見出し画像

アン・シャーリーが終わりました

半年間、娘と毎週楽しみに観てきました「アン・シャーリー」が無事に終わりました。予想通り、原作3巻「アンの愛情」の終わり、アンとギルバートが婚約するシーンで終了となりました。

この先のアニメでの放送も期待したいところですが、個人的にはここで終わりでも良いかなと思っています。ここからはアンは高校の校長先生として働き、ギルバートは医科大学への入学を果たし勉学に励むので、3年間離れ離れの生活となります。アンとギルバートが無事結婚するところまでアニメで見たい気もしますが、続きは本を読もうと思います。

やはりこのアニメのメインターゲットは子どもたちだと思うので、子どもたちに一番見せたい、読ませたいと思えるところ、クライマックスはギルバートとの婚約までかなと思います。ここで終わりの方が区切りがいい気がします。

アンがマリラ、マシューと実の親子のような信頼関係を育み、ダイアナという腹心の友と出会い、ギルバートと最悪の出会いをします。勉強や、遊び、物語を作る会など、アンは日々の学びや出来事に一生懸命取り組み、優秀な成績を収め、教員養成校へ行き教師になります。更に教員生活を経て、大学まで進学し、文学で優秀な成績も収め、本当の愛情に気づくという物語。

アンの子ども時代から青年期までの期間、成長して大人の女性へ向かう中で、アンの姿を通して、アンと同じくらいの年頃の子どもたちなら誰でも直面するような悩みや葛藤も垣間見えました。友との永遠の別れや親友の結婚、自身の恋にと、一つの時代を終えて大人へと成長していく姿に共感失くして読むことなどできないでしょう。永遠の名作です。

でも一つだけ私は腑に落ちないところがあります。
ロイ・ガードナーという人物が登場しましたが、私は最初からこの人物が好きになれなかったのです。ギルバートからアンを奪っていく存在だったから嫌だったかというとそういう訳ではないのですが、彼がアンに書くロマンティックな恋文にも何となくしらけてしまったのです。

それは私がもうおばさんになりすぎたからかもしれません。
若い頃に初めて読んだときはどう思ったかしら。最初から私はギルバートが大好きだったので、やっぱり同じように好きにはならなかったと思います。

ロイはアンにとって、ずっと想像していた、まさに理想の王子さまだったのです。
長身の黒髪、ロマンティックな響きの語り。お金持ち。まさに王子。
ギルバートから最初に結婚を申し込まれた時は、アンは断ってしまいます。そして、ギルバートが自分との友情を壊してしまったと嘆いていたアンでした。その後であったのが運命の王子さまでした。アンは卒業までの期間ロイと親睦を深めていきます。ロイの家族とも対面しました。

誰もがロイはアンにプロポーズをすると言っていました。そして実際ロイは卒業式の後にプロポーズをしました。ですがアンは、「結婚できない。」「あなたを愛していない」とロイの申し出を断ってしまうのです。

ロイは確かにアンにとっての理想の王子さまだった。でも理想の人は愛の対象ではなかった。愛とはもっと別のものだった。アニメではかなりストーリーを飛ばしてざっくりと描かれていましたし、この複雑な気持ちに対する共感は難しいかもしれません。アンはロイをもてあそんだのですか?
いえ、違うんです。

私などはマリラの立場で読んで(観て)いたので、「アン、本当の愛に気づいて!!」などと思っていましたが、若い人たちがこの作品を見た時どう思ったか是非知りたいものです。こういったことは実際にあると思いますか?

この作品では理想の人と愛について表現されていました。けれど、私は理想と幸せといった別の尺度でもこのような話は引用できるかもしれないと思ったりするのです。私たちはもっと大なり小なり理想を持っています。その理想の為に日々頑張ったりしています。運命の相手を探している人もいるかもしれません。夫婦で話し合いをしたり、子どもの教育にも熱を入れたりします。

でも、それが必ずしも幸せになっているとは限らないですよね。理想のせいで、自分に無理がかかっているかもしれないし、選択肢も狭まっているかもしれません。子どもにはいい迷惑になっているかもしれません。夫婦がますます距離が出来てしまうことも。

そもそも、その理想は本当に理想なのか疑問に思うことも出てくるかもしれません。アンのようにいざ理想の人が自分のものになると分かった時、「やっぱり違うわ」となるかもしれない。

アンが最後、ギルバートに「大きな家も、大理石もすてきだろうけど、そんなものがない方が想像の余地があるわ」と言いました。「欲しいのはあなただけ」と。

理想というのは時々やっかいなもので、自分の本当に必要な物以上を求めたり、逆に自分の足かせになってしまったりするのですね。若かった私にも、(恋ではありませんでしたが)、理想のせいで違う方向性へ行ってしまったことがある気がするのです。

年を取って楽になるのは、自分の必要な物とそうでないものが少しずつ分かってくることかもしれません。私はまだそれに気づいている途中なので、時々失敗もしますが。

とにもかくにも無事にハッピーエンドに終わって良かったです。素晴らしいアニメで、何度も涙をもらった日もありました。感動をありがとうと伝えたいです。オープニングの「予感」も素晴らしい曲でした。もうこの曲とオープニングが見れないことが残念でなりません。
何より、いつか娘に赤毛のアンを読ませようと思っていた私には、思ったよりも早く娘がその作品に触れるきっかけになりました。娘も原作の3巻途中まで読んでくれました。児童文学というカテゴリーが正しいかは分かりませんが、青少年に是非読んで欲しい名作だと思います。

私もいつか、カナダのグリーンゲイブルズを訪れるまでに、10巻を読み終えるつもりです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集