電話は来なかった。
何も約束されていない。
期待したのは私だ。
そう思った。
でも。
胸の奥が少し痛かった。
翌日。
私は彼に電話をかけた。

西住:はい。
詩子:西住くん昨日待ってたのに。
西住:は?わかんねーって言ったじゃん。
詩子:あんな言い方されたら期待するよ。
わかんないのに電話なんかしてこないでよ。
西住:は?お前自分が何言ってるかわかってる?
それは、お前が勝手に勘違いしただけだろ。
めんどくせーからもう電話しねーわ。
ブチッ。
通話は切れた。

私はしばらく動けなかった。
会いたかった。
その一言が言えなかった。
言えなかった代わりに。
責めた。
怒った。
拗ねた。
本当はただ。
少し寂しかっただけなのに。

まりあに慰められながら、
もう好きでいるのをやめようかと思った。
こんなに苦しいなら。
期待してしまうなら。
離れた方が楽なのかもしれない。
そんなことを考えていた。
翌日。
PHSが鳴った。

詩子:もしもし?
西住:おー。
詩子:どうしたの?
西住:どうしたのじゃねーよ。心配してかけてやってんのに。
詩子:そっか。
西住:昨日は言い過ぎたわ。悪かったな。
詩子:西住くんでも謝ったりするんだ。
西住:俺は割と素直だからな。お前と違って。
詩子:誰のせいだと思ってんの?
西住:そういうとこよ!もう少しは甘えたほうがいいと思うよ?
詩子:うん、わかってる。
西住:まぁ、俺は別にいいけど。
電話を切ったあと。
安心した。
本当に。
でも。
その安心は、
次の不安を連れてくることも知っていた。
私は本当に彼が好きだったのだろうか。
それとも。
安心が欲しかっただけなのだろうか。
私は彼を見ていたのだろうか。
それとも。
彼の言葉で満たされる自分を見ていたのだろうか。
会いたい。
寂しい。
不安だ。
そんな簡単な言葉ほど、
なぜか言えないことがある。
強く見られたい。
迷惑をかけたくない。
嫌われたくない。
そう思うほど、
人は本音から遠ざかっていく。
そして。
本当は助けてほしいのに、
平気なふりをしてしまう。
本当は寂しいのに、
怒ってしまう。
本当は会いたいのに、
突き放してしまう。
人は時々、
好きな人を失うことよりも、
期待してしまった自分を責める。
期待したから苦しい。
信じたから傷つく。
そう思う。
でも。
期待してしまったのは、
それだけ大切だったからだ。
恋愛は、
相手を知る旅のようでいて。
本当は、
自分でも知らなかった弱さを知る旅なのかもしれない。

あの夜。
私は西住くんに会いたかった。
たぶん本当に。

でもそれ以上に。
「会いたい」と言える自分になりたかったのだと思う。
END

1話2話はこちらから💁♀️
恋愛実録シーズン1はこちら💁♀️

あとがき
UTAKOです☺️
ゼーハーゼーハー😵💫💦
シーズン1の恋愛実録は書いてて楽しかったのに、こちらはちょっと疲れる〜😵💫
当時、私自身の感情がジェットコースター🎢だったので、心拍数上がり気味です🫢w
あっ血圧は高くないのでご心配なく🤭→別に心配してない❓w
それでも書きたいと思うのは、きっとUTAKOがドMだからなのでしょう😌w
同じように読んでて、疲れさせちゃってる方いたらごめんなさーい😅
懲りずに次も読んでねー🥹💓
コングラ記念🏆✨


