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文系から技術職へ|30代で立ち止まっていた話

「30代前半の話です。」

👉「中途半端な年齢での異業種への挑戦。この分野だからできましたが、他の分野では失敗していた可能性が高かったと思います。」


30代で、新しい分野に挑戦するのが怖かった。
というより、怖いと認めるのが怖かった。

文系出身。
技術職の経験なし。
周りは、それぞれの場所でキャリアを積み上げている。

頭の中には、
「無理そうな理由」ばかりが浮かんでいた。

30代からじゃ遅い。
文系が技術職なんて現実的じゃない。
今さら方向を変えても、中途半端になるだけ。

誰かに言われたわけではない。
そう考えていたのは、ずっと自分だった。

20代の頃は営業職として働いていた。
仕事はこなしていたし、生活も回っていた。

それでも、
「これを続けた先に、何が残るんだろう」
そんな感覚だけが、消えなかった。

SNSを見ると、
同世代が前に進んでいるように見える。

昇進、転職、家庭。
自分は、止まっている気がした。

実際には、
止まっていたというより、
動かない理由を集めていただけだったのかもしれない。

31歳のとき、
特に理由もなくハローワークに行った。

相談員の方に、
弱音のように聞いた。

「30歳を過ぎて、未経験で新しい分野に行くのって、
やっぱり遅いですよね」

返ってきたのは、
淡々とした一言だった。

「私から見れば、まだ30歳そこそこですよ」

励まされた、という感じでもなかった。
ただ、事実を言われただけのようだった。

その帰り道、
ずっと考えていた。

誰に「もう遅い」と言われたんだろう、と。

会社でも、社会でもなかった。
自分が、自分に言っていただけだった。

そのあと、職業訓練校で電気分野を学ぶことを選んだ。
文系出身で、知識はほとんどなかった。

向いているかどうかは、分からなかった。
正直、今でも分からない部分はある。

ただ、
毎日通って、
分からないまま続けて、
人と比べないようにしていた。

結果として、
資格を取り、
今は技術職として働いている。

でも、
これを「成功」と呼ぶ気はあまりない。

振り返って思うのは、
人生が動いた理由は、
特別な決断をしたからではなかった、ということだ。

ただ、
自分で可能性に蓋をするのを、
一度やめただけだった。

今でも、
「遅いかもしれない」と思う瞬間はある。

でも、
それを理由に動かない、
という選択肢だけは、
前より減った気がしている。


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